持っている数枚のカードを
並べて、切って、貼って、繋ぎ合せて
羅列を乱して
新しい言の葉の羅列を作る
枚数は限られている
枚数は限られている
    *
タータンチェックのマ ....
ソフトビニールのキューピー人形は
なだらかな尻を突き出して水中を探索し
ゼンマイ仕掛けの赤い鯨は
白い腹を見せて背泳ぎをする
目玉のシールが剥がれた盲いた緑の象は
水を飲み過ぎて横倒れ

 ....
長雨をもたらした群雲の涯にかかる桟橋

漕ぎ出せば容赦無い光の海原

破線の僕の輪郭はより不確かなものとなって

影は灼けたアスファルトに縫いつけられる

光と影は背中合わせの白と黒  ....
突如帳が切って落とされる

ブラックアウト!

一番星見いつけた

何処に?

(鋭角な紅い山の頂に白い驟雨が降り注いで)

左足の小指さ
今宵瞼の裏で逢ひませう

烏が帰る誰彼時

水晶体の前で待ち合わせ

不恰好でほんのり苦いあの

橙の灯りが消えたら

輪切りの檸檬を浮かべた

レモネードを飲みませう

 ....
此れは私の左の膝小僧が小耳に挟んだ話

涸れ井戸の中の蛙が水泳大会で

目も眩むようなドルフィンキックで泳いだこと  

月の流刑地に収監された犯罪者は髪に棲む金魚よりも

コロッケの ....
不自然な色をしたゼリーは
舌の上に空色を強か(したたか)に残して消えた

無疵なものなら此処にあるよ
口の中にビー玉を詰めて栓をした
うっかり全部喋らないように
舌の先で話を転がしてる
 ....
ばうばくとしたあさもやのなか
かいじゃうにただやうとしのかげは
こひわづらひのおおはまぐりのためいき
しんきろうのまちまちは
さまよえるあはうみのごとく
こつぜんとしてすがたをけし
とつじ ....
見え透いた嘘

無果汁のメロンゼリーを
プラスティックの容器から外して
皿に移す

ゼリー越しの世界は
すけすけ
(ナンテイヤラシイ!)
透けて見えるよ
いろんなものが

銀色 ....
十字の肢体に
難解な漢字や空想上の生物や
童謡の哀愁や郷愁を
与かり知らないままに載せて
それは翔ぶ
沖の赤いブイのところまでが
遊泳可能区域です

深い深い黝い海中のグロテスクな生物も
死が自ら設えた玉座も未だ見たことがありません
本の中、他人の話でしか知らないの
今日もまた白砂の遠浅の ....
貴方とは

賭博癖のひどい文豪のこと

自作の筒眼鏡で星々に思いを馳せた伊太利亜人のこと

赤チョッキの闘士のこと

南洋庁へ勤務した病弱な作家のこと

その他諸々のことは

 ....
塔楼の守りを仰せつかって
此の世界を眺めて二十余年
まだ此の世の面白さも
遍く総てが美しい
とは認められないまま

君は知っている
昨晩降り注いだPH6の雨の沁みこんだ土塊の味  ....
肉球の無い猫は
ビヤ樽のような胴回り
胴長く四肢は極端に短い
転がるように動く
十二の動物の輪を横目に見やる
孤高の脱落者
日がなカルヴァドスを舐め舐め
嘘を書けとうそぶく ....
十三夜の夜に里芋が丘月往きシャトル「GIS-SYA」に搭乗して
一寸月まで行ってきたの。
期間限定のビター・チョコミントアイスを食べた後に
新しく出来たカフェでキャラメル・マキアートをテイ ....
沙虹(15)
タイトル カテゴリ Point 日付
小春日和(仮)自由詩010/10/23 8:39
プール自由詩508/6/14 8:17
自由詩608/5/5 8:21
ツインクル自由詩108/4/16 8:47
(眠)自由詩107/12/23 23:11
ありうる話自由詩007/12/15 8:14
ラムネ自由詩207/12/13 14:08
春(仮)自由詩2*07/12/11 14:12
ゼリー自由詩107/12/10 7:56
とんぼ自由詩007/12/8 8:11
遊泳可能自由詩207/12/4 14:02
徒労自由詩0*07/12/1 7:49
りゅんこいすごっこ自由詩107/11/26 23:26
肉球の無い猫自由詩207/11/23 13:55
月面懸想文自由詩107/11/21 8:11

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