愛が理屈になってら
もっとじぶんのことしか考えない
ひとの時間を取り返しのつかない
そんなものにしよう
スーツのしたに隠した
暴力
大義名分
自然界のから ....
いちねんのうち
ひょっとしたら三分の一はホテルだ
芸能人でもないのに
いや、たしかに芸能人にはよくあう
でも、芸能人でもないのに
しんとした部屋
街の音が入ってきている
地球がまわる音 ....
みずうみに音楽の破片
どうして夜なんだろう
さいごの肉のまじわり
滝まであと少しだった
きみとだったらぼくは
みずうみに音楽の破片
どうして夜なんだろう
....
二十代が終わるときは
なにも響いてこなかったのに
きょう三十代が終わる
なぜか十代さいごのときが
懐かしくなっている
べつに追憶を重ねているわけではない
ただほんと ....
チャイムが鳴って
ひとの数だけゾロゾロと
若いからぼくらは
気付かないふりをして考えこんでいる
湿った日常が
青いアトモスフィア
目にかかるフィルタ
線形 ....
あなたは
誰かにとって
母であり
妻であり
恋人であり
友達であったり
ここは
誰かにとって
日本であり
ポルトガルであり
宇宙であり
....
孤独さえ
きみとなら
欠ける気持ち
だけで
信号は
はずせない
歯と舌と
手とペニスで
きみの肉
喰らった
たくさんの
叫び
月 ....
よくあるはなしに
宇宙をかんじる
たとえば夏夜のおとことおんなに
たとえば秋朝のおとことおんなに
闇のなかにも
光のなかにも
花火をたくさんあつめても
昼 ....
ゆるい
ぬるい
そんなものに取り残されると
なつかしい気持ち、した
午前の雨のあと
ひかりよりも重いひかりが
春の砂浜のように広がって
なつかしい
なん ....
気のめいる商談まで
まだ時間があったから
崖の上のポニョにはいった
宮崎駿は
テレビで見た風の谷のナウシカいらいだ
このふたつしか観ていないのに
なんだかこんなこと ....
夏休みぼくは
叔父の自転車のうしろに乗って
少年将棋大会に通った
叔父といっても
いま思うとまだ20代の若者だった
叔父は近所の中高生を呼んで
自宅で家庭教師みたい ....
いったい
緑いろの孤独とは
なんであろう
アメリカ人の抱える
孤独感
ホッパーは絵画のなかでこれを
普遍化させた
死をベースとして、
すべてを同質化 ....
エアポートには感傷的なものがない
暮らしのなかにそれはないからだ
曇り空だけがちょこんと光景に座っている
仕事先が
大連であろうと
シカゴであろうと
名古屋であろうと
僕じしんの
能 ....
シカゴでは仕事の合間をつくって
かならずミュージアムにゆくようにしている
そこにはお気に入りの
不動明王がいてくれるからだ
こぶりの黒っぽいそれは
祈りを込めて眺めたとこ ....
焼肉やラーメンを食べることも
すっかりなくなってしまった
さいきん
インド料理やタイ料理にはまっている
油やニンニクでつくりだす料理が
からだにつらくなってきたからだ
....
東京はまだ
日中は蒸し暑いらしい
シカゴでは北米だけに
ぞくぞくするくらい気持ちのいい
ひかりや風のなかにいる
スタバで資料をやっつけるとするか
異邦人の特権で
道行くひとをいつもより
....
きのうは昼から雨だった
きょうは朝から晴れている
くもひとつない
大通りのよこの公園を歩く
りすが赤い実を両手でもったまま
地べたに垂れた枝をするするとのぼった
いつも思う
アメリカの空 ....
中学生のとき
地理の授業で印象にのこった
五大湖ということば
大人になり
たまにシカゴに来るようになって
それはますます
牧歌的な響きをもつようになっていった
五大湖のひとつ、ミシガン湖 ....
彼女の晩年は
ほんにんの生き恥をさらすものだった
ひとに気を使わせては
かげではひどく落ち込んで
それには素直になれずに
しかし正直すぎるように生きていた
がん ....
舎弟格の男に
姐さんのことで嫉妬した
組の大義名分を叫んで
その男にきつく接した
男は侠として私に惚れていた
私の子をうんだ女は三人いた
私がいちばん好きだっのは
....
粗雑な人生の
粗雑な吹き溜まり
サヨナラ出来ない
このサヨナラ
茫々とした
ひかりと雲が
茫々とした
前途をてらす
粗雑な人生の
粗雑な吹 ....
孤独の質はおなじでも
住んでる世界がちがうから
かけらの位置はおなじでも
おたがい鍵ではいられない
涙の音がする
声の匂いがする
秋の風が
微笑んでぐるり ....
おとうとはアニキよりおとなだ
アニキのせかいを
おさないおとなの目でかんさつしている
アニキがうちでべんきょうしているのは
ぜんぶじゅくのしゅくだいだと
おとうとはそ ....
来週の今頃はシカゴにいる
一週間ぶっつづけで
シカゴで仕事をしている
時差は14時間、もちろんマイナス
季節は初秋で、気温は12度〜22度
たくさんの人間の匂いを嗅ぎ
....
こうしたらこうなる、
それは幻想だ
そんな思想に価値はない
自然に身を任せることが
むずかしいのは
この幻想にとらわれているからだ
谷間のひかり、のような幻想、 ....
ピアノだけの旋律
水滴のような
誰もいない午後の食卓
いつもと変わらない、
でも変化している風景
かなしみがひかる
十一月、朝の日射しほどの
一瞬の
子 ....
たわいもない、その場かぎりの会話
オリンピックで、なにがいちばん、印象にのこった?
ソフトボール
リレー
北島康介、などなど
ひとそれぞれちがう
オレは世界との差を ....
ひかりは
ぼくの目にひかる
未来からか
過去からか
異界からか
もう秋なのかもね
夏から熱を
すこし引いただけで
ひかりは
ぼくの目にひかる
....
ユディット
イクときに見せる困り顔
粘っこいラブジュース
さらさらになったのは
きみが潮をふいたせいだ
ユディット
ひとつでも二人のようだ
恍惚の奏でるしらべ ....
虫ってあんまり長生きしないよな
鳥なんかどうなんだろう
僕は一生懸命ひとを傷つけている
遠い雪崩のようだな
昭和も平成も似たようなもんだ
僕は卑怯でわがままだ
....
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