ごちゃごちゃ言うてんと手え動かせよと
何度言われても私の頭は
すぐにどこかへ行ってしまう
脳内 口腔内 上空ははれて
痛みまで感じる三月の空
目の前のことでなく
この先へ続く仕事
一 ....
いろいろな隙間に落ちている
優しさを拾います
たとえばこんな糸くずにも
思い出がからまってます
洋服の裏についた
予備ボタンみたいに
ある日必要になったからといって
どこに置いたかな ....
さみしがってもかまへんよ
そやけど けんかはあかん
おばあちゃんは よう言うてました
自転車こいでこいで
も少しこいだらついた
どこどこのこおやて言われたくないから
いそいでおりました ....
今朝からの気温
変わらない気がする
私の今日をふとふりかえる
足跡があると
思いたいのも認めて
暮れる空みる
みな帰れよ
それぞれに帰れよ
祈りとかくのもおこがましく
指 ....
私のかいてるものは
ほんとうに詩だろうか
詩に見せかけたいいわけじゃないだろうか
あのひとが離れていったのも
そのせいじゃないだろうか
昨日地球はまるかったけど
それもほんとうなの ....
大きくなったら
なんでも食べるヒトになります
ヒトを守れるヒトになります
揺れる怪獣にも
流れる水にも
勝てる大きなヒトになります
ごめんね
間に合わなくって
だけどこれからも ....
ココア/あったかい
メイプルシロップ/甘い
制服の頃のみんなの笑顔
優しい言葉に浸っていたい
少し触れて
指でなぞって
傷をその光りで癒すよに
頭でわかってる
入り口でとまって ....
私がなにをできても
なにができなくても
私は私の心で
あなたのことを想います
どんな場所の空でも輝く月のように
あなたはきっと無事でいる
信じることは絶対やめない
言葉など無力でしかないと
何度思い知ればいいのだろう
たった一滴の水をとめることもできやしない
いつの日も
私の言葉が間に合ったことはないのに
うたをうたわずにいられないのだ
....
おとうさんの誕生日が知りたい
私の生まれた時間が知りたい
私が生まれたときの
父と母の顔がみたい
私が生まれたときの
家族の第一声がききたい
私は生まれたかったのだ
私の過去を想 ....
あなたのことを
許せない
許せない
許せないと私は泣いた
肩を震わせるあなたと私は
どこが違うの
なぜ という言葉の答えを
見つけられずに泣くふたりの
影はヒトという形にみえた ....
私はすっかり
私の慰め方がじょうずになってしまい
ひとり ということに慣れてしまいそうなのか
産地直送ストレートりんごジュース
とかかれたポップが目に留まる
ラベルには
りんご園と青空 ....
甘いからいやだなんて言わないで
2人分のカフェオレ
ことこと牛乳の
香りが満ちてくる
少しあわただしかったのは
冬と春の交差点にいたから
君の私の言い分を溶かして
飲もう一緒 ....
白い雲を丹念にめくってゆくと
そこには地球があるのでした
青いのでした
私の指先についている雲をひとなめすると
口の端から一筋の液体が(ヒトの想いといふものではないか)
こぼれおちた
....
うちにうりぼうがきた
祖父が猟師から安値で買ってきた
うりぼうはかわいくて
姉と私はこっそり
うり うり と呼んでは
かわいがっていた
うりぼうは決して私たちの
声に喜びはしなか ....
からっぽの心にトクトクいれる
もっといれなきゃ優しくなれない
からからからの心のままじゃ
とげとげしすぎて痛くなる
甘くてあたたかなまるで愛のよな
飲み物いれる自分にも
あなたに届けら ....
当たり前のことなんてひとつもありはしない
なのにすぐに忘れてしまう
順番なんかではないのに
シーソーみたいな上下運動に
慣れてしまって駆け引きするの
人の大事な心まで
量り売りするよな ....
さみしい人が多いから
インスタントのコーヒーを
淹れて配りましょう
ミルクもつけて
ひとりになってうつむいて
泣きそうな背中に
かける言葉が見つからなくて
迷いそうでも
コーヒ ....
冬には冬のうたがあるように
きっと今頃にもあう うたがあるのだろう
知らないということは幸せなことで
季節にも うとくてすんでしまう
桜が咲いたら春だということにしている私にとっては
今もま ....
静かなまま今日が終わり
朝になってゆくことに慣れて
季節だけが変わってゆく
続いてる命の呼吸
私もどこかへゆくのね
変われないことに泣き
変わることを目指しすぎて迷う
ありの ....
今日あったいいことを
風船に隠してあなたに贈る
ぱんと割れたなら
幸せになってほしい
割れないのなら
天井で控えています
いつかあなたの
悲しい窓辺で割れますように
探すつもりのない貝殻に
出あって手にとった
何事か話しあって
そっと海にかえす
明日への道は
互いに自然に呼吸をして
迎えたいね
波につぶやいて眠る
とげのある花は美しい
とげのある木の芽はおいしい
とげのある枝の実もおいしい
私はとげによく刺さる
とげの入った手は痛い
とげは心に痛い
とげとげしいのは好まないが
とげとげしくなっ ....
星をよけて歩きたい
君の疲れをとるために
夜風もそろそろあたたかくなりました
自分のカラダを
抱くために回す腕
融けだしそうな暗闇に
負けないよに抱きしめる
意味探し
ぬくもり ....
おかあさん誕生日おめでとう
不思議なことにこの言葉を
面と向かって言った記憶がない
おかあさんが生まれた日を
祝った記憶がない
おかあさんはいちごがすきと
知っていたけど買えなかっ ....
ほんとはね
で始まる話しは
電車が通過する風にとぎれた
あれって枯れてるのかな
ホームの外側の木を指す
一瞬
春の景色がふたりを包むから
黙って乗り込む
同じむきにゆられて ....
愚かだ愚かだ
やがて うたうように嘆く私の
そばで笑う苗たち
ビニールハウスの めくられた片側で
蝶のような葉はみどりいろ
くすくす くすくす
背のひくい茎のものまでも
群になっ ....
つめみたいに切れたら/想い
また同じのがはえるなら
いくらでも悲しむのでしょう
しっぽをたてて 泣くのでしょう
大きくなった子犬は
セール札をはられて
メインボックスから離れて
ぽつ ....
星形のサボテンの気分で目覚めた
窓の外に
柔らかい青空
いっきにトゲとけた
ふにゃりくにゃり
もぞもぞさがす右手
君に報告
生きてますよ
あのね
ありがとう
古い家屋に手を入れてできた料理屋さんは
まるで人をこばむように
さっさとおゆきなさいと
言うように人の気配を消す
庭に咲いた花まで
初老の店主は言う
ひとつひとつ皿を運び
魚です ....
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