きみと
きみと話していると
いろんなことを思い出し
いろんなことを忘れられる
もっと伝えたいことがあって
もっと知りたいことがある
それを友情と呼んでみる
それを
からだや精神のからくりを
勉強したくて
ふたりは抱きあったのかも知れない
女は女のゲイだと言った
俺は男のレズだと言った
からだというのは歳を経てゆくと疲れやすくなるようだ
二十代のころ風 ....
左目のしびれが気になる
調子にのって本を読みすぎたせいだろう
幸福とはなんだろうかと目を撫でながら思う
読みたい本を好きなだけ読むこと?
理不尽なことのない国で暮らすこと?
....
きみのこころは遠くにいってしまった
きみも僕も
おなじ天井、ちがう空の下にあるということだ
こころ
それは時間とにている気がする
誰のものなのかはっきりしないところが ....
春を待っていると
春になめられてしまったり
春に足もとを見られたり
春にうっとうしがられたり
そんなことになるのかな
春とボクは
いったいどんな関係なのだろう
....
電車のあったかい座席から
山っかわの景色を見つめていた
藍色のそとが黒に変わろうとしている
藍色は僕たちの精神のカルテだ
藍色は黒へと変化しながら
マイナスイオンをだして ....
砕けた枯れ葉がアスファルトに揺れている
きみはもう雪に降られているのだろうか
街明かりがくっきりとしてきた
藍色になりきれていなかった夕やみが
目をやるたびに濃くなってゆく
俺は ....
疲れなどは放っておいて
創造主のなかを転げまわってやるさ
宇宙での生活は退屈だった?
退屈ではなかった!
自分以外が優先されていたから
退屈な時間などあろうはずもない
この星で ....
地球について
しんとした時間のなかで
僕らが一秒でも考えてあげることができたら
六十八億秒の祈りが生まれるよ
気持ちを吐き出してしまいそうになるくらい
好きなひとに出会えたのもこの星だし ....
朝日に曝される夕べの残滓
そんな粗雑もたまにはいいか
長い目で見るって
時間レベル?
たましいレベル?
生きているうちに結実するものなんて
成功か失敗しかないと思う ....
年末のおだやかな影が
笛を吹く六人の蛇つかいのようだった
蛇つかいたちが笛を吹くと
蛇たちはつぼから頭をあらわし
舌をちょろちょろさせていた
笛の音がなかったら
蛇 ....
枯れ木の山は
ところどころが日なただった
そこだけ獣の香りがしてそうだった
粗雑だなと思う
そこ以外は青灰色の山肌だった
ぼくは風邪ではないのに
声が日に日に出なく ....
そこがまぶしい
交差点できみを待つ
灰色のところを見つめてみる
答えをさがすのやめようか
きょうの曇り空を見つめている
まぶしい
きみからの返事がない
灰色の ....
時間をかけて
バトンリレーのように
ぼくらは世界を開いていった
バトンふくらんでいった
ぼくらが開いた世界を
ふさいでしまうくらいに
ぼくらが開いた世界は
あれは、幻だったのか
....
空から腐葉土の香りがした
僕らはなんて孤独なのだろう
空を見つめている
ひとのこころは遠すぎて
僕らはいつもとり残されている
同苦したくてありったけの
こころをかき ....
冬の風ふく日だまりは
とおい微熱の少年時代
汚れの意を知りもせず
光は淋しい洞窟だった
ああ、12年年3万人の自殺者が
記憶のように消えていったのです
それを恥じずにいられましょうか
....
音のしなくなった駅
外灯だけの商店街
遠くてまばらな明かり
心たちだけが他人事している
俺はいくつかの影をまとわされて
町にレントゲン写真を撮られている
彷徨のカルテ
車のなかにでも ....
起きたら声が出なかった
声と鼻以外からだに異状はなかった
目に見えないなにかにやられてしまったよ
目に見えないなにかに
影響されてしまうだなんて人生みたいだね
人生も風邪のように治っ ....
防砂林ごしに轟音がしていた
飛行機の離発着のような音だった
愛人と犯罪を完遂したあと
手をつないで夜の海岸に出た
防砂林をぬけると
轟音の正体はやはり海だった
死ぬ ....
木漏れ日がふたりの影を白くさせていた
背の低い常緑樹のしたで
ぼくは自身の人生の蹉跌を話していた
きみを否定するような言い方で話していた
ぼくはじぶんの私利私欲に胸を焼かれ ....
三次会のあと
はなれがたくて
鉄路にふたりツレションをした
メリークリスマス、
メリークリスマス、ミスターローレンス、
アラスカの凍る林で
奇跡たちが
ガシガシと音を立ててい ....
ひとを信じるということは
コミュニケーションにおいて
もっとも大切なことのひとつだ
じぶんを信じてくれているひとを
信じないなんてもってのほかだ
願いごとを口に出して ....
俺は愛人にロープを買ってこいと頼んだ
じぶんで買うのが恥ずかしかったからだ
いや、正確にいえば
恥ずかしさに耐えるストレスを回避しただけの話だ
愛人はコンドームとロープを買って
俺の部屋 ....
ぼくらの記憶は愛かも知れない
再会してしまえば
ぼくらの記憶は愛とは呼べなくなる
ぼくらの赦されは
記憶であることが条件なのだ
胸が騒ぐけれど痛いけれど
ぼくら ....
きみはいま雪を見ているのかな
ぼくたちはいまどこにいるのかな
世界は閉じているのにまるで
ばらばらだからカケラだから
リズム、メロディ、ハーモニィ
ひとのいいところには助 ....
同時代をおなじ言語圏で生きているって
夜を宇宙からながめるような感じだな
いっしょうけんめい光っているよ
列島のうえにのる日本の詩人たち
人工も自然も判別なんてつかないよ
おまえたちはな ....
からだがガラスのようになっています
ひと恋しさなども浮かびません
ぬくもりなどもいまさらです
ロボットと愛を語らい合いたい
だれをさがすこともない夜でした
しずかな寒い夜でした
生きている ....
このまえ見た夢の話だ
二日続けて同じような夢を見た
ひとつめの夢は
小五の息子が妻とタバコを吸っていた
それをとめようとドキドキしながら叱ろうとしていた
ふたつめの夢は
信頼してい ....
手に入らなかったことは
いつまでも甘美な哀しみでいる
今のじぶんが震えている
手に入ったことなんて
いったいあったのかとも思う
電車に夜がしみている
なかに誰が乗っているのだろう
ア ....
流れ星が消えるまえに
願いごとをすると
夢が叶うとかいうけれど
そんなこと可能ですか
流れ星が消えるまえに
あんな一瞬(※)に
願いごとをするなんて
夢のことばかり考えて ....
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