美談にしたいテレビの
当て外れてあまりにも
ありきたりな障害者の日常
からから笑う全盲の友
平気で私の弱点つく
あんたほんとに弱者なの?
お前よりは強いかもねと
いう君のとても大きな ....
優しくされなかったなら
優しい心って育たないの?
人それぞれってどんなときにも
きちんとあてはまるの?
それは違うと思う自分の心
親ならねじふせていいの?
親のいうことなら
....
私の座っている椅子ごと
空間に旅する
もう姿をとどめない
いとも簡単にあなたが
私の肩に触れ
浴室を指させば
正確にいつもの時間
肉体のあることを思い出し
きしんでくる背中を感 ....
優しくない
人を妬む気持ちが
ドロドロと溶けだす夜
私はまた罪をおかしそう
もっているものをあわてて確かめる
人並みに揃っていればいい
多少足りないぐらいなら
コンビニにいって買おう ....
夕べから夜通し
留守宅の庭の物干しでさ
おにいちゃんのジーンズと妹のそれが
はたはた はたはた 風に踊ってるんだよ
足を竿に 通しながら
ふたりは決して仲がいいわけじゃなく
できるだけ ....
ねえちゃんもうすぐ誕生日やで
姉は私を まっすぐ見つめてそう言った
歳なんぼになったん?
と私
知らん
そよそよした風吹かせて姉が言う
そんなん知らんでええ
隣のおじいちゃん ....
支えとしての音を失って
私は迷うと思ったが
踏み出す足の先は
同じなんだとわかった
空間を歩く
私は心細いけど
それは なにかがないせいでなく
だれかが いないせいでもない
ど ....
サンドイッチじゃなくて
ホットサンドイッチだよ
ここは温かいほうがベストだから
あなたのいうことって大抵あてにならない
ね
って言われたって
一体なにが ね なの
秋は秋でも
....
母は酔って
元恋人に
生まれ変わったら結婚してといった
私の目の前で
かわいそうだから早くしんじゃえ
私はほんとうにそう思った
母の願いを叶えたくなった
母は まるきり弱い女にみ ....
過去はなんのためにできるの?
私の歩いてきた時間は消えればいい
風景は残らなくていい
明日さえあればいい
悲しい気持ち風船にして
飛ばす空は想いでいっぱい
ぶつかるから落下してくる
....
僕は 僕の理由で
たくさんっていったんだ
負けられないと思うなんて
雨はそんなことなんかで
ふらないとおもった
君は君の言葉で
伝えてくれるとおもった
ただ悲しむだなんて
思わなか ....
あなたの想いが緑なら
今 枯れて風に飛ぶのでしょうか
ひらりひらり秋の空は
すぐに黒に変わる
あなたの今が移ろうのなら
どこへいっても落ち着かないのね
かたりかたり秋の風は
すべて動 ....
どうして夕闇は
せかすように美しいの?
置いてゆかれる不安はもうないのに
雑踏に踏み入れる勇気が
ないのにたどり着いた
いつもの という駅
帰ろうとつぶやくと
さみしくなるのは ....
いつかは死ぬのにね
母が言ったからどきりとした
いなくなった恋人を
そろそろまた恨み始めていたから
母は
死ぬということと
家の中のあれこれとを
同じところに平気で並べる
....
夕暮れ直後のホーム
改札口でたところの隅っこ
明るいところからの暗闇
全部やばいぐらいの○○
ひやっとする風が首筋にとびこんで
くしゅん
すくめた肩を
最初に触れるのが君なら ....
僕は
知っていることと
知らないことを同列に語ってはいけないと思い
月についての
青いだとかまぶしいだとか
ありきたりな語句を沈めた
ほらね
僕の話なんてそれほどき ....
あなたのために心を込めました
とあったので
いったいどこに心があるのかしらん
と包装紙を乱暴にはがしながら
じろじろとみてみました
まさか包装紙の裏に
心と印刷されているなんて
おも ....
トイレにはいるたびに
作り笑いの練習をする
たまには心から笑えるのではと
期待もしながら鏡をのぞく
宗教しているおねえさんは
嘘でもいいから笑いなさいと言う
嘘でしか笑っていないという ....
母は黙って
何層もの小さなレースを
縫い付けていた
私たちの家庭に
あらゆる窓が
母のつくったレースで埋め尽くされても
黙って縫い続けた
私たちを見ずに
母は
母であり続け
....
言葉には
そのおしりに
しっぽがついておりまして
それをひっぱるとどこからか
あたりとハズレがくるのです
とたんに怒り出されたり
突然抱きしめられたり
それは全部あなたがひっぱった
....
あなたの肩に
とまるとんぼになりたい
雪じゃあだめです
とけたくないから
木の葉じゃだめです
枯れているから
羽があるのに
そっとすましてとまりたい
あなた ....
ふいに
窓の外の落ち葉が
気になった
口をあけながら
歯科の椅子の高さは
空中に浮いているようだったから
がさつ
という言葉が浮かんだ
繊細を願うセンセイの指に
小さめの紙コ ....
柔らかな詩集をよみたくて
その手触りをつてに探してみる
本屋の隅の空間
私と本との距離
固く閉ざされた世界
踏み入れる足はとまる
ひとりの詩人の呼吸になる
同じ風にふかれる
地 ....
何食べたい?きくと答えは
なんでもいい
魚?
肉?
なんでもいい
私いらない?
なにか言ったか?と
言ったかどうか
なんでもいい
どうでもいいは違うみたい
出来上が ....
足元がぐらぐらするようだった
すがりつこうとしていた
カタチ がよかった
なくならない ものがよかった
みえない
もの大事にして
きこえない
もの求めて
悲しいなんて言葉は使わ ....
さみしいよ
ってねえ そんなとき
だれにでもあるよね
こんなに明るくたって
たくさんヒトがいたって
自分ってたったひとりだから
頼りないよね
君の背中がみえないだけで
空みあげ ....
たくさん青く
たくさんまぶしい
なのに幸せということではない
とあなたがいう
冬 なのかもしれない
風はやはり厳しく
光り満ちていても
歩く足 多く
両の腕 振られる公園で
....
僕が昨日から大事に
大事に蹴ってきた石を
今日は空へかえそうと思う
僕の足にいいきかせる
もう石とはさよなら
石は星になるよ
僕の涙が含まれた
昨日はいらない
....
目の見えない犬と散歩にいく
ときおり
ふんふんふんと鼻を鳴らして確認する
それでいい
それでいい
と言う
ときおり
ぐずぐずと泣いて居場所を探す私
あっちをむいて
こ ....
愛されていると思いたい
愛していると思いたい
なにも標がないから
見失う気がする
何度も同じ場所を
通るたびに思うのは
ここを歩いているのは
自分だけかもしれないってこと
人生 ....
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