夜道はすこし冷えていて
春のほこりが涼しいのです
雲のまうえにくっきりと
月が油膜を光らせています
夜景はいつも
柑橘系の彩りです
金網の向こうで
車がどこか目指します
夜道はすこ ....
韓国のかたを接待する
はじめて会うひとたちだ
韓国語のあいさつって何だっけ?
カムサンミダ?
水商売のおんなたちが
着物で歩いたり
小綺麗な顔をして
タクシーで過ぎてゆく
天ぷら屋さん ....
駅が近づくたび
いい日旅立ちのメロディ
寂しさとはなにか?
親子の絆とはなにか?
幸福とは?
真剣な暮らしや営み
きみのそういうものを
すべて僕は壊したよ ....
出張がえりの車窓には
地方の暮らしが流れています
それを目とこころで聴いています
トンネルのなかにはいるたび
車窓にじぶんが貼られています
生きているのに
死ん ....
ドアひらき
ホームにひかりと影かたち
風はまるで波のよう
地上にからんであらうよう
ひなたぼっこをいたしましょう
かげふみなどもいたしましょう
ドアひらき
....
空に月
透明な
群青色に
月が
低いかすれ雲を照らしている
なんにもない
孤独もない
ベンチの鉄が
つめたいね
空に月
透明な
群青色に
月が
低いかすれ雲を照らしている
長い出張からかえる
会社によらずに
7時ごろ我が家にはいる
それでも子供たちは
もうご飯を終えていた
おもちゃやお菓子のお土産
思い思いにいじったり
口に入れたりしながら
妻から
息 ....
こどもを見つめていると
じぶんのその頃の
夜の過ごしかたを見つめてしまう
息子たちは風呂をあがり
アイスクリームを食べている
思いがこの世にあふれている
やり過ごしの毎日が貴かった
....
明日はゴルフだった
きょうは相変わらず忙しかった
そんな夜が
大学時代のクラブの仲間の
お通夜だった
ケータイで
しばらくぶりの友人と連絡を取り合った
お通夜のあと
粗雑な建物の出入口 ....
その三人はひと込みのなかで目をひいた
風が
少年の顔をまぶしくさせていた
連れの中年の男は
少年の父親のようには見えなかった
連れの女は
少年の姉のように見えた
かなり年の離れた姉
女 ....
決勝戦の日
その朝早く
正吾はひとりで甲子園に来ていた
四年まえの占い師の言葉が嘘でなければ
きょう、俺は、甲子園の優勝投手になるはずだ、
高速道路の屋根のしたを歩いて
蔦のからまる球場に ....
夜を走る、
トンネルを走る、のとは
訳が違う
わずかな光に
希望をかんじながら
涙ににじめば黒いお花畑
どんな暮らしをしているの
新聞にのるような暮らし? ....
街の明かりを
遠くに見ている
近づいては
時間のように消えてゆく
行為だけが
宇宙の計算式で積まれてゆく
ひとはどこから来て
どこへゆくのか
そこに ....
雨あかりのなかを
ふたりの足が歩いている
濡れているのは
傘だけでもなくて
ホテルに向かうしか
だれにもみとめられずに
ふたりではみたされなくて
雨あ ....
温泉街にきたら
道草をくうように
いつだって連れだってソープ
なれない居心地は
じぶんと対話できずに
自問自答をしているから
夜風をつくりながら
坂道をホ ....
アサヒビールの工場を観光した
アサヒスーパードライは
今年発売二十年になるんだそうだ
あれから二十年!
十八のぼくは
いまとおんなじ趣味をして
ふたりの女と付き合っ ....
どんな国かは
よう分からんが
雰囲気好きや
なんか行ってみたい
無責任にそう思う
料理も
口にあうし
あの石も
しんみり見ちゃう
音楽も
....
スナックをさがして
白いテナントビルに
宝石という
名前のラウンジを見つけた
ひとり90分1万円
ボトルキープは18000円
そんなもんなんかあ
客ひとりにひ ....
春の湿り
香がする
青が焦げつき
祈りを試す
やり過ごして
生きてゆこうか
迷惑かけない
程度でいいから
春の湿り
香がする
青が焦 ....
うまくいかないのは
ぼくが
うまくいかないことに
支配されているから
そこから抜けだすのが
とてもみじめに思えるから
感情は
移りゆくものに
いつも ....
曲がり角
まわると誰もいない
いるはずもないのに
探してる
バスの小窓に
見えない声が
聞こえるから
曲がり角
まわると誰もいない
いるは ....
浄らな思いで
祈ることもできずに
二月の夜道を歩いている
そういえば芸術は
どこか遠くて浄らなものだ
サティを聴きながら
迷路に一夜を運んでいる
きみは一 ....
あかるい曇り、昼下がり
このとしで、なんの未練があるだろう
宗教書をよむひとや
金利を指示するパーマのひと
口は悪を語らずとも
胸に抱いてちゃ
浄まるものも浄ま ....
いくばくかの希望
希望を泳ぐ
だれかの傍観者
だれかの人生、その舞台
はやく咲いた梅の花
素直に愛でることを忘れて
新しくできた喫茶店
ぼくは韓国のひとが ....
あたしのこと、ただ
話していなかっただけのこと
不自然でしょ
あたしからペチャクチャと
そんなこと話し始めていたら
あなた、人生って
暗闇にともる明かり、消すよ ....
あたたかいあめなんてあるのだろうか
てがみをかいてるきみにたずねてみよう
うえからみている
じかんじくでそうぞうをしながら
つめたいあめにせなかをぬらして
ぼくは
....
イクと人間関係の
残骸だけが
骨組みだけが
重たい
動機づけのない
俺は立ち去りたくなっている
愛していたのはなに?
愛を消費して
また充電して
....
ああ、冬の日に
ぼくはあなたと失いたかった
夜の海をゆく
フェリーの三等室
垢にまみれた
蛍光灯に照らされ
ああ、焦りのような
遠いこころを見つめている
....
ほこり臭い夕方のひかり
肌にはつめたく
悲しみには音たてて
地球のいちぶでうなだれている
彩雲がはしる
きみを想うの感情を
どうどうどう、と
制御している ....
あたしはあの頃
治療と返済のことばかり考えていた
それと
愛と
あたしがあいつに出会ったのは
あの頃ではなかった
あの頃よりずっとまえ
あいつは職場の上司 ....
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