東電さん
マスクを配ってあげなよ
半減期30年とか
風が吹くたび
骨や筋肉や甲状腺に居座るんだろ
ひとを不安にさせまいと
めんどくさいから
みんなマスクをして ....
容疑者の写真がニュースに流れている
月が北東に隠れようとしている
あれは北西なのかも知れない
月が容疑者のように
どちらの方角にも気配を撒いている
三日月ぐらいの形を見つ ....
演奏の休憩のあいだ
テラスに出て風に当たった
永遠をものまねして
ぼくらには余念がなかった
それならそれでいいじゃないか
諦めがこだました
それならそれでいいじゃないか
意思が鳴っていた ....
傘のさき
アスファルト滑らすみたいな
さびしさ
青い空の
すぐよこに黒灰色の雲の群れ
超電磁砲
追いつけば
広がるのは
明るい不穏
冷たい雨
....
2月も終わる
灰白色の曇り空
こころが痺れている
悲しくて
目や胸や膝が痺れている
青い空がある
それだって永遠じゃない
繰り返されている
だから生 ....
ぼくの抜けた歯を
おばあちゃんが外に投げた
いい歯が生えるといいなあ、と思った
冷たい夜気が窓を駆け抜けた
ぼくはテレビのまえで正座していた
正座して見ていると
おばあちゃんはいい番組だと ....
祈る
光が俺を通り過ぎていった
俺の祈りはあまりに浅くて
命をたぎらせても
感謝に沁みても
透明人間のままだった
喜びの笑み浮かべても
なんだか形だけだった
....
湿り気のある冷たさ
青灰いろが白んでいる
桜の木々のつらなりが
濡れた茶色で春を待っている
朝にひかりが影のよう
冷感症のおんなの背中には
絶頂のあとの汗が垂れ ....
ガラスだった
熱ければ溶けて
寒ければ縮んだ
落とせば割れるし
転がせばすぐ傷がついた
でもガラスは
中学のときかさばるし重たかったから
よくわざと教科書 ....
不安だから
あたし自身が不安な存在になってみる
不穏だから
あたし自身が不穏な存在になってみる
振り返るたび
あたしの骸が夥しかった
まえを向く
烈しいベース ....
缶入りの抹茶だ
ぼくはぬるくなってから飲む
ぬるい抹茶の味を口のなかで反芻する
お茶のお稽古で飲む抹茶はいつもぬるかった
幼稚園ではお茶のお稽古があった
お茶のあと男の子ともめたことがある ....
あれから一年が経つ
ニュージーランドでの地震から
一年が経つのだ
その17日後が東日本大震災
そのあいだに
京大カンニング事件なんてものもあった
東日本大震災の ....
行く行く梅は今日も行く
桜ほどにも騒がれず
梅は行くのだ今日も行く
雲がくらあく光ってる
灰色の
冬にちかあい春の匂い
行く行く梅は今日も行く
桜ほど ....
ぼくはそのエレベーターにひとりで乗り込む
高度3万6000キロあたりで
ぼくは人類一小さな男になるのだ
ひとりでならなれる
あなたのクリトリスぐらいの大きさに
ひとりでな ....
眠たいのに眠れない夜
死なない程度にリスカ
目をそむけてうえを見つめる
蛍光灯ほどの明るさで
天使がばらばらと降りてくる
風が吹いている
真夜中を駆け抜ける
....
俺達もゾンビーズ
自分の脳を騙して
強くなっただとか
ありがたいだとか
そんなこと言って
君に近づいてゆく
俺達はゾンビーズ
自分の脳だけじゃ飽き足らない ....
富士山が爆発で
その姿かたちを変えてしまったら
あの容姿をもう
見つめることが出来なくなってしまったら
やはり過去なんだ
ぼくらは過去で出来ているんだ
過去とは原因のことではない
過去と ....
43歳の大人の男なら
こんなふうに言うんじゃないか
こんなふうに動くんじゃないか
そんなことを考えながら
喋ったり行動したりしている
たぶんみんなもそうなんだろう
「普通」ってなんなんだ ....
子供のころ
ブランコを漕ぎながら目をつぶり
どじょ〜、どじょ〜、と叫ぶと
気持ちよくて好きだった
なぜ
どじょうだったのか
それを思い出すたび
胸に痛みが ....
微生物たち
腐敗があるから免疫系
反復と増殖
すぐそばにある再臨界
不穏や不安
その爆発のあとが大切
攻撃してくるものに守られて
守ってくれるものに攻撃されて
今をかさねてゆくことが ....
勝ってどうする
この世のゾンビ
違和感のある前向きさ
未成熟ないのちのちから
勝ってどうする
この世のゾンビ
勝ちがあるから負けがある
黙ったまんまで
....
平日なら暗い朝
柔らかな新芽のような大気が好き
休日なら光る朝
新しい懐かしい煌めきに影を踏む
平日と休日
たった二三時間のことではあるのに
面白いなあ
....
朝日のうえには宇宙
朝日のしたには地球
朝日のなかには明日
今日なのに明日
今なのに今日
行く先だけが今
朝日のなかには明日
朝日のしたには地球
朝日の ....
スタバの外で寒風にやられながら
さっき買った煙草
ビルディングの中
おとなのひとが突き刺さってゆく
貰ったものは捨てられないのに
なぜなんだろう
撮ったものなら捨てられるのは
スタバ ....
きみが傷つき力が入らなくなる
無理をしているきみも
息抜きしているきみも
ぼくが抱きしめ支えているから
地球のおもてでこんなに淋しい
うまくいかないときも
うまくは ....
在りし日の粗雑さ
ほこりのまじった水の匂い
ひとつふたつの梅の香です
あなたの帰り道愛おしくて
思いが詰まってる
もうすぐ春ですねえ
梅がひと枝ほころんでいます ....
貧しい言葉たちを見かけると
原発を思うときのような
途方もない気持ちになってしまう
この違和感は正しい
だからといって
正しいことは絶対ではない
それは世間的な話と ....
ぼくはポールマッカートニーだ
レットイットビーを聴くたび
いつも勝手にそう思ってしまう
解散したくなかった
みんな
遠い心になっていた
奔走したんだ
ねえ、母さん
ぼくは分かりません ....
ドビュッシーがながれる
そぼくな悲しみが
山のなかの
森のなかの
鏡のようなところに
妖精になって集まりだす
音楽は時間だ
時間のひとつの愛し方だ
コン ....
こんなニュースがあるよ
小さい銀河を食べる銀河
http://dailynews.yahoo.co.jp/m/science/astronomy/?1329135697
人間だっ ....
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