そうだ、中三のとき
愛について、いつも考えていた
こころの灯、なんて題名つけて
愛について、ノートまでつけていた
母が死んで整理していたら
耕太郎関係、って書いた段ボール ....
大好きは
どこから来るんだろう
どこから来て
どのくらい滞在するんだろう
有限世界、このことわりのなかで
あとどのくらい
こんなこと考えていたら
きみに
....
まわりはなぜかカップルばかり
おれはいちばんでかいテーブルでひとり
ちょっとさびしくなるくらい辛くない
発作的にはいったインド料理店
きょういちにち
小骨がささりまくって ....
たとえば夜道を歩いているとき
たとえば駅の雑踏のなかで
たとえば花火のコーナーで
たとえば鏡のなかの自分を見て
男が女を愛するとき
When a man loves ....
東京の街路樹では
幾種類ものセミが鳴いていた
夏の時が豊か、だった
品川プリンスの坂をあがる
湿ったアスファルトの匂い
木々のひんやりとした匂い
いまからきみに ....
庭に百合が咲いた
今年買ったばかりの家なので
予想外のオプションだった
白いラッパを傾げて
黄色いのをちらりと見せている
雑草を生えっぱなしにしていて
それがよかっ ....
ホテルに荷物を置いて
もうすぐ日がかわる外に出た
この土地の名物だという料理と
この店でねかせた果実酒をたのんだ
サービスだと言って
小ぶりの林檎と小ぶりの茄子がでてきた
よくしゃべる女主 ....
四人の気が知れているのと
知れていないのとでは
ゴルフの楽しさってぜんぜんちがう
ぜんいんがぜんいんの
グッドショットを
自然に、瞬時に、声を出して、よろこべるか、
....
新聞もとらず
テレビも見なければ
その日はふつうにいってしまう
その日にむけての特集も
なんだか減ってきている気がする
今年の夏は
戦争を意識しない夏だった
....
昼2時をすぎると
バック9は収束にむかってゆく
バーディーなんかいらないから
パーを積み重ねて
スコアを固めてゆきたくなる
その時間帯が好きだ
景色は黄いろい影 ....
お盆のあいだ日本は停止する
仕事もなさそうだから
三日連続でゴルフをした
二日目なんかはワンハーフ
汗だくになって
朦朧としながら
芝生のぬるい匂いをかぎながら
....
ゴルフ場では
たまに神秘な光景にであえる
仲間がショットするあいだ
ぼおっとうしろを見つめていた
ヒグラシや他のセミが
背高い木々の壁のなかで
ひんやりとした交響を ....
ゴゴゴゴゴ
ズズンゴゴゴゴゴ
発射される
みじかいカーニバル
青い空、青い海。
列島を4センチに見立てて
ゆきすぎる、没。
ゴゴゴゴゴ
ズズンゴ ....
付き合うだろうな、が
付き合ってしまえば
別れるんだろうな、になってしまう
いつものことだから
せつなく楽しむ術も身につけた
高速道路
よく冷えた車内
F ....
炎天のフロント9を歩く
バック9を回りきれるのか
ちょっと不安になってしまう
やるしかないんだ、と言い聞かせる
生暖かい芝の匂いのなかにいる
ここは蝉、雲いがいとても静か ....
さて、夕方になれば
人影がへらなければ
夜が来てくれない
ひとびとは家々で
あかりを明るくし
だれも風の喧騒に
立たせることがない
おい、道標はどこだ
出張先で
たまたまFMにしたら
キムタクのラジオ
十年ちかくぶりだった
おもしろかった
月9の舞台ウラの話
あ、そうだ、
そのころの彼女とドライブしながら、
....
女に大麻を吸わせてフェラさせた
抱いて欲しいなんて
言うもんだから
すすめた大麻も素直に吸った
歯があたって
ヘタクソなフェラだった
もし、俺にカノジョがいなかった ....
雨が降ると
さいきんプチ豪雨だ
二、三年まえからかな
東南アジアが舞台の
映画や小説って
こんな雨、描いていたのかな
そのメタファ
異国の雨、
不 ....
夏の朝
曇り空
コンクリート色
蝉は聞こえない
冷房の効いた部屋じゃ
繰り返される
祈り
そんなものあったっけが
さびしいの?
きみに逢いたい ....
空を切る
豊かな梢
水色が蒼くて
空が悲しんだ
母のわだち
面影は
追いこす光
空を切る
豊かな梢
水色が蒼くて
空が悲しんだ
蝉が鳴いた
目眩する空
川の上を走る
望郷のわだち
夕べの愛欲
昨日の息子
空にこだます
光たちの臨界
蝉が鳴いた
目眩する空
ぼくはぼくに
さよならするみたいに
夕日を見て(家出しない)た
ぼくは夏休み
だったから夕日の道に
海を見て(嫌だったから)た
ピンクに香った
白いシャツ ....
モンゴルはウランバートルで
商用を済ませてホテルに戻る
この国の利権に群がる男たちは
みんな精力の強いイケズそうな面をしている
日本じゃいまどき見られない面だ
暗い喧騒が ....
花火の記憶
顔のない人影
それ以外なんにもない
闇みたいなものだ
ぼくは追いかけた
熱になって
赤いさびしさになって
追いかけられていた
あれから
....
朝の黄昏
さいごの朝
ひかりの
おしくらまんじゅう
雪のない夏は
さよなら季節
さわがしい静けさ
ぼくはきょう
あしたのぼく
朝の黄昏
....
南の低いところに
朱い月がまんまるく
すこし離れて花火の明滅
幼な子に花火について語る
それは物足りないリレーのようだ
ベランダから花火を見つめている
わたしの ....
個人的な
音がする
かえると蝉は
よく似ている
未来にむかう追憶は
朝なのに黄昏ている
個人的な
音がする
かえると蝉は
よく似ている
街路樹を通りぬけるたび
ドップラー効果が過ぎてゆく
記憶の海
蝉が鳴いている
呼吸する波
蝉が鳴いている
夕方の明るさに
ぼくたちはやがて戸をたてる
蝉 ....
食品工場ゆきのバス
そこでなに思う
どこかで人は起きる
玄関を出る
性的でない
あなたを見つめてる
そこでなに思う
あ、海に行くのかな
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