靄を抜けて

トンネルをくぐっては

枯れ山に光

夢の残滓に朝の黄昏れ


ひとはいつ

なにを始めるのだろう

ひとはいま

なにを始めたのだろう


靄を抜け ....
妄想をやさしくふくらませて

勝手にせつなくなろうとした

なにかを突破しようとした

きみの一言一句を推理する

ぼくはひとりの探偵だった

欲望に

肯定的な推理だけをした ....
雪は表面につもる

広い表面につもったり

たとえば枝のような

細い表面につもったり

雪、かわいらしいなと思う


それは雪ににている

朝おきたら

ぼくの広い表面にも

ぼくの細い表面にも

 ....
あしたの気まぐれ雪人形
雪がふっても
雪がとけても
あしたの気まぐれ雪人形

いっしゅんだけの男と女
無償の愛には
心中の制裁を
いっしゅんだけの男と女

命のリミッター外します
 ....
星はもう

宇宙にはないのかも知れない

永遠なんてないのだ


ぼくらは永遠を幻視したかった

駐車場の車たちが

このような配列でならぶことは

もう二度とないだろう

こんなことにも

ぼくらは ....
橋はいつも大袈裟だ

橋はいつも大袈裟に

架かっていやがるからこんなせつない気持ち

オレはいらないんだ

ただの橋じゃねえか

おまえと繋いでくれるだけの話しじゃねえか


仕事をこなしていても
 ....
いま地球では

ぼくらはおんなじ星座になれなくて

だから詩なぞを考えているのです


変換された文字が

ぎこちなく左に詰まっていった


いま地球では

ぼくらはおんなじ星座になれなくて

だから ....
かんかん照りの星空に

ふたりの哀しみ

狂いなく配置されている

ぼくらは模型の街にいるようだ


ふゆの夜が

星粒を散らしている

見上げるたび

眩暈してふらつい ....
髪かわかしたら?


髪かわかしたらメールしますね、って

きみの髪が一万光年の長さだったら

ぼくはもう宇宙にはいないかも知れない
きみに同苦したい

こころからそう思う

一万光年の髪を乾かしてからだね

きみがぼくに手紙をくれるのは

プラネタリウムで待っています

ぼくはきみを待っています
あの靴はどこにいったの

あの靴はなに色だったの


いつのまにか靴は

あたしのなかで赤い色になっていた

愛はいのちと

コインの裏表になっていた

だから血まみれの靴なら

あたしのなかにあるわ ....
これはロシアのお話です

ワーニャという女の子が

冬の森を家へといそいでいました

こんなところに?

凍えそうな恰好をしたおばあさんが

娘さん、寒くてつらいんだよ、

ワ ....
年若い側近たちが

まじめな顔をして公文書を焼いていた

四月の夜だった

焚き火の明かりが

周りの壁に影をめくっていた

憔悴した彼がそこに立っていた

髭のうえの彼の鼻が ....
乗車率180%だとアナウンスがあった

指定がとれずに仕方なくホームに立っていた

ぼくたちはそういう刑に服する囚人だった

宇宙のどこかで

ぼくたちの身口意の業は計算され

いまここに集められてい ....
川が流れていた

彼らはまだ海を知らないのに

ぼくは彼らが海に行くのを知っている

声などひとつかけてやろうか


ひとが土手を歩いていた

彼はまだ天命を知らないのに

 ....
ライラックの香りが飛び込んできました

車を停めたときには気づきませんでした
4月の夜のことでした

まわりを確認してから枝ごと花を盗みました
それを車のダッシュボードのうえに置きました
 ....
ぼくは高校卒業まで叔父叔母に育てられた
母さんはぼくと妹にいちども会いに来なかった
誕生日にはお金が送られてくると叔母は言っていた

叔母ぼく妹で買い物に出かけると
きまった店でよく服を買っ ....
雪を見ていた
精確なことを言えば
友からの雪景色の写メを見ていた

あいつのまえに存在した景色が
写メで切り取られて
雪景色の写メが送信されてきた

俺は心のちからを総動員して

 ....
哀しみにおそわれる
生きていく苦痛にとらわれる

人一倍傷つきやすく
人一倍じぶんを超えようともした

胸の痛みやしびれがなくなるまで
大義名分をさがして

モーツァルトのピアノ協奏 ....
その恋が不倫だとか浮気だとか

ひとに言われてもピンと来なかった

身の上話をして

親にすてられたんだねとか言われても

じぶんにはピンと来なかった

太ったねとか痩せたねとか言 ....
空のうえは宇宙でしょうか

ぼくには空のしたしかありません

あらゆる哀しみと同苦したいのです

空のうえなどいらないから

あらゆる哀しみと同苦したいのです


天国なんかありません

地獄なんかも ....
昭和五十年代を

少年だったあのころを

ぼくは大人として生きていた


コンクリート塀のよこをジーパンで歩いていた

煙草とやかんの煙のなかではひとを憎んでいた

駄菓子屋で肉 ....
じぶんの感情を充たす

その感情とは

ほんとうは何の仮の姿なのだろう

ぼくはとまどっている

世のため人のためなら

ここから降りるべきだろうか

ぼくはいまを生きている
 ....
帰りみちふる雪をふと見上げると

ストップモーションのようだった

たくさんの遠近感がゆっくり落ちていた

しんしんと

太郎も、次郎も寝ているあいだに

あしたは膝下くらいには積 ....
十七のとき

二十六の女と付き合っていた

対等だと思っていたけれど

そうではなかったはずだ

いま考えると恥ずかしい

アルバイトさきに女を迎えて

よく女の部屋までいっし ....
草をふむと匂いがした

風をすうとからだが裏返った

等身大の道には

大義名分なんていらなかった

いまを生きている

碧いそらに届くことはなかった

石ころにころばされてみようか

好きなことがえ ....
鐘が鳴る

誰がために

君のために

鐘が鳴る

未来の見えない晴れた空

今日という日の偽りにさえ

それで君が構わないなら

鐘が鳴る

星が流れる

消えな ....
雪が降っている

涼やかな無音が訪れる

雪が降っている

あしたは鈍色の銀世界


寒くはないか

浮いていても

心にともしび

燈していてね


雪が降ってい ....
見知らぬ地名をナビに入れてみる

一時間四十五分

見知らぬ地名が時間に変わる

こうやってこころを動かしておく

これで今日はもうこころが動かない

黄ばんだ冬の青空を見つめてい ....
らり?

らりるれろ

らりるれろ
らりるれろ
りんごの少年らりるれろ
がぎぐげご
だぢづでど
凍った田んぼが歌いだす
らりるれろ
らりるれろ
星になったよカエルの轍
がぎぐげごがぎぐげご
らりるれろ ....
吉岡ペペロ(4238)
タイトル カテゴリ Point 日付
朝の黄昏れ自由詩310/1/9 9:48
間近で見ると自由詩210/1/9 4:57
雪、かわいらしいな携帯写真+ ...410/1/8 20:18
雪人形自由詩410/1/7 1:39
永遠の星座携帯写真+ ...110/1/7 1:39
あの橋のむこう携帯写真+ ...110/1/6 22:50
おんなじ星座になれなくて携帯写真+ ...010/1/6 21:57
模型の街自由詩610/1/6 17:24
ぼくはもう自由詩710/1/5 23:52
ぼくはきみを待っています自由詩310/1/5 23:41
血まみれの靴携帯写真+ ...410/1/5 23:40
空になった女の子自由詩410/1/5 17:06
ヒトラーの焚き火自由詩410/1/4 19:15
世紀の発見携帯写真+ ...410/1/4 16:57
海と天命自由詩410/1/4 15:56
ライラック通り自由詩310/1/4 15:44
四人家族のマネキン携帯写真+ ...2510/1/3 17:02
雪景色の写メ携帯写真+ ...310/1/3 14:36
また生きていこう自由詩410/1/3 12:34
こころの女自由詩110/1/3 9:39
空のうえなどいらないから携帯写真+ ...610/1/2 17:04
蝶が、銀河を自由詩310/1/2 16:46
ぼくはいまを生きている自由詩310/1/2 1:01
大雪携帯写真+ ...310/1/1 22:28
六月の白い月自由詩410/1/1 17:05
道をえらぶ携帯写真+ ...210/1/1 16:30
鐘が鳴る自由詩210/1/1 2:37
自由詩010/1/1 1:00
空の色自由詩309/12/31 16:37
らり?携帯写真+ ...309/12/31 12:05

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