とうめいないれもののまんなかに
とうめいなこっぷがはりついていて
とうめいなみずでみたされている
いれもののそこには
こっぷからこぼれたみずがたまっていて
いれものをゆすると
ゆらゆら ....
いちばんたいせつなものを
あぱーとのうえから
なげすてた
こなごなになって
あかいものがとびちった
なみだがだくだくこぼれおちて
でも
かぜにあおられて
じめんまではとどかなかった ....
とおく
どこまでもつづくもの
をかんがえるのがすきだった
たとえばそうでんせん
かいりゅう
にそって
とりになり
さかなになり
ものすごいいきおいで
かけぬけながら
ふりかえる ....
こんこん
こんにちは
そとはいいてんきですよ
なんどもくりかえし
どあをたたいてみる
こんこん
ただいまるすです
やっと
こえがかえってくる
じゃあ
かえってくるまで
まって ....
ふかい
とてもふかいいど
について
あなたはねっしんにかたった
あかりでてらしても
みずがあるのかどうかすら
けんとうもつかなくてね
みぶりてぶりで
せつめいしてくれた
おおきな ....
むかしむかし
わたしのもとへ
おうじさまが
とつぜんやってきていいました
なーんでも
ねがいをかなえてあげるよ
りょううでを
ぐいとひろげて
さあさあ
なーんでも
いいんだから ....
くらやみのなか
よるがあけるまで
しっかりと
てをつないでいてくれたひと
そらが
すこしずつ
あいいろにそまる
そくどにあわせて
みちをあるいていくと
ちいさなばすていに
たど ....
ふうせんのうちがわに
わたし とかいた
そとがわに
ゆめ とかいた
おおきくふくらませて
くちをしばると
そらへまいあがることも
じめんにおりることもできずに
ころころ
あたりを ....
このはたけは
えいようが
すくないので
なにをうえても
ちっともそだちません
やさいなんて
みんな
やせっぽちで
とても
たべられるしろものじゃ
ありません
ことしこそは
....
おおつぶのあめが
じめんをたたきつづけた
ふくもずぼんも
びしょぬれになって
くつぞこが
ぺしょぺしょきもちわるかった
かみやあごから
すいてきがしたたって
みずたまりにのまれてし ....
めじるしをつくって
いえのそと
まどからみえるところにおいた
とおりがかったひとたちは
かんさつしたり
すきなばしょへうごかしたりした
かぜでたおれると
だれかがおこしてくれた
いろん ....
かわらの
さいくりんぐろーどを
ぺだるをこいで
ゆっくり
はしりつづけた
いいんだよ
むりしなくたって
あのときくれた
ことばを
つぶやきながら
はしりつづけた
いぬをつれた ....
さびしくて
ねむれずに
ぽけっとのなかをさぐると
にんぎょうがゆびにふれた
さびしいって
ことばにするたび
つぎからつぎへと
にんぎょうがでてきた
つくえのうえにならべて
ひとりずつ ....
まっすぐなかぜに
ぐうぜんでくわした
おもわずとびのると
いえやきぎにぶつかりながら
まっすぐなかぜは
ものすごいいきおいで
まちをつきぬけた
ひっしにしがみついたまま
ともだちと ....
まさか
ほんものがあらわれるなんて
ゆめにもおもわなかった
いままで
だましだまし
やってきて
すこしは
ほんものらしくなった
はずなのに
ぜんぜん
まったく
たちうちできな ....
きょだいな
へりくつのかたまりが
そらからおちてきて
まちのたいはんをおしつぶした
こうえんのかぞくづれも
やくばのひとたちも
へりくつのまえでは
ひとたまりもなかった
みんなのつ ....
いろんなふりをしすぎて
なんだか
わけがわからなくなって
いしがきの
はしっこにすわって
くもをながめた
ためいきをつくと
くうきのかたまりがひとつ
こぼれおちた
それはうすもも ....
きれいなあきびんを
ひろったので
ひとり
となづけた
ごしごしあらって
ちいさながらすだまをいれると
そこをころがって
からからおとをたてた
まどべにおくと
ひとりは
かぜやあ ....
ここが
せかいのはしっこだ
もんばんが
ゆびさした
しょっていたものを
ぜんぶすてると
からだがかるくなった
せのびやくっしんをするあいだ
もんばんはうでぐみをして
かぎのたばを ....
いのりました
けんめいに
はをくいしばりました
はっぽう
てをつくしました
こつこつ
どりょくしました
のぞみが
かなうといいね
かがみにむかって
いいました
よけいなおせわ ....
てをつないで
じっとしていると
とても
しずかな
ねむりがおとずれた
きっと
だいじょうぶ
ささやくこえがした
そうね
きっと
だいじょうぶ
くらやみのなか
ぽたぽた
な ....
びんのなかの
うごきは
とてもかんまんだった
ときどき
うろこのようなものが
ひかったように
みえるけれど
すぐに
どろみずにかくされてしまった
ぬるぬるしてて
なんだかきもち ....
ぜんまいのねじ
をめいっぱいまいた
よういどん で
にしへむかってかけだした
ちからつきたら
また
ねじをまけばいい
ぜんりょくで
はしりつづけた
ちょっと
いったい
だれが ....
ほんとながいんだね
てすりにもたれて
あなたがいった
りんごなんて
らくしょうだね
そらのまんなかで
たいようがぎらぎらしていた
ばななだって
へっちゃらなのかな
しょうがくせい ....
ちいさなふねが
いくつもつながれた
がんぺき
をとおりすぎて
まつばやしをぬけると
みじかいすなはま
でこみちはとだえていた
なみうちぎわから
いっていのきょりをおいて
あるくあ ....
あめがやんだので
あのひとにあいにいった
べつのだれかに
あいにでかけたのか
よびりんをおしても
へんじがなかった
ひょっとして
すれちがったのだろうか
あわてて
うちへひきかえ ....
こんこん
つたえたいことを
もってきました
ああ
ごくろうさま
そのへんにおいといてください
じゃあ
たしかに
おとどけしましたから
はいはい
ちゃんとうけとりましたよ
あの ....
くやしくて
くやしくて
だれかれかまわず
きずつけたかった
じぶんのはいた
きもち
ことばが
ぐさぐさ
だれかをきりつけ
だくだく
ちがながれればよかった
ちくしょう
ちく ....
なにかがたりないよね
って
みんないう
なにが
ってきいても
こたえてくれない
たしかに
それはめいかくに
おもいえがかれているはずなのに
めをそらして
うまくいえないけど
....
いれものが
ふたつありました
ふたごのようにそっくりでした
どろみずをひとばんためておくと
いっぽうはどくみずに
もういっぽうはのみみずになりました
のみみずは
ひとびとののどをうる ....
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