秋の朝
濃い黄いろい道を
ゴルフ場へと向かう
きょうは暑くなりそうだ
秋の夕
青くて灰いろの道
ゴルフ場を後にする
つった足でアクセル踏む
僕は ....
上海から帰国すると
仕事仲間たちと須磨の別宅に向かった
ビジネスになりそうなので
今から徹夜でパワポをつくるのだ
このプロジェクトのスポンサーは
明日しか時間が取れないの ....
まりあ、あーめん
あーべまーてる、まりあ、あーめん
あーべまーてる、まりあ、あーめん
キリスト者はその昔
神の物語に身を重ね
沈黙こそが愛なのだ
神の苦悩に同苦した
....
黄いろい光と影
田んぼ
新幹線でぶっ飛ばす
田んぼと田んぼの細道を
静かにまっすぐ銀の軽
その銀の軽が
ぼくに憑依してきた
軽の中では音楽が鳴っていた ....
ことしベトナムにいったときに
この穴にベトコンが隠れていたんだ、
という穴にははいらなかった
はいらなくて正解だった
狭い所が年々苦手になってきているようだからだ
きょう ....
八月さいごの夜の風
この世とあの世を
つないでいる価値観は
これでこのままで
良いはずなんだと祈りきかせる
八月さいごの夜の風
商店街を吹きわたる
球場ちかく ....
相田みつをの書に素直になれない
そんなもんじゃないと反発してしまう
宮本輝の登場人物のセリフに素直になれない
そんなもんじゃないと反発してしまう
そんなもんじゃない
ならどんなもんなのか ....
空き地はだれのものだったのだろう
サクもなかった
公園でもないのにみんな勝手にあつまっていた
土管にたまった雨水
そこにはオタマジャクシもいた
道ひとつはさんで玉ねぎ畑
....
ぼくは何処にいきますか
さびしくて
あたたかなところですか
かなしくて
きよらかなところですか
ひかりや風は
なにを教えてくれますか
太陽と木々は
....
こころが感じたちいさな興奮を
この世の片隅にあらわしてゆく
思考やこころで感じたことを
ぼくにはスケッチし直す作業が必要だ
セミが腹をみせて死んでいた
けったら生き返るか ....
友人は学生のころのことを最近よく思い出すという
セミが腹をみせて死んでいた
けったら生き返るかも知れないな、
そんなことをふっと思いながら考えていた
自分じしんにとってのあのころは
....
異常気象というけれど
二十四節気はまだ狂っていないようだ
啓蟄にはたしかに土の匂いが漂いだすし
きのうは処暑で
あきらかに暑さが退散している
加害者づらしてエコを論ずるよ ....
なにか物足りない
一生懸命な女が好きだ
そとに出さなければ
かくし通せるせつない気持ち
でもこれは仕事だから
公共性のないことは言えない
通せない
悲しいとき
貫くべき ....
楽しかったよ。
4回くらい泣いたけど楽しかったよ。
○○さんさよなら。。。
むかしなら
ほんとうの気持ちを
ほじくりかえさなければ
気が済まなかった
楽しかったよ。
....
ひとの悲しみは
心と身体で感じて
はじめて分かるものだ
あたまで理解しても
思えているかは分からない
ひとの悲しみを聞いても
いいことを言わないようにしている
....
白いボールがカート道を跳ねて
金網のそとに出てしまうのが見えた
蝉が鳴いていた
蝉はずっと鳴いているに違いなかった
集中力をかき集めてもういっかい打つ
7番アイアンで打っ ....
田んぼの道ぬけて
山ひとつ越えて市街地に帰った
藍いろの街のひかり
遠くからだからかやさしい眺めだ
あのひかりの中でぼくは
ハードルを下げたまま生きているひとを
....
しずかな喧騒にみちた夜
外灯のしたに白が溜まっていた
スーツに風が入り込んだ
たき火の匂いが鼻をかすめた
ひと肌ほどの悲しみか
しずかな喧騒をむねに聴かせた
銀 ....
だきしめる
骨ごとだきしめる
フルパワーが続くまで
たましいがふれあっている
鈴のねがきこえる
宇宙からきこえている
じかんのまえで
ぼくらは迷える子羊だ
....
夏が終ります
人肌が残ります
三回くらいやったって
彼氏ではないのです
風がほどけます
秘密の鍵はごっこです
愛さけて
彼氏の知らない
足あとが ....
高台から海を眺めていると
海がとまっているように見えた
青い革の精緻な模様が
いっさいの動きをとめている
夏光のちからが
今日はすこし遠くに感じられた
陽射しがほどけはじめている
....
戦争について考えることは
それは有益なことなのだろうか
平和についても
それは有益なことなのだろうか
幸福について考えることこそ
有益なことなのではないだろうか
戦 ....
あともどりできない始動のあと
結果はすぐ眼前に置かれている
そうして自問自答が始まるのだ
セミが鳴いている
草の濃い匂いがかすめる
汗の頭がため息みたいな息をつく
....
よく精神年齢をきかれたりすると
そんなシチュエーションなんて
スナックくらいにしかないのだが
中二の秋かなあ、なんて答えている
それは女の子に受けたりする
でも、四十にも ....
悲しみには涙がにあう
哀しみには命がにあう
悲しくて哀しくて
暗闇だからこそ
いっそう光に感じやすくなっている
ひとに優しくなったり
申し訳なくなったり
じぶ ....
運命論から見つめれば
すべての死は暗殺であると言えるのではないか
夏の
それもお盆のゴルフ場は静かだ
セミの声しか聞こえない
思考はクラブと汗の頭にしか存在しない
....
すべての制度は
幸福であるための確率論の所産だ
彼らは確率論を無視してしまったのだ!
何万回とじゃんけんをして
勝率八割を目指すようなことをしてしまったのだ!
人類の幸福 ....
手術からもどってきた母が
うわごとで寒い、寒いと言ったから
クーラーを切って窓をすこし開けていた
そとからはセミの声が入ってくる
甘い緑の匂い
夏の光が静かだった
肌が粘膜のように感じやす ....
宇宙は溌剌としていた
滴るような蝉の声が宇宙に降っていた
病院ですれちがう人々はどんな人も
それぞれの生や死をしのばせていた
ぼくはそれに無関心を装いながらエレベータを探していた
ぼ ....
正しいことってどんどんヨコ展開してゆくよね
でも
正しくないことってそこだけで止まってしまうよね
ぼくらはなんでこうも
自分を正当化しようとするのだろう
夕焼けまえの青い ....
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