いつも正しいことについて考えている
正しくありたいから
せめて明日に
まっすぐ歩きたいと考えている
時間がないから
せめて明日は
悲しい気持ちは捨てたい
どうにもできないのを知っ ....
ソースとかしょうゆみたいに
自然にテーブルに乗っかってたい
だれにも気にされないぐらい
自然に過ごしてたい
たまには大量に必要とされたい
いろんなことが起きる
普通の居間の
普通のテ ....
優しくするのに理由があるとしたら
されないほうが幸せなのかもしれない
てんびんみたいに均等なんてありえない
庭でつばめが巣をつくる
それをねらってへびがくる
去年へびは雛を喰った
なの ....
濁った僕の目に飛び込んできたのは
真っ赤な椿
はちきれそうに赤の花が僕めがけてきた
赤 赤どれも赤
ぎざぎざに咲くそれは
鮮やかにうたっている
悩んでいた
うつむいていた
僕は ....
コンクリートのひびの
あいだから咲く花が
強いなんてほんとうかな
僕は風にたつ
枯れそうな木の
上から生まれた木は
生きようとしてるたくましい
命なのかな
風にゆられる僕は
....
透明人間になったらさみしくない
あなたの枕元にたったり
耳元でこしょこしょ話したりできるし
そっと服にはりついて会社にいったりもできる
透明人間になったらこわくない
噂話も知らん顔できる ....
山から
猫のひげみたいな藤がでているね
紫いろのつんつんを
みあげて歩く道は
いつもの道
悲しくても
うれしくても歩く
いつもの道
一生懸命がいいと
祖母は言うけど
結果がすべてだと上司は言うんだよ
今がんばれと先生は言うけど
夢をみなさいと校長は言うんだよ
愛し合ったはずの
父と母は別れ
憎み合うはずの
....
引っ越しする
君がおいていったダンボールの中に
ある私たちの昨日
もう一度あけてみたいけど
あけられないまま
窓をあけて夜をみている
知らない街の中の
知らない道を走る
わたしは車で
おどおどしながら走る
知らない街の
知らないショッピングセンターで
買い物をする
産地も知らない野菜を買う
いつまでたって ....
風邪には風邪薬
不安なときには だいじょーぶやって
のカラ励まし
私にはなんにもないから
とにかく明るく
軽く さっくりと
だいじょーぶやって!
と言うしかない
君が顔をあげるまで
言葉には魔法は無い
あるのは願いだけ
たとえ音になっていなくても
伝えたい想いはなんとしてでも
ひとは伝えようとするんです
それをきこうとしてくれる
人の前に
冷蔵庫から鶏肉をだす
ぐにゃぐにゃしているので
キッチンバサミで切る
小さく切る
どんどん切る
鳥だったことを想う
もしかしたら人間だってこうしたら
切れるんじゃね?
食えるんじゃ ....
布団がすきです
畳の上のひとがたになると
うすっぺらくなる
わたしがすきです
となりの布団が
ひとのかたちに寝息をたてるのを
みるのがすきです
畳の上の布団の上の
わたしはいつ ....
おにいちゃんがけった
おとうとが泣いた
うずくまって泣いた
おねえちゃんが
かばってまもった
そんなシーンをまえに
うごけないわたし
おかあさんは
なにごともなかったように ....
鳥は傘をささない
あめにうたれてなにかを待っている
たったひとりで待っている
どうして高いところにいるのか
まちびとは空からやってくるのか
そろそろ私の首は疲れた
鳥はひとりで ....
矢印をもてたなら
前へ前へ むけるでしょう
どんなに遅い歩みでも
いつかどこかへつけるでしょう
矢印ひとつもてたなら
空に投げてみるでしょう
遠く離れたあなたにも
みえるよう ....
お金がほしい
お金がいっぱいほしい
お金がいっぱいあったら
私は安心して死ねるとおもう
死ぬために生きている
いつか 死ぬ
そう思うと私は
今日も安心して生きられる
眠れないことは平気だという
君の夜中を私は知らない
朝には数々の時のかけら
君がいることにまた安心する
ひとは眠るとどこへゆくのか
ときおり握られる君の手を
包みたい私のこの目で
家族ってなんだろな
一緒に住むから家族かな
ごはんを食べたら家族かな
一緒に寝たら家族かな
見続けられても
ほっとかれても
悲しくなるんだよ
家族って
自由になりたい
そう思う私の部屋には
檻にいれられたハムスターがいる
飼っている
私が
檻は私を見ている
その中のハムスターは
ときおり私に立ち向かう
川の中に一列に泳ぐ鴨がいた
冷たい風の中平然と
大きいのから順番に
風にむかって泳ぐ
その背中じゃ風よけにはならないだろうに
大きい鴨は
大きいから先頭をゆくのか
親だからな ....
雪を含んだ荒れ狂った風がふくとき
懺悔をすることにしている
だれにも聞こえない声で
してしまった罪を告白する
あしはますます重くなり
背中は痛いほど冷たくなるのに
心だけがぽっかり ....
電線にとまるカラス
黒い数珠のように
とおくで丸く連なる
夕暮れの黒に
まぎれようともせず
ひとりがすきなくせに群れている
だれかが羽ばたけば
みんなとんでゆく
その連なる黒い ....
さよならをいうとき
世界は水平になる
別れるひとはまっすぐ
まっすぐ離れてゆく
いつかまた出逢えるなんて
あるはずがないとおもい
そのひとにそっと
自分の切れはしを贈る
大人が好むうたを
だれもいない道々うたいながら歩いた
こどもだったわたしの
精一杯の背のび
ひとりでも平気だと
おもうために必要だった
夕焼けは演出過剰気味に赤く
そこを目指さず ....
ともだちってなんだろう
あんたとあったあといつもおもう
結構男前なあんただけど
あたしのことみくだしてるの気づいてるよ
そして
あんたも気づいてる
おんなどうしって
互いに相 ....
十二月三十一日で神様と決別した
もう神を頼らない
歯医者で思わず
神様! なんてすがらないし
こわい検査の前にもうっかり
神様のあしをつかもうと考えない
子供の頃必死で
神を憎ん ....
コインランドリーでだれかのパンツが回ってる
そういえばあいつもトランクス派だったよな
そんなこと思い出す夜
だれかが忘れたハンカチとトランクス(
またトランクスかよ)
をよけてどっかりと ....
おかあさんだいすき
おかあさんだいきらい
どっちもほんとう
どっちもうそ
おかあさんは私の味方
だからおかあさんが重い
おかあさんはありがたい
おかあさんがしぬなんて考えられない ....
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