*


締めるの
緩めるの

もっと灼くの
それとも見棄てて冷ますの

組んだ手を解き
窓に叩きつけたら
見えるだろうか、海
神さまたちの海


  * *


 ....
唇を飾りたいなんて
子どもの頃から鏡の前で
幾つ思い数えたでしょうか
星に願われた膜があって
それも人の愛し方のひとつと
知るはるかむかし

考えなかったのでしょう?
また会いたいなん ....
猫に従って公園で雪を焼いた
こうばしく焼けてて繁昌だ
冴ない流しを伴った年若いパ・ドゥ・シャ
やがて霧を映したバロネ

あわい谺に教わり月を結びつけた糸を裁つ
しぼまないで、泣かないで、真 ....
完全な笑いと共に生きた
突然身悶えするほどに
心は立派な大人だと思えるのだ
いつかお前もまたおねしょマン

誰かの無知なひとことが
懐かしいほど嬉しい
旭将軍、哀しいね
信じちゃえる心 ....
昨日を呼び 今日を帰すもの
砂上に残そうとした つま先が
後進する遠ざかりに沈む
星に飲まれる度に 新鮮な貝になる

奪われるものと 逃れるもの
空を螺旋に墜ちるもの
狙われていることに ....
未成年という人造語は
紆余曲折 あらゆる実験路を経ようが
どうしようもない退屈で

青少年という幻想など
はじめから無い
解っていても 今日も誰かに狎れる罠

思春期となれば一時も止ま ....
  ・ ・ ・


今年の森の地図が
そろそろ終わりだから
恵みにあやかりたいと
降りた自転車を立てかけた
裂け目のような木の下闇からは
あからさまな拒絶の気配を感じたが
それは人間 ....
神話になぞらえ視界をねじり
燃焼する画角から身を伏せる男
口笛と銃痕を残すように
霧の中から淡い筆がきて
何もかもを塗り潰す
腐れるあらゆる匂い

精神分析医は語る
線と色と画触のフォ ....
欠けた
風の赤い器

人の形に
ほつれた糸

君はいま、何処にいる
手を伸ばしたら触れられる
忘れ形見を
いつも優しくできたなら

かじかむ蛍光管
この薄いセロファン
色から ....
紫軍は勝てなかった
水色の汗を吸い終わり
またからからに乾き切ったグラウンドで
キミのバトンはキリキリと舞い
ボクはハードルの決勝で転倒した

ふたりのうちどちらかでも完走出来ていたなら
 ....
密林にようこそ
ラジオが歌ってる
モールス信号に訳したら
またすこし世界が近づく
そう思おうと決めた

薄い砂の膜に包まれて
ゆびを十字に重ねて覗く
あれを撃てと
撃って羽ばたく
 ....
傾いた沈黙を落下していた
喉が黒くなるまで回りながら
部屋と丘を繋ぐのはひかりの澱
落ち葉の形をした唇が震えながら捕まえる

どんな苦労を積んでここまで無口になったのか
愛する人との別れを ....
海底の都市から見上げた空に
着水する紙飛行機が
ひろげる波の敷布と
雨だれがからむ

おおきな口で
迫るもの
不意に肩をだきすくめる
水草の気配
ここでは誰もが作曲家だから
ことば ....
雨があがると見つかる落ち葉は
いまにも崩れそうで
そらの葉脈を
懐かしく見上げる
古墳の町で食べたたこ焼きが
まるくなる瞬間
わたしの壊れずにいる肺もいつか
ことばを持たないもの達にふれ ....
ひろい海をふたつに分けて
確かめてきた想い
雨にうたれたひまわりを
種に変えてしまう力

夜をまって
声にすれば
すべてのことを
忘れられるんじゃないか

目をつぶって
息をつな ....
ひとちぎりのみかんのような
金魚がまわすガラス鉢

りんとひれが水面にふくらむ
はかない円に耳をすます

どんなに望んでも
見えるものは欠片

ぜんぶ知るなんて
あり得ないから味わ ....
雲が月をくぐり
見あげて言った
霧の奥でゆっくり
つぶを丸める実

車の窓から
今を遠ざかるものを想う
牙を競うけものらと
美しいあなた

神をこめた
水はいのちと繋がっているの ....
けっして絡みあわない絲で編まれた
手づくりのあなたと太陽を打ちあう
ほどけず残る繭から綯われ
水にはいると透けながら
あなたの首を巡らせ
滅美とひかる

風の端から告げ
豊かな真空へ飛 ....
髪を人に揃えさせ
葡萄を蓄えた仏間の
静謐をかき混ぜる
蝉の単旋律
かそけき音色で
奏でるピアノが
桟橋に朽ちるお骨を磨く

 夜をうつくしいな、と思える
 かがやきの残酷

窓 ....
髪を人に揃えさせ
葡萄を蓄えた仏間の
静謐をかき混ぜる
蝉の唄
かそけき音色で
奏でるピアノが
桟橋に朽ちるお骨を磨く

 夜をうつくしいな、と思える
 世界のかがやきの酷さ

 ....
しばりきれないふろしき一杯に
トマトをかかえておばちゃんがきた
やぶれ帽子に山百合さして
足ばやなかげろうに浮かぶ
伸びたり縮んだり

風をいれなと
ドライ・シェリーをかっぽり注ぐうしろ ....
音楽とビールではじまる
叔父さんのパスタはいつまでも出来ない
予告もなしに晴れわたる青に
長閑にニンニク刻めた空き瓶を並べ
とんがらし叩きながら踊る

一旦ソファに沈むといい
泡のように ....
わたしの散歩地図は人通りの少なさを最優先で作成されます。するとふるかったり、怪しかったりする道で構成されてとても具合がよかった。雨でなければ週に四、五日は歩き回ります。
枯れた花は、蕾や咲きほこる花 ....
水を つつむ グラスを
つかむ 指を ひらく

床に着くまでのわずかな時間にも
水はこぼれてる
それまで包まれていたものが
ゆっくりはじけた

みじかく鋭い悲鳴が
こんなにも全てを変 ....
ささやく 残照の海
なれた 忘却の罪
水は 空と結ばれ
夏の 夜をことほぐ

うたうべき歌を秘め
ひとり影だけを踏み
あの人を想う

気化した銀が まるく冷え
やがてひろがる 天の ....
町の場合、建物が壊されている間だけひろがる空
があります。ふだん見えない階段に気づく空。
カーテンがぜんぶ閉まってる、生活が、こぼれ落
ちそうです。
まだらな風がながれる水をはこぶ、雨あがりの ....
うちがわの におい
ふとしたはずみに こぼれる
ふくろいっぱい つまった
きれいなはだで かくした

いつまでも てばなせない
ふらんした にんぎょう
あしあとに ふみつぶされた
びん ....
ゆびとゆびを十字にからませ
空をうけとめる傘の波動
ほのおを消すたび
交差点でくるっと回った

遠くにあるように思わせて
ちょっと手をのばせば届くところに隠す
山鳥の歌声を学び
生来の ....
ふわっふわ


て、触れる立草のあたたかな蕊

ぶうの鼻輪

ペろ、て、あまぁい味蕾
ほほ骨は逆転、ひっこめない狼爪

ノック ノック
半分ちかづいた?
うん、鏡の自分を ....
 黒いくらい青い空


見てあの黒いくらい青い空
ことばひと粒ごとがゆれ浮かんでいる
ばらばらな記憶を織りなす
真空に乾かされた雲だって
水が隈なく崩れそうで淡いな
とある分離中のパフ ....
soft_machine(447)
タイトル カテゴリ Point 日付
散らばり自由詩022/10/4 15:02
けわい自由詩122/9/27 17:45
猫の舞自由詩122/9/26 19:27
鶏の大地自由詩022/9/26 17:32
海辺にて自由詩022/9/14 21:17
人造語による篩自由詩022/9/14 16:57
森の地図自由詩2*22/9/13 2:40
ピカソ自由詩122/9/12 18:34
秋風自由詩122/9/12 15:32
はつ恋自由詩022/9/9 4:16
いのちある限り自由詩022/9/9 4:15
ひとの こころ自由詩122/9/8 22:03
海底の空自由詩222/9/6 22:23
雨あがり自由詩122/9/6 18:55
月の海自由詩022/8/27 19:27
ぜんぶ金魚自由詩022/8/21 20:12
自由詩222/8/20 20:39
いと自由詩022/8/18 20:39
八月自由詩022/8/17 21:54
 お盆自由詩022/8/14 20:06
パスタおばちゃん自由詩122/7/25 19:25
叔父さんのパスタ自由詩222/7/24 20:09
歩きスマホはよくない散文(批評 ...122/7/10 3:37
つつむ自由詩022/7/5 21:59
七夕自由詩022/7/5 21:43
空。自由詩122/6/24 22:33
におい自由詩022/6/24 21:38
六月のうた自由詩222/6/23 22:31
きおくソナー自由詩022/6/17 21:43
黒いくらい青い空自由詩022/6/16 21:27

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