ぼくはこれからも誤解され
ひとから見れば
損をして生きて行くだろう
でもそんな人生が気に入っているのだ
もうぼくの精神はひとりなのだから
それが選んだ道なのだから
同じようなひとのそばに ....
きょうが出張日だと昼すぎて気づいた
夕方までに外回りを済ませ
その足で新神戸に向かった
この駅の佇まいはお寺や神社のようだ
緑のなかに挟まったような
清々しくて心がほぐれる駅
ぼくは午後7 ....
大切なひとに
みじめな思いをさせたくなかった
幼稚園のときからそう思っていた
ぼくの誕生会
使いふるしの鉛筆を持ってきた君
それがいちばん嬉しいふりをした
君は ....
この街のどこかで
何かを守っていた
光は夜と外灯だけ
オレンジの作業着
いつもありがとう
宇宙にありがとう
言葉で飾らなくても
言葉で飾れなくても
....
童話にとじ込めたかっこと
それは嘘偽りの教訓などではなかった
あの人の夜をとじ込めたかった
童話は宝石箱だった
そうすればあの人の夜が宝石になる
エジソンが夜を明るく ....
東の景色が灰いろだった
ピカピカと白が走って
ぬるい風が街を撫でて
大粒の雨はぼたぼたと
しばらくしてざんざんと
音立てて傘のない僕を
濡らしては濡らしては
服を着た生き物である
僕は ....
木々の緑とは虚無のことなのかも知れない
緑とは葉緑素の目に見える色のことだ
虚無とはどこか一点へと向かう苛々した無数の風のことだ
だから
色とは苛々した無数の風のことなのかも知れない
色は ....
60ぐらいの爺さんに
ちくちくと批判されていやな気持ちになる
耐えている
それでも
批判してくれるひとに
耳を傾けると成長できるなんて嘘だ
無責任な嘘だ
....
日暈が出ている
ゴルフそっちのけで写真をとる
これを見た誰かたいせつな人が
きれいだと感じて
洗われてくれたら
逆光で真っ暗だったから何枚も
何枚もゴルフそっちのけでとる
あ、オレの番だ
幸せについて考えたことがある
小学二年生だった
結論がだせなくて
茶色いサインペンで童話を書いた
空になった女の子、という題名だった
一行めは、これはロシアのお話です
....
塩谷瞬のことなら
みんな正しいことを言えるのに
これからの日本のこととなると
そうでもなくなる
この国のデザインがしっかりしていなきゃ
産業やエネルギー、災害や人口減 ....
青いひかりを見つめるために
ぼくは地球に生まれてきたんだ
それだけが意味だったんだよ
そう思うと楽になれた
死んで楽になるよりも
そっちのほうがずっと
楽チンに思えたんだよ
青いひか ....
あなたがふと
時計を見るようなとき
それがたまたま
僕の誕生日を表示していたら
死ぬことと
永遠を結びつけるとは
こんな感じじゃないだろうか
あなたが ....
イライラしていた
うまくいかないことが多いからではない
うまくやらねばならないことが多いからだ
コックピットに身を沈める
敵機を迎撃してゆく
止まってしまった秒針がびくつ ....
緑は雲か大空か
緑に光る山を見つめていると
そんな言葉がぼくに浮かんだ
緑は雲か大空か
雲ひとつない
きみは天気を
探しているの
緑は雲か大空か
緑に光る山を見つめていると
そん ....
スーパームーン
桑田佳祐も見つめている
あと四日もすれば
クレヨンしんちゃんになるだろう
みんな見つめている
地球で宇宙で
それぞれの役割を演じている
割 ....
人生は旅だという
人生は忍耐だという
人生を楽しむという
人生を苦しみという
人生にはいろいろあるよという
人生には意味なんてないという
ただひとついえることは
....
月や星が必死に輝いているのを初めて知った
駅から出ると月が雲を照らし星が輝いていた
タクシーで久しぶりに家に戻ると泥のように眠った
夢の中でもずっと月や星が必死に輝いていた
ぼ ....
テラスに出て月を見つめる
街明かりは月とは関係なく輝いている
夜を跳ね返そうとしているのだろう
ずっと起きているほうが楽しいだろう
きのうの夕方ぼくは誰もいない家に戻った
みんな俺が蒔いた ....
ホテルに四日間泊まり込み、自社の財務のシミュレーションを行った。
財務のシミュレーションとは、複式簿記の作成のことではない。
かつてドイツの文豪ゲーテは複式簿記を、『人間精神の最も立派な発明のひと ....
あなたの特上の幸せを想う
そんな試験を毎日二万回する
ため息や胸痛がさいきん
一回だけになったんだよ
そしてちょっぴり悔しそうに
微笑めるようになったんだ
あな ....
広場はがらんどう
青には飛行船
銅像のしたにしか
影なんかない
人は幸福から自由
あのひとを探しているんだ
たぶんどっからか
おまけみたいに顔出すんだ
広場はがらんどう
青には飛 ....
影のなかでは
ビールと笑い顔
光のなかでは
自転車と渋い顔
切り取られた
ルール通りの愛
目的地だけが人生だ
そんなふりをして
なにを逡巡している
影のなかでは
ビールと笑い顔 ....
街はひかる
露店の影
婦人の清潔
あのひとへの思慕
あふれる
解き放たれる
尾崎豊を聴いたあと
みたいに
苺をみつめる
苺を想う
独りきりなんて
当たりき
淋しかないよ
....
木よ
おまえは忍耐の結晶だ
じっと季節に身を任せていて
こんな異国に
新緑を散りばめていて
だれもいないだれもいない
こんな愛にありがとうだなんて
もっと ....
ゴールデンウイークだ
泊まり込みで
財務をベースにした
事業計画を立てていた
ぼくのこの執念は
だれにも邪魔などできやしない
だれか教えてくれないか
こん ....
あのひとが鏡に向かって化粧をしている
あのひとが見つめているのは
鏡に映るあのひとではなかった
描き直されるのなら
あのひととの歳の差であるべきだった
それが
鏡に ....
誰もまだいない場所で
あなたの幸福を祈っている
ホワイトアスパラ
今この国の旬の食べ物
大人の男の手ほどの大きさ
こいつの露店が街のいたる所にある
キロ単位で買う
調理法はただゆがく
....
中世ペストの流行によって
この街の人口の1/3から半分が亡くなったのだそうだ
日差しに照らされていると疲れてくる
だから建物の影をさがして散策する
さすがビールの国だ
通りすぎる女の子たちが ....
この王宮は大戦時ソ連軍によって破壊された
降伏後三ヶ月には
瓦礫のここでコンサートが開かれている
修復のあと疎開していた美術品が飾られ
いまは市民や観光客に開放されている
入ってすぐの大ホー ....
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