“ねえお父さん
どうして空は青いの”

駆け寄ってきて
尋ねてくる君は
とても綺麗だ
だから僕は答えたくない
太陽光が大気にね … 、なんて
答えたくないんだ
だから
“どうして ....
眠れない夜には手を繋いで
目覚めない朝には肩を揺すって
やさしく やさしく

エッタ カーテンの向こうをのぞいてごらん
お月さまが金色でまぶしいだろう
たくさんの星が光っているね
あした ....
 {ルビ一歩=いっぽ}踏み出せばどこまでも
 この季節が続いてゆきそうな気さえする

 はやるきもち
 紫陽花とひまわりの{ルビ間=あいだ}
 入道雲の{ルビ構成=つくり}
 光のつぶ
 ....
花が好きだったばあちゃんに
花を摘んで帰ると
十日に九日は叱られる

「野に咲いとうのが{ルビ美=うつくー}しかと」
だから摘んで来なさんなと

ばあちゃんの手のひらはまめだらけ
ばあ ....
我が子の繊細な横顔の
そのとりわけゆるやかな{ルビ頤=おとがい}に触れたくて
私は
そっと静かに手を伸ばす
触れたい
触れたくない
その繊細な構造を知りたいのに
やさしい{ルビ頤=おとが ....
牡丹雪の日は君を迎えに行く
傘は持ってゆかない
いつだって
君は雪を掴もうと傘を飛び出してゆくから

町の街灯の下で
やさしい君が待っている
ひっそりと
ゆるやかな呼吸をしながら私を待 ....
朝起きたら
郵便受けが手紙を{ルビ銜=くわ}えていた

切手はないのに消印はある
宛名はあるのに差出人がない
ちぐはぐな手紙

開けてみると光が入っていた
光はみるみるうちに封筒から出 ....
幼い妹の髪を結いながら
長い髪を結いながら
きっとこの髪は
風に{ルビ凪=な}がれて
哀しみを絡みつけているんだろうなぁ
なんて思う

それでもあんまり
真っ直ぐしているから
私には ....
十五夜のお月さまがあんまり綺麗だからと{ルビ託=かこつ}けて
不眠症の私は
窓を開け放して月を眺めていました
この夜は よく澄んだ涼しい夜で
遮るものもなくて
惜しげもなく
私に光を浴びせ ....
ざあざあ雨の日の赤信号
私は傘の代わりにバックをかぶっていた
足元にいた雨蛙が
私を見上げて
ゲコゲコゲコリと笑った
逃げもしないで

お前も信号を待っているのかと訊くと
雨蛙はまんま ....
君と出会ってからは

おいしい焼き餅の焼き方ばかりを

覚えてしまった
 
 

{引用=相手に気付かれるか気付かれないかの処で 妬く
それが おいしい妬き餅の妬き方}
夜の漁から戻ってきたとき
さびれた銀のバケツの中に 一匹の{ルビ河豚=ふぐ}を入れました
おじいが売り物にならないと云ったから
じゃあ飼っても良いの と訊いて
まだ おじいの返事がないうちに
 ....
日和(12)
タイトル カテゴリ Point 日付
空が青い理由を自由詩11*07/5/30 16:15
エッタ自由詩6*07/5/12 22:13
夏まみれ日自由詩11*06/7/21 15:30
菊の花自由詩7*06/4/21 19:38
温度自由詩10*06/1/13 19:58
牡丹雪自由詩9*06/1/6 20:36
レタ自由詩16*05/11/29 21:41
手櫛自由詩14*05/10/9 19:02
月と幼子自由詩5*05/9/18 23:57
蛙紳士自由詩7*05/9/3 18:44
3時間クッキング自由詩6*05/9/1 23:23
河豚(ふぐ)は飛ぶ自由詩14+*05/8/20 14:24

Home
0.07sec.