月をぱりんと踏みしめ
空のあおいうたを
たてがみに聴いて
完全な白馬が
ビルをとびこえる

いま空にちりながら
ひとみの中で
背中をゆるした少年が
ひとり、待っている
あの弓のむこ ....
人にあしたを指ししめす
あの月
月が遠ざかってゆくわけは
きっとたくさん
あるのだろうけど
なにもいわず
いつか
どこにもぶつからず
無事に太陽系を抜けられたら
月はその全身の瞳で見 ....
本日はうすぐもり
昨日までの寒気が
ぐっとやわらいだ宵だ

どれくらいからか
しだいに欠けてゆく月が
おおきな指さきの爪になって
あしたは、あっちだ
迷わないでおいで、と
指さしとん ....


壁のむこうにある見えないない営み
空の扉をわたる風のうた
きれいに畳まれた銀紙をひらく
こまかい砂の列や
水にうかべた諦めが
夜に、ある想像をゆるす

月だけ敬えば、他にするこ ....
よろこんだり かなしんだり
する心を うまく持ちはこべなくて
まがり角ごと 転びそう
ふさぎ切れない 穴からのがれ

小枝のひとつ ゆびさきに
ふれるたび はなせない
夜がきた またくる ....
痛みというものが こわくないから
なぜ泣くのかも 分らない
ひとりだって 平気です

身体よりも はやこころ砕け
足あとだけは 感じているのか
文字に見えない けれどはっきりと
ことばだ ....


空が裂ける
とか、せまる雲の中に
とか。すごく冬らしくて

老爺から放たれ展かれる網に
やすやす攫われたりしない
ネオンで消せない月虹
なんて嘘
こころの内で散る火と火
と ....
宝満のすそに立つ昇降口や
安い学食とおばちゃんの高低差を
万花でうずめる桜木があり
雨にやわく溶かされる列を
内庭の喚声たちが
焼却炉にほうり込んではたち去る

ねぇ先輩と呼んだり呼ばれ ....
わたしは ただ待つだけの時を
星に探し 森に尋ねた
ことばにも 求めたけれど
たましいが 足りない

精白された なぐさめとは違う
鈴玉や絵筆 ひと粒の宝石
形ある願いや 祈りとも違う
 ....
ぬいぐるみをひろった/途端/ひとつ拐ってみませんか? 
目をほそめ/そそのかす/もうひとつの理性/さびしさを紛
らわせて息をつなぐ/この単純な本性/安直な別称を/掌の
硝子玉は見ている

滑 ....
ひとりに馴れたかなしみが
探してしまう、指さきの記憶
だれも来ないこと分かっているのに
探してしまう、川のむこうに

愛すべき人がいて
果たさなければならない約束もある
それなのにどうし ....
毎日すべての珈琲が
あたたかい国
街の真ん中には日時計の柱
海の上で
狩りを覚えはじめた小禽
無人の駅を震わせるピアノ
なめらかな不発弾
幾何形体
迎える身体が
どんなに拒んでも
 ....
つぼみがゆれる こずえへと
つまさきだちして あとすこし
ちいさなゆびさき そらのえに

わすれないで わたしにくれた
あかるいえがお かわいいうたで
うたってくれた やくそくを

ね ....
いつか見はらしのいいどこかへと
ひらいた傘が浮かんでゆれてく流れ
しずみつもった景色をさけて
わたしに望遠の目がもてたなら
ビルとビルの隙間をはしる列車を待っていいけれど
屋根裏の秘密がもて ....
いたずらめ
げんこつとんできて
くわえたばこだ

おとうちゃんのたこ
ふといあしいとぐいっとひくと
どこまでものぼった
ぎんがのうでに
まーじゃんぱいがぐるぐるまわる

よるになる ....
こころ
これを現すためだけに
仏像はのみにおのれをきざみこむ

こころ
これに衝かれるためながら
少年は姉からはしりさる

季節の寒暖の表層をおよぐ小魚たちよ
都会の風に恋した枯れ草 ....
ねむりの底に ひと夜ひとよは
くすしき光 はしごを昇る
ほの昏い和音 床をはつり
膝におく娘らに みた夢は

夕暮れかさむ まつげにまゆに
花にあみ織り 山らにかざる
掴むあおい鳥  ....
油まく模様のみなもには色々がくる
熟れた椅子の脚や膨らんだ仔ねこらが
うつした空を破りながら流れてき
こまをなくしたバイオリンなど
海にとどくより岩くぼに憩う
そろそろ沈むことなど気にも ....
なんてさびしいことば
ひとを構成する絶望の最小単位
あかい液体がつまったうすぅい袋
いくつもの器官で組み立てられた
地図上の手脚をひらく
ひとりはかわき谷をくだる
ひとりはついにいきあき石 ....
アニメーション このことば
が、あなたがたに連想させるのは
ヲタク・ヒッキー・ニートといった消極的自由的端的頽廃だろうか、または
じゃぱにーずどりーむといったあからさまな資源的有用性なのか?
 ....
まゆとまゆを繋いだたおやかな峰に
みえるいくつかの不均衡な螺旋機構
きみとあなたの感情とことばの辺縁に
ひそむ約束の不特定で不埒な内省模様は
燃えつきそうなとおい炎のような

自前の足 ....
兄がいもうとをおぶってはしる
空にくるさいごの夜にてらされ
町や人を巻きおおう紅い霧がまう
木と紙の家をすばやい蛇がはう

あけて通りには誰もみとめない
ぬがれた帽子の散らされたかげ
 ....
揚げすぎたコロッケがはじけた飛沫をたてる
これ以上もう無理の逃走本能がわきおこる
さまざまなバリエーションの試み
フジツ誠のお歳頃
透かしそこねた屁の具の香
あゝ、こんなさみしい呼鈴きいたこ ....
 ⅰ

キッチンで母親が包丁で
まな板の鰯を切りきざんでいる
夜につみれにするという
わたしは、魚の切りきざまれるきぶんを考える

朝はトースターでパンが焼かれるきぶんを考える
バ ....
屋根は春のかすみの成層圏でさきっちょを桃いろにした百合の蕾で飾った草原が
玄関ですいったことないけれど写真はたくさん持っているエアーズロックが寝床ですだって発見された正装最大の岩だもの/日本人らしさ ....
 ルオー (Georges Rouault 1871-1958)


 時計の針は五時を指していた。
 カーテンを開けると、車窓に張りついた幾つものこまかな水滴の中で、夜明けを待つ街がさか ....
Gが死んだのは寒風厳しい二月の末だと云う
ひらかれた掌からすべり落ちたグラスにこぼれるコーラの泡と
整列して空虚なペットボトル
黒い海鳴りがうまれた
坊主頭に、北からの光がきっとまぶしかったこ ....
アトリエの薔薇に芽がついたよ
花が咲くころ
君に送ろう

その時は、いつか
この春の、
すぐ後にあったのかもしれない
たった今、過去になった太陽

自分の為にすることが
誰かの為で ....
スヌーピーは
チャーリーが手をうてば
しげみを嗅いで飛びこえる
チャーリーがものを書けば
悩ましそうに眉をよせる
チャーリーがひざまずいたら
しろめを剥いてだかれる
消毒液のにおいた ....
 節分は、母親がお札を返しに行くと決めている日。
数年前、「あんたも行かんね。」と誘われ、お参りのお供をしました。

 太宰府は前日からの冷たい雨が降り止まない中、大勢の吐く息の白さが揺れていま ....
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タイトル カテゴリ Point 日付
雲馬自由詩121/12/12 0:23
あなたがいない夜のさびしさ自由詩421/12/10 18:01
あっち自由詩221/12/9 19:14
自由詩221/12/8 17:52
ひとり自由詩021/12/7 20:22
しでむし自由詩321/12/6 20:20
自由詩021/12/5 21:59
先輩自由詩021/12/4 19:16
レクイエム自由詩321/12/3 21:01
誘拐自由詩021/11/27 18:14
別離自由詩021/11/25 16:54
いつまでも自由詩421/11/24 21:47
わすれないで自由詩021/11/23 19:56
月蝕自由詩221/11/21 20:26
おとうちゃん自由詩319/10/13 16:19
こころ自由詩216/10/18 21:24
ねむりのそこに自由詩116/9/15 5:09
矢部川 借景自由詩4*16/9/7 12:18
ひとり自由詩116/9/2 11:16
あにめーしょんさーが自由詩016/8/29 21:09
つつまれる自由詩4*16/8/24 20:02
きおく自由詩116/8/21 16:50
ほ ° ん °自由詩216/8/17 11:59
七十億分の一員自由詩116/8/3 18:48
自由詩116/4/30 11:07
 ルオー散文(批評 ...214/6/19 5:05
自由詩712/3/25 15:25
その時は、いつか自由詩611/3/19 16:02
スヌーピーのおもいで自由詩8*11/2/11 15:47
大宰府にて散文(批評 ...4*10/12/31 7:33

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