今まで飛んだ事の無いミサイルを
ずっと眺め続ける仕事をしていた男が
急に仕事を辞めてしまった
理由を聞いた所
飛ばないからと言う事だった
それ以前に俺は差し止められて
勝手に解約した事 ....
惨めで
浅ましくて
さもしくて
卑しくて
汚くて
悲しくて
寂しくて
カッコ悪い
恥じかいて
上塗りして
陰口を叩かれ
馬鹿にされる
頭悪くて
金もなくて
いつだって空腹
....
そんな難しい事
言われても
解らないですよ
どうすれば良いんですか
アドレスって住所を言えば
来てくれるんですか
何ですか
その
こまんど
でしたっけ
それを
どうするん ....
逃げた犬が見つかった
首輪で解ったらしい
体の大きな犬だったので
解り易かったようだ
母が車で
引き取りに行ったらしい
母は大変な思いをしたようだ
携帯で僕に
怒鳴り散らした
....
着かない
電気
ガス
水道では無く
電話
ガス
電気
そして
水道となる
帰宅する
と
電灯
が燈らない
仕方無く
電話機に手を伸ばすが
電話を停められて ....
ジッタを起こしているので
それぞれのベクトルが揺れている
空一面を対象として考えるなら
水晶体の焦点距離も図れず
寒さに途方に暮れていた
補正をかける事を辞めれば
笑うべき事も解ら ....
きっかけは些細な事なのかも
知れない
気にしなければ済んだのかも
知れない
彼女を疑う方がどうかしているかも
知れない
信じて傷つく方が良いのかも
知れない
それでも
知りた ....
夜の音など
聞いているから
眠くて仕方が無いのだと
気が付いていて
眠れない
高い足音
どこかのドアの開閉
階下のテレビのボリューム
どうしても漏れる蛇口
朝方には
忘れて ....
無限級数を終わりまで数えるように
世の中の果ては
終わり無く続いていく
いつだって
終わりの無い物だと
考えていた
逆算するように
正解は
必ずイコールで結ばれていると
考え ....
その場所に汽車が走っていたのは
私の思い違いでは無く
私は
父を思い出す
そして
その場所に
再び
足を向けた時に
潮の匂いに塞がれていた
鉄パイプで組まれた足場の上には ....
郵便受けに
故郷からの便りが
届いていたので
返信を認めて
ポストに投函しに
夕暮れの街に
足を向けた時には
五時の鐘の音を
久しぶりに聞いていた
その独特の匂いに
包まれるよ ....
立てない
最近と言えば
勝ち負けでしかなくて
勝とうが負けようが
どちらでも良いと思っているのだが
負けているらしくて
どこに基準があるのか解らないが
刃毀れした時点で負けなのかも知 ....
「皆、甘えてるんだよ」
と呟いたのは掃除のオバさんだったと思う。
二日酔いの抜けない朝方に
コーヒーを飲みながら
静かにこめかみを摩る
ゆっくりと
火を着けて吸い込むように
....
取り戻すように
埃臭い空気を吸い込み
意識を押さえつける
動悸は元には戻らず
ぼやけた視界が赤いように
定まらずに
耳元で鳴っている
ぼんやりとした影が
見下ろしていた
僕はゆっくり ....
咳をする母の
苦しそうな声を
置いて
こんなにも
遠くへと
来てしまったけれど
行けども行けども
道はなく
ここが何処だか
解らないのだ
何処の空も
青いなんてことを
確か ....
眠く
赤い
鼓動が時刻を刻むように
変化していく
ゆっくりと流れる
何をどのくらいの分量で
街を歩いている時に見た
電信柱の影に隠れるように
置いてある半透明の袋から
....
観測などしなければ
枯れないだろう
知らなければ日常は
ずっと
そのままでいる
ただ思う事は
ずっと
気がつかないままに
そのままに
そして
僕は電車の中で
気がつか ....
正負を持つ量で有り移動による
後ろで飴を舐める音が
ぴちゃぴちゃと
響いているので
感情が櫛で削ぎ落とされるように
首筋が歪んで行きます
神経が逆撫でられるのを
静かに握るので
....
いつものように
コタツなんかで寝てしまって
突然に目が覚めると
部屋の中は真っ暗だったりする
電気を消したか
思い出せないので
思い出さない事にする
喉が乾き
背中が痛くて
....
日曜の朝に
壊れた呼び鈴を
連打する音が聞こえた
嫌な予感がしたが
案の定
片手にバナナを一房
買って来ていた
聞くまでも無く
勧められたが
断わる事にした
横で
一 ....
いつかの海の声を聞いた気がする
静かな青だった気がする
誰も何も言わなかった気がする
遠くを見ていた気がする
時々
切れて
繋がっていた気がする
空は境いが解 ....
吊るされた手は
晴れた空の下で
赤龍の昇天の為
風と雲を耕して
立てられた手は
雨を受け止めて
土へと放す為に
大きく開かれた
今、この地球に生きる
60億人の人たちの
六割が明日の食べ物を
心配しています
6000万人の人々が
主に栄養失調を原因とした
疫病のために
死にかかっています
親から虐待を受 ....
青臭ささと
独特の朽ちた匂いに咽ながら
竹林の脇にあった
枇杷の木に登ろうとして
足を滑らせた時に
竹の葉っぱや
枝の柔らかな土に埋もれそうな
汚い水溜りが
ゆっくりと沸いていた
最 ....
ドライバーを炙って
ペットボトルの横っ腹に
突き刺す
こぼれない位置
そして
沈まぬ位置
僕はこの世界を
わかると思っていて
繰返し
そのまま
ボールペンで
広げて行く
....
おとした
おとを
だれも
ひろって
わらわないから
ひとり
かものように
うかんでいるのは
はとのえさを
からすが
かってにたべるから
さくらは
なにも
ついてないのに
....
爪が肉に食い込み皮を剥ぎ
周辺から背骨を通して
首筋まで響く声の無い
信号を
押し込めるように無視する
風呂上りに冷蔵庫を開けると
限界を越えた腕の筋肉は
悲鳴をあげながら
固 ....
汽笛の音が聞こえた気がした
汽車などとうに走ってないと言うのに
空っ風が聞こえたのだろう
と思う間もなく年を越していた
この部屋が時間を止めてから
どの位経つのかは解らないが
間抜 ....
誰もいない車内の座席に持たれて
窓の外を眺めながら
ぼんやりと
僕は
もう帰る事は無いだろうと思った
外は暗くなりかけて
暮れて行く
田畑や家の屋根の向こうに
水平線が
ほんのり ....
いいえ私には決して見えませんでした
そして
残った物が現実なのです
徐々に沈んでいく
ボートで川へと
漕ぎ出した筈なのに
向こう岸が見えやしない
私が信じていた物の他にも
世の ....
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