幸福ってあるんかな
傷ってあるんかな
幸福ってあったら
それオレの傷やねん
屋上で水まきをした
ちいさな虹があらわれた
そんなとこにおったんかあ
たくさんの虹をつくった
屋上で虹をつくった
朝七時半くらいになると淋しい
それはクセのようなものだ
夜八時くらいになると淋しい
ツメを噛もうとおもっても
噛めるところがないよ
だからツメのおもてを
したの前歯で研いでいるよ
朝 ....
ねえ、あたしを呼んだ?
あたしが呼んだのかしら
サキソホンが泣いてるわ
舌たらずなため息のせい
あたしが呼んだのかしら
ねえ、あたしを呼んだ?
電車がトンネルに入ると
車窓が黒い鏡になってしまった
深海の底をたどるように
てのひらをあたためる
ぼくは世界を見つめている
こころの闇なんか信じていない
ぼく ....
ひとつ階段をあがれたような気がする
ひとはなんのために生きるか
自殺以外の方法で
命という魂の穢れを断つ
そうでありたいという不動心が
生きていたのだ
そうでありたいという不動心が
それ ....
山陽新幹線はトンネルが多い
海面にでたとたん
海底に引きずりこまれるようだ
トンネルのなかで車窓は黒い鏡になる
鏡には世界の影が映しだされている
不可解なこころたちも ....
世界は動いている
存在は動いている
時間が動いている
容赦なく
こころも蔑ろにして
ただそれは
人間的に見たときにそうであって
ちがう視点から見れば
そうではないような気がする
だ ....
洞窟をでると
セミが鳴いてくれていた
五感がやわらかく戻ってゆく
夏の朝風が耳もとでほどけている
ロータリーではバスが唸り
日傘の若い女がなぜか微笑んだ
きのう関東 ....
心配しても
そんな筋合いはないよと言われたら
それも無言で言われたら
ひとがどれだけ傷つくのか
それをわかってそうすることが
ひとをどれだけ傷つけるのか
おたがい
わかっていなかったのか ....
こんなに悲しみで
汗だくになって
振り子になって
たっぷたっぷとしたまま
きょう死んだら
この悲しみは
永遠になってしまうのではないか
嫌いになるより
....
汗だくのからだを冷やしながら
なんだか陶然となっていた
想いの振り子がぐわんぐわんいっている
いつでも泣けそうだ
いくらでも泣けそうだ
目をつむり
咳込むように名を呼べば
いつでも泣け ....
なん種類かの青が霞んでいる
ジングルベルみたいな音がする
さよならするみたいな出会いが
いきなりあるから人生は悲しい
ふたつの影がかさなることに
ふしだらな汚染のかけ ....
学生のころかなりの額を投資して
UFOキャッチャーの鬼と呼ばれていたことがある
きのう健康ランドに前泊した
ゲーセンにUFOキャッチャーがあった
スヌーピーが気持ちよさそうに寝ていた
ぼくは ....
女と高台までのぼった
簡素な公園がそこにはあった
商店街で買ったトッポッキと貝を食べた
ソウルの町を一望しながら舌をからめた
白い夏だなと思った
白内障ってこんな感じだろ ....
スヌーピーのこころ
リラックスのこころ
クマさんのこころ
メルヘンのこころ
たくさんのこころたち
信号がかわる
ぴよぴよ
ぴよぴよぴよぴよ
なまえを呼んでくれる
スヌーピーのこころ
....
たましいが汚染された
失ってはじめて気づく汚染だった
この汚染から
学ぶべきことなどなにもなかった
あとすこし汚染されつづけよう
仕方がない
半減期はもうすぐだ
....
洞窟にはひかりがささない
出口あたりは明るいけれど
真上からのひかりではない
虫けらといれば虫けらになるから
自他ともにふつう以上の俺だから
俺だけおさきに出てしまうだろう
洞窟
闇に ....
ヨウ素、セシウム、ストロンチウム
体内に入れば
なんにち、なんかげつ、なんじゅうねん
悪さをしつづける
ということは
その逆の現象もあるだろう
体内に入れば
....
一段階
たましいが階段をあがろうとするとき
自然界は
ごくふつうに邪をほうり込んでくる
邪試験だ
いつも赤点だ
そのたびに誓う
清濁あわせ飲む人生なんて糞だ
....
あらそいごとがきらいな
ひとだった
だから
ぼくを遠ざけようとした
やさしくて
水色のにあうひとだった
だから
あたたかな裸からは海の
おとがした
ひかっているのは自然か人工か
暗闇にひかりを
ひかっているのは自然か人工か
見えないものが
何十ねんかけて悪さする
見えないものが
いますぐぼくのそばにいる
ひかっているのは自然か人 ....
つぎ
ぼくのこと大好きなひとと
別れよう
そのひとが
ぼくのこと大好きなうちに
いなくても過ごせる練習をするんだ
そのひとは
ぼくになんどもすがるだろう
....
誘われていた女と食事をした
面白くて金があってためになる
オレは女にとってその程度の男でしかない
女と話をしていても楽しくなかった
それが顔にでていないか心配したくらいだ
会わなければよかっ ....
インド料理のお座敷で
王様気分で料理を食べた
トマトのスープもほうれん草のスープも
オレンジ色したドレッシングのサラダ
マトンカレーにインドウィスキー
あれがあんなに
....
キューピー3分間クッキング
土曜日のお昼まえ
スイカとメロンのサンドウィッチ
植物みたいなあなたの食べ物
やさしい気持ちをまもりたかった
メルヘンひとつもまもれなかった
....
愛のかたちを燈していたよ
それはあなたのからだにではなくて
ふたりぼっちのたましいに
宇宙一こどくだった
ふたりぼっちのたましいに
愛のかたちを燈していたよ
この小山のように
愛らしい ....
中国から来た客人たちと会食をした
市長や副市長、市の商務局の役人総勢20名ほどの一行だった
彼らのプレゼンをぼくは羨ましく聞いていた
ところでしあさって
アメリカはどうするのだろう
8月2日 ....
錦糸町で仕事をした
スカイツリーが漠然と建っている
整然としておおぶりな街路樹や街道
唐突にそびえている建造物
まるで中国の都市にいるようだ
街は開発というシステムに ....
約束の
返事もなければ
予定もなにもたてられなかった
それでも信じて
返事を待っていた
そういうことが繰り返されていた
虫けらだって
天候不順で出てこなか ....
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