路地には梅が
夕日は夕日で鏡のようで
黄砂は地球の
メカニズムにのって
ぼくらは愛や恋やで
胸を痛めてみたり
切なくなってみたり
か弱い螺旋の生き物です
....
放った光で
きみのすべてを
てらしたい
裸のなかみは
かなしみでも
嘘でもかまわない
まぶしい。
だいすきすぎる。
あなたは。
放った光で
きみのすべてを
てらしたい
裸の ....
風に吹かれて
散り舞い
降りやまぬ塵
塵は
つもり
やがて
土に
風に吹かれて
散り舞い
降りやまぬ塵
どこからか音がしている
いまから探しにゆくんだ
ぼくらがはぐれた場所を
孤独がしみてくるよ
バイク、トラック、バス
クルマなのかどうか
どこからか音がしてい ....
午後十一時四十五分
きらきら星がひかる
ひんやりみそ汁みたいな匂い
外灯に白く彩られて
自転車がすぎてゆく
きみも誰かとそうか
午後十一時四十五分
き ....
もう二度と
会えなくなるひとなんて
ほんとうにいるのだろうか
この有限世界から
ぼくらはなにを失うというのか
慟哭の朝の光に
普通の日々が重なってゆく
もういちど問う
もう二度と
....
夏だった
夜中にはじめておまえが来て
朝まで風呂場でいちゃついていた
ゆぶねでおまえはなんども痙攣して
ねむったように首をうなだれていた
さいごはしょんべんまで飲まされて ....
雪が散り舞う
気の遠くなる場所から
此処まで君らは降りてきた
君らが人間なら
乾杯といきたいところだ
どうやって来たんだ、
重力で来ました、
途中大変だっ ....
中芝でふたりすわってランチした
ハムとキュウリのサンドウィッチ
彼女のつくったサンドウィッチ
すずしくてさびしい味だった
紅茶が飲みたいといったから
正門まえのパン屋さん ....
遠く遠く
声がするから
風がやんだ
風をふりかえる
愛した肉は
東京で息をする
茜いろを
風を抱きしめた
涙をふいたら
さよならの意味
....
物足りないじぶんでも
そこに懸けてゆくさまに
求心力が生まれるんだ
それが人生のからくりだ
あらゆる預言はただの確率論だ
物足りないじぶんでも
そこに懸けて ....
しっかりした冬だったから
色づきは
とびきりのやつを見せてくれるだろう
裏切ることもなく
期待に添うわけでもなく
ひとつきもしないうちに
まいにちさくらになるだろう ....
さびしい、
さびしいとは
どういう場所からやってくるのだろう
感謝が足りないから
さびしい、
感謝にみたされていても
さびしい、
感受性の問題で
さびし ....
ぼくたちはやっと
愛について話しはじめるのだった
ここまで逃げてきたけれど
観光地のように
あたりまえのように
ここには普通の日々がながれていた
ぼくはきみ ....
朝日、山を越える
オレ、ゴルフに行く
休日のはじまりの風景は
こんな道すがらにもあるんだね
だれか
愛してください
温度のない希望が
ささくれだってい ....
おまえから電話
車のなかにイヤリング、
おとしたかもしれない、
ホテルかもしれない、
オレはおまえをはげました
おまえが悲しんでいたから
それが結局
どこ ....
命のともしびに
季節のかわりめの風が吹く
死と戦っていた人々も
それを受けいれてゆくようだ
死との和解
ぼくらはその
和解劇の傍観者だ
命のと ....
19のときニューヨークに行く
めんどくさいからひとりで行く
なんでかモンローの絵葉書やら
カレンダーばかりを買い込んだ
そいつでオナニーしてみようと
試みたけどまるで勃た ....
かなしみは
ひかって滴りやまない
目がにじむ
結晶
それはあなたと
永訣するその夜だった
かなしみは
ひかって滴りやまない
目がにじむ
結晶
それはあなたと
永訣するそ ....
こどもの頃からずっと
頭と目玉だけおんなじ
ラブホいきてえ相槌は
火曜8時のお笑い番組
こんな男に仕上がった
そんな夜にはまるい月
時が経つとはどういうことだろう
勝手に時は過ぎてゆく ....
おまえのおなかの裏側を
指でおさえる
鳴きわめいて
おまえは貝の射精をする
お尻の穴まで
肉の金属が腫れあがって
金庫強盗ってこんな感じか
そうしてかすめ ....
30年前かこんな季節
そんときしていた頭痛
なぜだか急に思い出す
あれからあんな地球から
こんな地球に来たけれど
ひとはなんで
仕事なんかしてるんだろう
官公庁にゆくと
お役人さんたちを見つめていると
そんなことを考えてしまうんだ
暇つぶし?
じゃないことだけは分かっている
....
フェルマータ
西洋と東洋が綱引きをはじめる
コンドルが飛んでゆく、
この哀切を口ずさんで家事をしていた母
仲良くなると休み時間
ふたりしてトイレに連れ立つ女学生たち
....
それくぐるにはたまに勇気がいる
なんにか知らない勇気がいる
白い花かざり足にともせば
ぼくらはなんにか知らないが
ありがとうの門くぐられる
それくぐるにはたまに勇気がいる ....
冬の日の午前
ちょうどそのくらいの影や音
たいせつなことを
たしかめるための明るさは
冬の日の午前
ちょうどそのくらいの影や音
よく晴れた強い風の日だった
気がつけば雪が降っていた
ライスシャワーのような雪だった
人生という森のなかで
ふたりして
夕日について考えてた
よく晴れた強い ....
運命なんて
ないようなもんだと思うわ
別れてすぐは
たがいのこと心配だけど
あたし忘れてしまえるじゃない
風が吹くから
波があるのかしら
海流と波って
....
夜しか会わないふたりだから
裸でしかさけべない愛だから
不倫だろうと純愛だろうと
互いにさびしいふりをして
互いを途方に暮れさせてた
しなびたゴムに白が溜まる
....
冬のホームはつめたくて
なんだかかたくてもこもことしている
しろい流線型がはいってくる
アナウンスとメロディがながれる
岡山から新神戸まで、さあ、約30分だ
ぼくはからだを車内にいれる
....
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