精神だってそうなんだから
いのちも病にかかる
見えないものだって
病にかかるに決まっている
立川駅南側の商店街が
藍色のなかだった
硬質の光を放っている
....
ひらけた駅も
すこし歩くと商店街
秋の日と陰が
水色を落としている
昨日の試合を
思い出しながら歩く
息子の剣道の大会だった
本格的な試合は初めてだ
....
日曜の朝
ひとの少ない駅のまわり
秋の日だ
きょうの最高気温は34度らしい
でもやっぱり
きょうはもう秋の日であるらしい
日曜の朝
ひとの少ない駅のま ....
息切れには
吐息を感じている
ふたりぶん
ベッドのしわには
地球のあと
煮つめあっている
部屋の光り
せんぷうき
ぶーん
ふたり
せわし ....
悲しみも
かなたから見れば
あめ綺麗
そういうこともあるよね
日常もね
かなたから見れば
あめ綺麗
そういうこともあるよね
天気あめ
あな ....
お日様あれど
天気雨
例えば
林のよこの道
歩けば風の
舞いおちる
例えば
線路の上の空
雨の銀、線
斜のはしる
お日様あれ ....
ながいまどろみを
はやくぬけでたい
でもね、心底では
ぬけでたくないよ
そんな気がするよ
幸福になる覚悟や
そうであることへの
受け入れができていない
....
そぞろ吹く風に
重たいベクトルは
もうないようだ
藍色がはやく降りる
虫の音がしている
秋はどこからか
煙の香りをさせている
それがこころの
鏡のな ....
夏の終わり、風
やわらかく
それは
肌ざわりも色彩も
二本目の煙草に火をつける
木陰はずうっと黙っている
つくつくぼうしが縁をとる
夏の終わり、風
....
石川遼くんが
プロとする緊張感と
すがすがしさのなかでプレーをした
プロに参戦した記者会見でそう言っていた
なんと覚悟のある言葉であろう
なんと受け入れのある言葉であろう ....
こころは
どこか遠くへ
追ってみようか
受け入れてみようか
ぼくらの感想戦
さよならなんて
なんて乱暴なんだ
フェイドアウト、するさ
こころは
....
俺は日本で働いているんだな
ひとを傷つけたりしながらな
出国まえの寂寥とは
いつもこんなものだ
迷惑かけない程度に生きよう
感性的な落ち込みはやめよう
....
赤道をこえるとそこは
時差1時間しかない
季節が反対の地であった
展望台から
川と家々と森の平野を見つめる
ひとの姿は見えない
ちいさすぎて見えない
で ....
女に興味をうしなったのは
それなりにつらい経験をしたから
それが無駄な時間に思えてきたから
未来を俯瞰できるようになったから
たまたま好きな女がいないから
いまさら家族へ ....
フライトのあいだ
夜空の点になって
もしくは線になって
ジュンパ・ラヒリの
その名にちなんでを
しがみつくように読んだ
なんどか眠った
起きればいきなり
また本を開いた
なにかを取 ....
夕方の終わりを見つめる
夜とはひとつの物質だ
夜とはたぶん雲のようなものだ
幼い頃を
洞窟のようなところから
覗いている
影
影とは雲のことだ
傍観 ....
夜の街から
夕方の終わろうとする街へゆく
帯状に赤黒く焼けたむこうは
焦げたピンクに冷えてゆくようだった
そのうえには透明とブルー
さらには夜が降りていた
夜と ....
いちねんのうちのほとんどが
晴れだというのに
二日間、雨と風にやられっぱなしだ
ゴルフもずぶずぶのぐしょぐしょだ
フェアウェイには黒と白を基調にした
見慣れない鳥たちがち ....
中村雅俊になりたかった
リアルタイムや再放送で見たドラマ
俺達はたぶん
中村雅俊になりたかった
会社の仲間と二次会のカラオケ
いつのまにか
本人映像の中村雅俊の ....
風、ぱたぱた
虫の音色
月、雲に隠れ
湿りの中
ひからびる幻
ワイシャツが
すっぱいケモノのニオイ
クサイクサイ
風、ぱたぱた
虫の音色
....
灰色の街に
俺たちの轍が
友情はぬるくて
裏切りのまえで
アルコールのはいった兄弟
ブランコのよこで
頬をうたれる
女の顔のてり返し
灰色の街に ....
空に散らばる
こころたち
鏡のように秋ひかる
テーブルのうえで
キスをしたのは
からだにいいから
夕方にそまる部屋で
影の色ですれあっていた
しあわ ....
つきのかわらだ
夜の雲われて
あいつのこころ
鉱物みたいに
ちらばっていた
高速道路の空に
そいつを置きざりにした
強く踏み込んだ
つきのかわら ....
かたちのある世界は
祈りのまえでは
透明人間のようなものだ
祈りは
かたちのない世界にある
かたちのある世界で
かたちのないものに祈る
かたちのある ....
ほんとうに好きなんだったら、、、
よくそんなこと言われてたよな
好きだから、苦しいんだよ、、
そんなことよく言ってたよな
うしなうのも
つづけるのも
いやだった ....
ひまわりのうなじは
ふれると
かたくてざらざらしていた
ひまわりといえば
黄いろと茶いろ
そのいろが語りかけていた
おう、そうかあ、
それはたいしたもんだなあ、
冷えたコロッケの香り ....
夏休み
なんかいめかの
花火をする
お盆さえ
いっしょにいてやれなかった
贖罪を
火にくべる
はなやかな花火のあとに
さっきした
線香花火
....
夏空の雲
お、あれは俺だ
俺は夏空なんだと
勘違いしている
雲だ俺は
もこもこもここもこもこ
宇宙からのぞけば
たんなる地球の模様だよ
夏空の雲 ....
きみもいま
地球の重力のなかにいる
月を見てる
おなじ引力のなかにいる
もう二度と
積極的には会わないひと
さいごの約束を
ふたりで破ったのは
何年 ....
ボーダーラインをひく
それは円かもしれないし
直線かも
または曲線かもしれない
さて、
こっちとはどっちなのだろう
たとえば円とは
ボーダーラインの内側なのか ....
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