井戸の底が
ぼくには
霊的な汚濁にしか見えなかった
上から降りそそぐ光や雨
ぼくには
汚濁が降るようにしか見えなかった
ひろがる闇を測るにも
永遠なんて長 ....
動物を視観察する
花粉を視観察する
放射性物質を視観察する
自分を視観察する
なぜこんなことになったのか
なぜこんなことをしてしまったのか
動物や花粉や放射性物質や ....
女の部屋を出るのは
朝ではなく夕暮れにする
その鉄則
破るほど恋をしたのは
いちどきりだった
たぶん
苦しめるの分かってた
苦しみたいと思ってた
たぶん
女の部屋を出るのは
朝 ....
わがままは大好きの証
聞き取れなかった
わがままは
悲しみにかわって
あなたへの
ホームシックにかわる
詐欺師じゃないよ
本気だよ
わがままは大好きの証 ....
絶望して
かすれたような希望に
しがみつくのも
哀しくなるようなとき
呪文をとなえるようになって
もうずいぶんがたつ
このこころ癖とさよならできそうだ
9 ....
着信気づかなかった
今 地下鉄
今日 外は金木犀の匂いがしてる
ぼくよりも
孤独を決意したたましいから
メールがきた
金木犀ははまだ
埃っぽくなった葉のま ....
報われなかったことに
この世では
孤独も失意も味わえる
ぼくがいっしょだ
揺れうごく頼りなさも
この世では
断ち切ることが出来る
ぼくがいっしょだ
あいつと会う前からだ
季節のかわりめの夕方頃
ぼくはさまよう
商店街をのぞきながら
家路を辿るのが
もったいなくなっている
あいつと会う前からだ
ふたりで一緒に考えたことが
こんなになっちまった世界でも
いまも続いているのだという
それを楽しみにしているひとがいる
おんなじように
あいつを必要としているオレがいる
....
きょうそとは
キンモクセイの匂いしている
それだけが湿気のように
こすれあう肌が
お花屋さんの冷蔵室の匂いだ
植物みたいな悲しみに
ふたりはじゃれあい
た ....
かぎりある人生に
なにかひとつでも情熱や永遠の痕跡を
残してやらなきゃ
後進たちに
情熱や永遠といったものの存在を
信じさせてやらなきゃ
傷つけあい困らせあい
疲れさせあうくらいなら
....
大切にするということは
永遠のものまねなんだ
大切にするということで
永遠のものまねをする
僕はそうやって秋に行く
晴れているのに水の匂いがした
光があたる腕だけが暖かだった
大切に ....
台風一過の翌朝の校庭の如く
塵ひとつなく整然としていた
生まれてきた理由は混沌から放たれていた
存在するもの全てが精緻なその回答だった
絶好調だったのは小三のときのような気 ....
愛をうろつき
ともしびを踊らした
石壁にもうひとりの
ぼくが伸びて
あなたはもう帰らない
大地からの合唱のあと
ぼくのソロが
さびしくにぎやかに
夜 ....
すべてがあなたの声だった
忘れたいってもがいていた
ときどきあなたが
自身のことをよく言わないとき
ぼくはあらゆる悲しみになっていたよ
すべてがあなたの声だった
忘 ....
台風あけて
俺は追憶する
台風の夜を
追憶するのだ
こころは七転八倒していた
傷を唐辛子にすりつけて
俺は七転八倒していたのだ
台風あけて
俺は ....
ああ、ひとは、失って素直になってゆく、
こころの地獄を六つもぬけて
ぼくらは気持ちを解放してゆく
ああ、ぼくも、あなたのそばに、いたかったのだなあ、
汚染地域にも
雨 ....
ぼくの精神は中二の秋
あのときのままだ
おどおど感も違和感も
ぼくはあのときのままなのだ
ああ、ぼくは、おまえと歩いてゆきたかった、
ああ、ぼくも、おまえと歩いてゆきたかった、
おまえ ....
仕方がないことに疲れてしまうなら
いっそ悪意になってしまおうではないか
それがいちばんいいような気がした
大雨が町の明かりを隠していた
ほかの男に幸せにされているのが
....
あらゆる事象は、考えるきっかけなのだ。
あらゆる事象は、自身を嘆いたり、周りのせいにするためにあるのではない。
しかし、私たち凡人は、あらゆる事象を考えるきっかけとはせずに、自身を嘆いたり ....
信心の目的は
幸福になることではない
不幸に立ち向かい
不幸を断ち切るために
信心はあるのだ
感謝や奉仕とは
そのやり方に過ぎない
幸福とは
その道標に過ぎない
立派な人格とは
....
生きているということは
まともにやると
契約することばかりだ
洗脳された馬鹿どものお守りを
なんで俺様がしなきゃならないのだ
ペットショップで
運命的な視線を交 ....
美しいからだろうか
若いからだろうか
優しいからだろうか
ちがう
ぼくよりも孤独を決意した
きみがたましいの持ち主だからだ
ぼくの特別席に座るのはきみだ
美しいからだろうか
若いか ....
この星に住むぼくたちに
オセロがすべて裏返しになるような
裏切りやもてあそびが訪れないことを
心底はぼくは祈りもしなかったのだ
心底はぼくは願いもしなかったのだ
そうだっ ....
その部屋には
水いろと黄緑いろのセキセイインコがいた
暖かなてのりだった
鳥にも性格や表情があるようで
水いろのほうが人懐こかった
そのさえずりを聞きながら玄関をでた
....
青灰色のひかり
彼女のマンション
まだ5時だ
九月のセミが鳴いている
秋が混じっている
手を繋いでいた
ぼくよりも孤独を決意した
若くて暖かい手だった
....
台風の夜を歩く
俺の傘を貸してやる
孤独を決意した高潔なたましいが
大風をうけて傘にひきずられている
おまえは俺を裏切らない
なつかしい体温のそんなかで
俺の傷 ....
次の音楽
秋の水たまり
ぼくよりも孤独を
決意したたましい
だからきみは
くらべるものなどない
新しい恋人
(こんなお茶でも
二人で半日かけて
(遠慮も体温だね
味わっていたんだ ....
ぼくには反抗期がなかった
反抗する対象がいなかっただけかも知れない
童貞で女の子にも興味がなかった
ビートルズやオフコース
中島みゆきやYMO
それと流行っている洋楽をひ ....
薬は毒薬に変わる
薬は水で飲んでいたけれど
毒薬は水で薄めなければならない
薄めなければ自殺である
薬とは愛である
毒薬とは嫌悪である
水とはつぎの恋のことであ ....
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