誤解されて

ひとの役に立てなくなるようなとき

この詩を口ずさんで

しずかな気持ちになるのが好きです

脱力して

まるではだかで抱き合うように

お喋りしながら

ま ....
ぼくは力をかき集めた

あんなことを我慢した

あんな日々を暮らした

あんなつらい思いをして

もう少し様子を見る勇気

そんな勇気をかき集めた

そんな勇気を思い出した
 ....
泥沼に花を咲かせた

得意にもなった

昂揚にも満たされた

泥沼だからこそ

こんな綺麗な花が咲いたのだと

話してあげたくなって

ゆくひとすべてにそうした

花が咲い ....
陶器の皿に生卵を割って

皿に直接火をかけながら

目玉焼きの歌を歌いました

それは楽しい歌でした

洗濯ものをたたみながら

どれにアイロンかけよう

洗濯ものの歌を歌いま ....
ひとつだけほんとうのことを入れて

あとは架空のことを書いてみる

ほんとうのことは

架空を補強するパーツになっていたり

まったく違う意味合いになっていたりする

そんなとき詩 ....
少年はなにも背負っていなかった

浅黒い肌はつるんとして冷たかった

寝癖でととのえられた黒髪は

賢そうな額を斜めにふちどりしていた

ぷっくりした頬と唇の端の境目には

えくぼ ....
花は咲いていいですか

空は青くていいですか


いいよ

いいもわるいもないよ

だからいいんだよ


花は咲いていいですか

空は青くていいですか
なんかとどきたくて

メールをしてしまった

たのしかったことを

ことばにするのはためらわれた

だからさびしくなって

ぼくはとどきたくなったんだ
大学のころ

ニュージーランドにひとり旅をした

レンタカーに寝泊まりし

ほんとテキトーに島を巡った

ときどき安宿にはいりシャワーを浴びた

クジラを見つめているとかいう

 ....
こんなにもいとしい生き物が

かつて宇宙にいたのだろうか

ゴッホは弟をさがしていた

テオはこんな顔をしていた

きっとこんな顔をしていた


にまいめの写メにはおまえが写って ....
ゴッホはゴーギャンをまねて

あの椅子の絵を描いたのではない

どこにでもある椅子を

グリーンを背景に(ブルーではなく!)描いたゴッホ

椅子のうえにはろうそくを燈した


不在の椅子にろうそくを燈 ....
先週のきょうを思うと

じかんがとまる

からだがとまる

こころがとまる

ふたりがいとしすぎた

あの日をおぼえている

じかんがとまる

からだがとまる

こころ ....
もしぼくが

木々たちの声を聞けたら

もしぼくに

そんなちからがあったら

もしぼくの

気持ちが木々に通じたら

そんなこと

気づけないでいるだけで

そんなこと

気づけないで死んでゆく

 ....
青いじゅうたんにひかりをあてると

そこに虹があらわれることを

さりげなく発見したのはヌーピィだ

どうやってまもろうか

ぼくらはヌーピィをどうやってまもろうか


ぼくらは ....
参列者たちの白菊が

たどたどしく棺のなかに置かれてゆく

係の女がさいご

華やかいろの献花で棺をあふれさせる

そしてそこにふたを載せた


いちばん気掛かりだったのは

 ....
新宿はひとをたいせつにしていなかった

ひとの多さがそう感じさせるのか

いや、ひとのながれがそう感じさせていた

焼き鳥屋さんのよこの珈琲専門店に

コーヒーメーカーの部品を買いにき ....
ふたりでぼくの追憶を旅した

おりた駅はさまがわりしていて

33年まえの町並みは

もう少し長かった

もう少し広かった

ぼくが大きくなったのだろう

記憶も比例していたの ....
見えないものについて話をするとき

特定の宗教をじぶんは信じてはいないけれど

そう前置きしてしまうのはなぜだろう

見えないものについて話をするということは

じしんの宗教観の吐露に ....
ウォーキングを

きょうははやくに始められた

家々からぽつぽつと

リコーダの音色があがっている

ちかく小学校で音楽会があるのだろう

炊き込みご飯のつよい匂いがした

そこを過ぎると金木犀だ

 ....
夕べちきゅうの夢をみた

多田武彦のうたの

のような夢だった

昭和の抒情は

ここにしかないようだった


群れをなした青のなかで

なんども射精する

すべてはちきゅうの追憶だから

男スープは ....
きみがいのる

はんせいのために

すくわれのために

ちからをさずかるために

だれかのしあわせのために

きづかれなくてもいい


そんざいを

なんどもコピーして
 ....
いもうとが泊まりにきていた

二十年まえあたしが守ろうとした女の子だ

ガレージのすみでしくしく泣いていた女の子だ

ホコリっぽくて湿っぽいガレージ

そこは薄暗いだけでやみではなかっ ....
目を握り

手をつむる

足をかしげ

首をまえに進ます

でたらめな直進性が

ぼくを日常に導いてくれている

ぼくはカノジョにダイブする


家電屋からでんわ

 ....
世界が光でできているのを発見したのは

ヨーロッパの画家たちだったが

世界がブルーでできているのを発見したのは

ぼくの彼女だった


彼女は歩けばなにかを発見した

ぼくがよ ....
はねるような昂揚と

けつまずくような直進性で

新幹線、がむしゃらにすべっていた

車窓にはひとがげのない

等身大のミニチュアの町が

きょうの幸福にひらいていた


町 ....
チーズは永遠ではない

チーズは私たちの所有物ではない

私たちは絶えず

このことに備えてゆくのだ

私たちは絶えず

新しいチーズを探し続けてゆくのだ


怖れるな

 ....
きみが紫露草のようなんだ

青色がとても似合うからか

そもそもきみが青だからか

地べたの緑の小さな宇宙に

散らばる青い星々だからか

この可憐な草花のあまくて

涼やかな香がきみだからか

きみ ....
ぼくらは最初のよる

息をひそめていたのだ

もうだめだよと

この街路樹たちのしたで

ぼくらは息をひそめていたのだ


街道に向いたベンチに座って

ぼくの煙草をわけあいながら

変わらなかった、 ....
お昼前に貰ったメール

題名は

カレーを買い出しに出掛けています

いちめんの葉や花の写メが添付されていた

それは光のなかで薄れて見えた

夏ならば蝉の声が聞こえてきそうだった ....
伊藤くんがなにかべつの存在に入れ代わっていた

双眸にうかんだ青い月影

柔和に引きつれた微笑にそれが凄絶をあたえている

土蔵の板窓が震えているのは僕のふるえでも風で起こったものでもなか ....
吉岡ペペロ(4238)
タイトル カテゴリ Point 日付
八木重吉の『雨』自由詩710/10/19 23:54
封印すれば自由詩410/10/19 12:41
自由詩110/10/18 23:01
楽しい歌自由詩110/10/18 22:04
うその技術自由詩410/10/18 0:25
少年の歌自由詩310/10/17 21:29
花と空携帯写真+ ...110/10/17 13:23
とどきたくて自由詩110/10/17 2:05
氷河のながれ自由詩410/10/16 21:08
にまいめの写メ自由詩310/10/15 22:24
弟を、さがしています携帯写真+ ...110/10/15 15:25
いとしすぎた自由詩310/10/15 0:15
木々たちの声携帯写真+ ...010/10/14 23:36
ヌーピィ自由詩210/10/14 21:55
花のゆくえ自由詩210/10/14 21:07
新宿自由詩410/10/14 0:12
キス自由詩210/10/12 23:08
自由詩2*10/10/11 21:36
悲しみの袋携帯写真+ ...010/10/11 20:09
夕べの夢携帯写真+ ...010/10/11 17:53
きみがいのる自由詩110/10/11 13:33
こんや宇宙の降るへやに自由詩310/10/11 9:52
ぼくはカノジョにダイブする自由詩2+10/10/10 19:31
水色と光の天使たち自由詩510/10/10 13:19
きょうの新幹線自由詩210/10/8 8:24
チーズ自由詩310/10/8 3:24
紫露草携帯写真+ ...3+10/10/7 18:22
もうだめだ携帯写真+ ...010/10/7 1:18
彼女がカレーを選んだ理由携帯写真+ ...310/10/6 16:33
白い白い土蔵のなかで自由詩510/10/6 0:44

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