君が手に引かれるままに
ここに来るまでのことを覚えていない
余所見ばかりして 少し眠っていたのは
良い道だと称えられていたから
手が離れてしまうことなんて恐ろしすぎて
そうやって守っているも ....
こんな日は眠りたくないのです
あなたとせめて話せるのなら
眠れるのかもしれません
あなたはもはやとおいひと
あなたももはやそんなふうで
わかっています
知っています
かなしみがかなし ....
誰が持っているんだろう
欲しい言葉やこころ
いつもどこかで期待している
言葉は言葉だけに乗っているんじゃなくて
瞳や腕や筋肉や呼吸から発せられて届いたときは
涙ぐむほどで

あなたの言葉 ....
なりゆきを知っておいてもらいたくて
君に伝えるよ
不特定多数の君に宛てて
ある程度事が進んでから説明するのはすごく面倒なことで
やっぱり一人か二人か
そのくらいの人数でも良いから逐一情況を知 ....
鞍馬の寺へ続く道を行く人は
息も乱れず
疲れた様子もなく坂道を登る
ただただ不器用な人だったはずの兄は
見違えるほどで
一つのことをやりとげたとき
開花したあなたという人
あなたのように ....
 それは5年間に起きた出来事
 たとえば私にとっての27才からの5年間は
 少し人生を棒に振るような生き方をした
 驚くような世界をいくつか知って
 感情に呑まれて行方がわからなく ....
 
 つまらないつまらない
 まとまらない 白みがかって
 結局
 なにもない
  つまらなければおもしろくすればいい
  なにもないなら作りだせばいい
 いつも湧く言葉を知って ....
 少しでもいいから綴っていこうと思う
 一日10分でもいい、一文でも
 誰に気兼ねするもことない ひとりあそび
 試している
 私の内臓を放ってみている
 楽である
 内臓 ....
さー さー さー さー


大きな幹を辿って見上げると
高い高い所で
葉っぱが風に揺られて擦り合っているのだった

庇と庇の間のわずかな空間を抜けて
この木は人々に囲まれ ....
鉄鋼所が身近になってから
鉄を人に喩えたりするようになって
鉄製の電車の壁に身をすり寄せる

鉄の粉塵は無色で町を覆う
自動車の鉄板に細かな鉄の屑が毎日積もって
こびりついてなかなか剥れず ....
暗い海の底で
一匹の魚が尾ひれをゆらゆらさせている
海面は荒れても
相変わらず静かな深海で

目を閉じたとき
こんなふうに浮かぶ愛は
傷ついたっていいんだけど
ただ複雑にしたくない ....
春の雨が
細く断続的に降る
風が吹いて
竹の葉が軽い音をたててはじく
雨の音は
こまやかに落ちる
しまい込んでいた
奥底の溝に

いつの間にか濡れる
銀色の針のようなしたたかな ....
じっとしていたら
こじれることはなかった
もしかしたら

どちらにしても
すべてを止める方法なんかない
あなたも
わたしも
渦巻く関係性のなかで生きている
予感や実感を
それぞれに ....
あなたから教わったことが
いまでもわたしをたすけてくれる
そんなあなたは魅力的であると言ってもよくて
いまでもわたしは
あなたへの愛を感じているのに
会えないんだ
障害はなくて
順調に進 ....
きょうは風がつよくて
さむくてさむくて
雨もふったりやんだりしてて
でも風がなにもかもを追いやるのかな
別府湾の夜景はこれまでになく
きれいで
電車が湾に沿ってひかりのまちに向かって行 ....
コカ・コーラの瓶ボトルを
一日一本並べていく
コカ・コーラは好きじゃない
だから中身は飲まないまま
飾っていけてちょうどいい

たまには飲む日もあって
少し飲んだもの
半 ....
川面に浮かべた林檎を手にすくい
また沈めながら
「きれいだ」
「きれいだ」
それだけを呟いて
繰り返し林檎を見つめるあなたは
この月の光と照らし出された波を
どう眺める ....
すなおな気分だったから
つづったことばはとても
おさなくてかんたんで
だれにも見せられないとおもった

むずかしいことばばかりを
ひとは求めていないのに

すなおになること
 ....
いつまでもわすれられない
関係は
ちぐはぐ

縁がめぐる
輪郭がでこぼこの
わたしの愛は
どこにいても居心地悪そうにする
ふしぎな一体感をいつも求めて

わすれられないあなたへ
 ....
つよくドアを開けた
勢い込んで歩き出した私を
なまぬるい夜が迎えた

予告なんて
してくれやしない
自然も人も

昨日までの冬が
過ぎ去っていたのに
日中は太陽がいるから
冬も偽 ....
いつも電車の中から眺めていた
いちめんの菜の花畑
あこがれは日々つのって
あの黄色に身をうずめたい
私の何かが変わる予感がするから

電車は目的地まで
定めのままに運んでくれる
 ....
いつの間にか骨が凍っていたから
熱っぽいあなたの言葉で
解凍された体液が流れ出る
うっとりとするひとときが過ぎたら
肉が痛んだ
焦がれるほどに泣けるほどに
肉に刻みつけたいと望んだのは私で ....
図書館の中に
戦場はひっそりと息をひそめていた
爆音も叫びも飛行機のエンジン音やプロペラ音も
溜息も束の間の笑顔も
音のない写真に詰め込まれていて
それらは見る者の脳に聞こえてくる ....
ねえお金をちょうだいよ
あのヴェルサスのワンピースが欲しいのよ
私をもっと綺麗に飾り立ててくれそうでしょう
ねえもっとお金が欲しいのよ
この肌を美しく保つためには
あの高価なコスメティックス ....
君は知性と権力を持っていて
だから私は君に惹かれたのかもしれない
実際私は君から知性を吸い取り権力を利用し
君を捨てて君から逃げた
あどけない私自身も置き去りにして

君がお金と美貌を持っ ....
とおい君へ
なぜなの?
ちかい君へ
なぜなの?

君が舞ってる
君が止まった

君の視線を私は外して
うつむく君を私は見つめる

すきとおる君が消えちゃいそうで心配になる
 ....
あたし
火を噴く怪獣なの
ブワーって火を噴くから
みんな逃げる
大袈裟だよ
本気じゃないことわかるでしょう
誰にも危害加えていないし
この火はさみしさで出来ているのに
そうしてまた ....
私あなたに
告げてみた
「おやすみなさい」って
私そろそろ寝なきゃいけない
身体も疲れてしまったの
あなたと話して
笑って
泣いて
楽しかったけど
私すこし休まなきゃ
いつ起きるか ....
空が
ごうごうと鳴いていて鳴りやまない
空には隙間のない
厚い雲が低くどこまでも続いていて
あの山の頂上まで隠してる
霧かな
靄さえ雲の手助けをして
私と雲との距離をさらに遠ざけ
同時 ....
いつものように街を歩いていた
まっすぐな道
直角90度に交差する街角
舗装された道路
広い歩道と
きれいに刈られ植えられた樹木
馴染んだ街
丸の内仲通りは
理路整然としている ....
九谷夏紀(43)
タイトル カテゴリ Point 日付
遠ざかれ自由詩108/2/2 16:21
眠らない理由自由詩008/1/14 21:27
原風景自由詩207/12/26 21:47
君に伝える自由詩107/12/25 23:29
自由詩107/12/22 22:01
とおい時代自由詩107/12/11 22:11
ひとりあそび自由詩107/12/1 20:14
放る自由詩007/12/1 20:13
自由詩207/11/3 22:44
鉄鋼所自由詩407/7/22 22:40
深海自由詩407/6/10 1:56
春の雨、森で自由詩707/5/9 23:03
うず自由詩307/4/26 23:03
いつまでも自由詩407/4/22 21:38
22時の光る町未詩・独白407/4/17 0:07
コカ・コーラ瓶ボトル自由詩6*07/4/8 22:02
月のように川面のように自由詩7*07/4/8 17:43
すなおなことば未詩・独白307/3/26 22:39
でこぼこの愛自由詩307/3/25 20:56
春の闇に咲く自由詩207/3/25 0:08
菜の花畑自由詩907/3/17 14:13
凍った骨自由詩4*07/3/11 17:41
音のない戦場自由詩11*07/2/13 22:06
お金をちょうだい自由詩5*07/2/4 17:50
かなしい境遇自由詩507/2/4 0:05
君の存在自由詩0*07/1/31 23:24
怪獣だけど自由詩307/1/22 23:43
おやすみなさい自由詩4*07/1/21 17:54
自由詩207/1/21 15:47
丸の内ジャングル(改)自由詩107/1/20 18:28

Home 次へ
1 2 
0.1sec.