初めに。

始めから言い訳を述べる時点で僕の情けなさがわかる。
いつかの君のように一言『ごめん。』と言えたらよかったのに。
必死に考えた言い訳を述べるよりよっぽど簡単で、
お互い、楽になれた ....
少しづつとはいえ、大人になっていく僕は
少しづつ、ではなくキミをとても意識するようになる。

大人になった大人は
甘酸っぱい憂鬱だ、と懐かしむ感覚を、
子どもから大人に向かう僕は
苦味のき ....
緑の屋根のあの小さな施設で、暮らしていた人たちは、

上手く言葉を紡ぐことも、
二本足で歩くことも、
自分で用を足すことも
食事を摂ることも、

出来なかったけれど



私が悲 ....
優しい人になるのは難しいのに
優しくない人になるのは容易い

眉間に皺寄せて不機嫌そうに言い放てばいい。


優しい人になるのは難しいのに
優しい人のふりをするのは容易い

その顔に ....
春の陽気
の穏やかな風
に揺れるたんぽぽ

  しまい忘れた炬燵
  に丸まった猫

幼子の手
を握る母の頬笑み

  雀の鳴き声
  遠くの汽笛
  の中で読む君からの手紙
 ....
ある人はそれを「雨」だと言った。

またある人はそれを「雪」だといったし、

偉い学者は「塵の一種」だと力説した。



ある日細かいものが降ってきた。

パラパラと人が気づくかど ....
春の息吹に薫る若草よりも

熟れた艶やかな林檎よりも

蜩の鳴く暑さに揺れる海よりも

あたしはもっと輝いている人と思われるのです。


ふわふわ浮かぶ風よりも

さらさら流れる ....
「ついこないだまでこのぐらいしかなかったのに。」
そんな風に言って母さんは自分の腰あたりに手をかざした。

(いや、さすがにそんなことはないだろう)

いつのまにか母さんを見下ろすようになっ ....
それは、甥っ子が遊びに来ていたときでした。



暖かい冬の日差しの中で、まったりと俺は雑誌を読み、
甥っ子は持ってきたおもちゃをカタカタと動かす中、
優しく降り注いでいた日光を薄い雲が遮 ....
「いらいらしてんな。」
そう言ったのは友達。
「今日一緒に帰れない。」
そう言ったのはキミ。



鞄をベッドに投げつけるように置いて、
一人きりの部屋にうずくまる僕。

別に気に ....
それは、青い色の小さな小さなお弁当箱
荷物の整理、してたらね
思いがけず出てきて、
小さかったあなたを思い出した。


あなたは、初めての子だったから
『幼稚園生のお弁当』なんて知らなか ....
小さな手をクルクル振り回して
何か一生懸命に説明してる男の子の言ってることは
結局何を言いたかったのかわからなかったけど、どうやら
その子にとって一大事らしい。


私の手を必死に引っ張っ ....
背負った重そうな荷物はどこまで運ぶんですか、
その電柱までですか、それともあの角までですか。

まるで、計画性のない夏休み前の小学生のようだ。
ランドセルの両脇に荷物付けて、両手にも一つずつ抱 ....
ばあちゃんに先立たれたじいちゃんは、
僕の母さんの父さんである。
じいちゃんは、タバコを吸い、酒を飲み、
いつも母さんに怒られている。
それでもじいちゃんは健康に気を遣うことは ....
「死ね」「ウザイ」「キモイ」
悪魔の三言葉。

高校生という「今どきの若者」とか呼ばれる立場でありながら、友達に言われるこの三つの言葉に異常に反応して、傷ついてるのは自分です。笑って誤魔化すけど ....
夏に金魚を掬った。
冬に金魚は死んだ。
悲しかった。
八本目のアイス棒が庭に立てられた。

剥げかけた朱色の腹を浮かべて水に浮く、浮く。
元から死んだような目はさらに光を失い、失い。

 ....
付き合って一周年だからケーキを焼くとキミが張り切ったとき、
嫌な予感はしたものの、僕は何も言えなかったんだ。

おいしそうな香りがしてるでしょう?と、キミが家に僕を招いてくれたとき、
明らかに ....
この街で一番高い時計塔を勝手に「エッフェル塔」と名付けたきみを、
今日も僕はそのエッフェル塔まで迎えにいくんだ、自転車で。

そのエッフェル塔の真下にある噴水に腰掛けて、
つまらなそうに足をぶ ....
抱えきれないから、溢れるのに。

悲しいなら、
悔しいなら、
辛いのなら、

いっそ子どものように大声上げて泣いてしまうのはどうだろう。

年とるたびにうまく泣けなくなってく気がして、 ....
イライラしているときに数学はどうも相性が悪いらしい。


あぁ、また間違えたと心の中でぼやきながら消しゴムを掴む。
消えていく数字の隣で、小さな濡れた染み。
キミがさっきまで此処にいたという ....
熟れたリンゴを一口パクリと、甘い味にしばし酔いしれる。
相も変わらず君は一人で、窓の外だけ眺めてる。

病院では静かにと、看護婦さんは僕に言ったけど、
意外と騒々しい人々の声を聞きながら、僕は ....
「それはいわゆる反抗期という奴です。」
それはボクにもなんとなくわかる。
わかるからと言って、このムカムカする反抗期をどうにかできるわけもなくて。

何気ない母さんの言葉がボクの心に針を刺す。 ....
時雨(22)
タイトル カテゴリ Point 日付
文書グループ
僕の言い訳文書グループ09/2/10
投稿作品
好物はブロッコリー。自由詩210/3/9 21:50
青い春が僕を撫でるから[group]自由詩109/2/10 20:21
こんな処自由詩308/9/20 17:18
率直自由詩308/6/25 9:14
暖かなもの自由詩308/3/3 22:58
空の破片自由詩507/12/19 23:14
ゆうるり自由詩407/9/13 22:30
ある少年Aの考察自由詩207/9/6 0:31
甥がもたらした冬の怖い話自由詩5*07/2/16 11:56
置き去りのリップが僕を宥めるから[group]自由詩207/2/9 20:42
弁当箱自由詩306/12/16 21:04
_自由詩606/10/28 15:06
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悪魔の三言葉散文(批評 ...4+*06/5/13 21:45
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