月はひとつで
星たくさん
孤高に見える星だけど
星にはたくさん仲間がいます
でも月も
青に寄り添う
せつない愛です
それがなんだと言われても
そう思う
....
午後の光が池の面に煌めいている
前の組が進み後ろのひとが打つまで
俺はその煌めきを見つめていた
待っているあいだに力んでしまわないように
意識を煌めきに移していた
パーボギーパーパーと続いて ....
町の公園のまえを通ると
子供たちが色んなところに座って
ピアニカやたて笛を吹いていた
外灯に照らされた街路樹が美しい
足をとめるのもあれなので
それを横目に通り過ぎてゆく
小学校の音楽祭の ....
気になるひとにメールして
高速にのる
そして交響曲第五番を選択する
肌寒くなるとチャイコフスキーが欲しくなる
カラヤンが楽譜を設計図にかえる
カラヤンが演奏を建築にか ....
きみの楽しいメルヘンを
ぼくはもう聞けないのだ
きみのあわてん坊の優しさに
ぼくはもう包まれることはないのだ
ぼくは裏切られているのだろう
きみは抱かれてもいるのだろ ....
気持ちを放る
それを避けられる
遮断される
それで気づけよということなのだろう
でも
放った気持ちは
どこへゆけばいいのだろう
放った相手の
コレクショ ....
夜風が強く吹いています
あなたの町でも風は強いですか
月が外灯よりも明るいです
あなたの町でも月は明るいですか
木々が夜風に鳴っています
ぼくを風がなぶっています
....
ゴルフ場に紅葉を見る
紅や黄や茶はまだ淡い
いい匂いがほんのりと
地球の隅でほんのりと
遠い空を見つめている
文字を連ねあって
声を交わしあって
瞳に映しあって
互いにたてる音を
....
きょうもまたゴルフだ
紅葉がはじまっている
朝早くの雲に虹がかかっている
なにかの前触れだなんて言わないで下さい
大切なひとが怖がってしまうから
素振りをせずに打ってゆく
俺のボールは高 ....
ああ愛おしい人生よ
おまえは小船か
手提げ鞄か
それともおまえは海原か
素直なひとみで宙を見つめよ
頑なな現実で宇宙に存在せよ
ああ愛おしい人生よ
おまえは小船か
手提げ鞄か
そ ....
ベランダから
月が淡く揺れていました
今朝くもり空に虹がかかっていました
朝日に口から水しぶきを吐いて
ふたりで虹をつくりました
とぼとぼと家路をたどります
ベラン ....
目には目を、歯には歯を
復讐法として有名なこのハンムラビ法典の一節に
ぼくは異をとなえたい
この一節を
簡単に復讐法と言って片付けてしまっていいのだろうか
あなたのメルヘ ....
ふたりで歩けばいつも
楽しいこともせつないことも沢山あった
もうここを
誰かと歩きたいとは思わない
霧のなかのフェアウェイをゆく
ラフの方の木々が幻想的だった
....
ゴルフ場は途中ガスで煙った
灰色のガスで出来た建物に四方を占拠されたみたいになった
キャディーさんに方向だけ教えて貰ってその建物に打ち込む
ボールがちいさな点になってガスのなかに消え ....
あなたのかたちで
ぼくは欠けていた
ちんちんをいじり
あなたをもとめる
そしてハッとして
それをやめるのだ
そんなんじゃない
そんなんじゃない
あなたのかたちで
ぼくは欠けていた ....
飛行機がまっぷたつに割れて
僕は死を確信せざるを得なかった
シートごと乗客が
つぎからつぎへと剥がれて空に消えてゆく
僕にはするべきことがあった
悲しいくらい真面目に当た ....
箱根の夜は真っ暗け
会合の二次会をぬけて
ベッドに潜りこんだ
みなが言ってることは正しかったのだ
蓮舫が責める口調で別れを切り出した
事業仕分けの対象となった施設だった
僕は三億で施設を ....
夜空のまえに宇宙です
茫漠がしんしんと降り積みます
オリオンか
雨か
分からぬほどに酔っています
あなたは黄いろが好きなのです
おばあさんのベッド
窓ガラ ....
3時間過ごしてしまった
音楽を聴いたりぼっーとしたり
おうちに帰ると屋根のうえに
オリオン、おまえならなんて言うだろう
悪ぶってみたけれど
おまえを放っておくオスなん ....
いのちまで取られやしない
いのちのお陰で好きでいられる
さあ来いよ
ぼくはあなたのライオンになる
淋しいのも悲しいのも平気
慣れてしまえばこんなもの
胸のしびれ ....
ぽつんとひかる
それだけで嬉しくなれた
淋しくもなれた
悲しくもなれたし晴れやかにもなれた
ぽつんとひかる
遠くのマンションが
白いひかりを並べていた
あ ....
知らない町をぷらぷらと歩いた
ビルの影に空の水色が透けていた
ぼくは何に切り取られているのだろう
三次元にだろうか
四次元にだろうか
こころを入れたら
いったい世界は何次元になるのだろう
....
休みの日の朝は
なんの変哲もない喫茶店にゆく
香ばしくてゆるい珈琲の匂い
水っぽい湿気たぬくもりが心地好い
珈琲をすすり煙草をくゆらす
覚醒を待ちながら新聞を読む
僕はそれ以上のなにもので ....
カート道に蛇がいた
もう十組は出たはずだから
十回は轢かれかけたはずだ
まだ空をよく知りもしない
星だけ見つめて知った気の
地球にはぼくがいた
昔のひとは
空について
知らないことが ....
夜はなんのものまねしてるんだろう
宇宙の闇のものまねなら
それは孤独と奇跡のものまねだろう
ひかりが夜(ヨル)をそのままに
それが星(ホシ)のものまねなら
永遠(トワ)と刹那のものまねか
....
彼女がたとえ男だったとしても
ゾウだったとしても
ぼくは彼女の存在を愛しています
今朝そう告白して
そういうことだったんだと
はじめて楽になれたような気がしました
....
おまえらあのときもここにおったんか
公園の遊具や木々に話し掛けそうになる
あの地震のときは震えたりしたんか
そんな不遜な言葉を投げ掛けそうになる
セシウム、テルル、ストロンチウム
キセノン、 ....
大人だって嘘をつく
じぶんの気持ちに嘘をつく
でも結果は本当だ
だから
嘘だったんだと分かるのだ
ふたりで築きたかった
今もそこだけはぶれていない
築きた ....
灰色をゆく
電車が横向きに灰色をゆく
建物や小山が左に流れる
アナウンスは駅名しか言わない
慣性の法則だけが生きろと言っている
逆らおうと運ばれる
哀しかろうと笑っている
言い寄られて ....
夢からさめると
とんがり帽子が胸にささっていた
ぼくは泣いていた
登場人物たちは
これでもかとばかり傷をつけてきた
疾走する理不尽は
残酷な現実
妄想のノ ....
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