きのう友達のミクシィからログインして
昔の彼女をさがしてしまった
彼女の妹の日記に書きこまれた
文字のつらなりに
きっとじぶんをさがしていた
出張がえりの
車窓 ....
花巻に来ている
宮沢賢治と遠野物語の
風が吹いている
土が匂っている
せつない、ただせつない、
全車両禁煙の新幹線で
もうすぐ
この風と土から離れます
....
生物が
水を発する
無生物が
それを含む
春だ
コンクリートの
甘い匂い
匂いとは
埃のようなものだ
テレビのうしろ辺りに溜まっている
埃のようなものだと
そんなものだと思って ....
昼を見ても、夕方を見ても、
夜も、朝も、
まどろっこしい人々に苛々している
幸せなんかあるのか、なんて思ってしまう
街明かりが、家々の明かりが、
まどろっこしい人々を照ら ....
東北ゆきの新幹線
平野の夜を
細く小さく進んでいる
人影のない模型に
明かりが
車って、
誰か乗ってないと、
動かねえよなあ、
東北ゆきの新幹線 ....
駐車場に
たくさん置かれた車たち
街明かりに
きれいに照らされている
それが僕を励ましたんだ
この道を、町を、田んぼを
まいにち自転車ではしっていた
そんな風景をしまい込むために
写メをとったりしているのは
世界をつまらないもんだと
傍観者となっているアタシな ....
席をさがすような顔をして
きょうもなんだかさ迷っていた
金さえあれば街は
24時間やっているバイキング
じぶんのちいさな心たちを
このからだコクピットにして
操縦し ....
こどものころ
小三になるてまえの春
ぼくのいちばんの親友が
引っ越してしまった
お母さんと大阪にいってしまった
ぼくはのび太くんに会いたかった
また仲直りして戻 ....
横断歩道を
母に押されて
赤ちゃんがゆく
彼、彼女は
やわらかい指を宙にさす
世界は、波紋する、
ひかりに、注されて、
水いろの、みらい、
横断 ....
よこしまな旅行でも
散策などしていれば
けっこうオルゴール屋さんってある
よこしまなふたりは
見当ちがいな癒されかたしてる
彼女とそこにはいる
迷路な胸をかかえ ....
聴いたことないけど
はやってる感じの歌謡曲
エンジンが去ってゆく音がする
このまえ探したひとを探して
あきれるくらいに漂っていた
あしたは山に向かう
バックミラ ....
電車に運ばれて
自然の黒いろに
人工のひかりが
駆けぬけてゆく
夜を運んでいる
皆なにかしらの
欲望をこらえながら
目を閉じたり
見つめたりしている ....
おんなじ町に
子供のころから住んでいると
きょうのように
車じゃなくて電車で帰るとき
各駅停車で帰るとき
ひとつまたひとつ
思い出に停車している
駅は姿をかえ ....
風のいたみを忘れてた
空はかおを変えている
ぼくは気持ちをなくしてた
空はついでをなくしている
ねむたくなるだけ
みやこ落ち
やさしいひとよ
空はあたらし ....
運転しながら
演歌をきいている
このじかん
こんな奴らはごまんといる
天使と寄り添うひとびとは
天使と向き合うように
演歌と寄り添っているのだ
運転し ....
運命というものが
鉄路にたとえられるなら
どこから来て、
どこへ向かうのか、
そのうえを走るということが
生きているということだ
銀河鉄道の夜
みずうみで ....
眼下にひろがる
地道な星雲のような光は
夜の化学工場だった
下請けの金策のゆきづまりを
昼すぎに聞き
最終の列車にのりこんでいた
眼下にひろがる
地道 ....
時が吹いてる
風が経つ
風が吹いてる
時が経つ
なんの違いがあるだろう
おんなじ力の連鎖だろう
一生という時間を想うとき
一生という風を観てしまう
....
着込んだいでたちで
灰いろの小道をうろうろとしている
ぼくはあくびをして
悲しくもないのに涙でにじんでいる
こころからはしゃげているのは
子供たちばかりで
こころから寄り添えているのは
....
今年の冬
寒くもないけれど、冬
季節と握手をして
さよならも言えない
記憶はなくなって
はじめて癒されるみたい
深夜番組のコマーシャル
だれに見てもらいますか
今年の冬
寒くもな ....
アボジは一階に住んでいる
二階からうえには
あたしとお母さんと妹が住んでいる
あたしと妹の部屋は三階にある
結婚して東京にいる姉の部屋は
ときどきあたしの部屋になっている
一階と二階にトイ ....
夜中すぎ
マンションのへりに車をとめた
月がかがやく
ひかりが散らばっている
夜を青くさせている
ぱっぱっ
ぱあぱっぱっ
ぱあ
ぱっぱらぱっぱっぱ ....
木蓮だ
白がこぼれる
ぎこちなく
白がとどまってる
木に花の咲く不思議
桜より早くそれを伝える
動きだしながら
リセットされて
有機カルシウム
....
午前10時
高速から山を見れば
青白い町並み
貝のお吸い物のようだ
女って全員気が強い
付き合いはじめたあの娘
既婚者と知っている
午前10時
....
アイスクリーム工場の
製造ラインのコンベアが
スピードを二段階ひき上げた
そんな三月の陽気
異常気象、というよりも
太陽が近くなっているだけなんです
空の端にね
ぼくらが住むね
アイ ....
出口、入口
ほんとのことは
じぶんを見つめて
信じられない
ことばを吐かれて
会いにきみに問いにゆく
ま、団参バス
静かな汗に照らされて
きみ ....
展示会をおえて
ふたりで打ち上げ
ちいさな会社だ
春の匂いが
公園に
もうすこし
一緒に
外灯の下で
展示会をおえて
ふたりで打ち上げ
ちいさな会社だ
詩は演歌で
演歌は詩で
詩とはなんなのか
演歌とはなんなのか
ひとはひとりで
象徴のシャワー
浴びているのだ
詩は演歌で
演歌は詩で
詩とはなんなのか
演歌とはなんなのか
錯乱した
曇天の
ハーケンクロイツ
だれかの 閃光
白い声をめくり
棲息を
纏いながら廃墟をとじる
かなたの 問答
見えない洞窟
....
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