蝉音が
廻っているので
道だったか
思い出せない

ゆるゆるとした
茹だるような
立ち上ぼりに
はっきりとしない水分が
揺れて
ゴム草履の底すら
粘るような
砂利道と
踏みつ ....
20分後の街を歩く
誰と

そして歩く
一人で
何故に

そして
数える
何を
数を

その長さを
測る
何で

昨日までと同じ道を
曇り空に
歩いていた
そして ....
目が覚めて
唐突に
帰りたいと
思った

何時ものような
寝ぼけたような
気怠い午後の
客先での現調の帰り道に

持ち帰りとした
案件の書類を
精査している
鞄の中で

 ....
静けさに
音立てて
回るのは
何の声

覚えるべき文章を覚える事を辞め
何のやる気も起きずに
答えの無い問いを
繰り返している試験前は
どうにも
考えが纏まらず
かと言って
何 ....
少し肌寒さを感じて
久方ぶりの
背広に手を通す

その時に目にした光景は
特に何の意味もなく
朝日が眩しかった

そして
物語は
終わりを
見つけられずに
続いて行く

そ ....
ばらして
組み立て
ばらして
組み換え

そして

再度
ばらして
組み上げる

目の前の現象を
確認する事を
怠っていた所為で
何時の間にか
人気は消えていた

ネ ....
どうにも悲しみで凹んでいるので
エポキシで盛ってみたが
今一つ盛り上がらない

平坦に戻すために
400番をかけてみたが
今度は荒れてしまった

目を細かくして
ゆっくりと順番に
 ....
酔い焦がして
匂い立ち
冷ますこと無く
水のよう
広がり散らばり
立ち消えて
形失くして
溶けて行く

気を惹くように
会話に費やした時間が
全て無駄に終わってしまい
その労力 ....
あれは

あの頃の月だろうか


路線減少の煽りか
飛び乗ったのは
各駅停車で
遅くなってしまった事と
帰ってからの雑務処理が
シャツに張り付いて消えず
べっとりと重い

大 ....
明け方の赤外が
角膜で入射角を変えるので
フィルター無しの声は
色を失くしたままだった

薄くなるのは
虚ろな憧憬で
指向性を失くして
拡散していく

意識にも上らない
バースト ....
萎んでいくゴムみたいに
消えてしまって
僕は煙草を
持て余してる

いや後輩にね
刺青させて下さい
言われてね
刺青だったら良いよ
って言ったんだ

価値など無いし
価格も無い ....
作業服のまくり上げた袖で額を拭った時に
腰の骨に刺さるような重みが音を立てる
白く浮き上がった跡の上に重ねた染みが
べっとりと背中を流れていく


お前はアホか
あないな所にアタックかけ ....
タバコに火を点けた所で
向こう側に置いて来た言葉を思い出して
話を遮り
スピーカーを磨いている

振動板は
電気が無くても震える
何も信号が無くても
震えている
本能のように
基本 ....
一つ目が見ているので
それに目を合わせている

すみません
ちょっと宜しいでしょうか

劈くように音が鳴って
警備員が走るのが見える

光は結合して
パルスに流されて行くだろう
 ....
毎日の電話帳に栞のように眠りを挟んで
無い物を考えずに
止め処なく
笑う

誰かの声を聞きたくなっても
昔みたいに
無言電話が出来ないから
ワッチでもするしか無いらしい

声を聞い ....
床に寝転がった際に
背中に違和感を感じて探すと
皿ネジが一個
転がっていた

ポケットの中で

取り合えず元に戻そうと
組上げてみた物の
どうしても一つ
ネジが足りなかった

 ....
視覚が寸断されるように
蒸すような味覚を
領域に侵食されて
縦波に揺られていた

不安定な流れでは
確認すら覚えず
認識を失ってしまった

掻き鳴らされる
物打ち跳ねる渦の中で
 ....
乱立する雨の中で
傘もない

点かないと言う連絡が入ったのは
轟が聞こえ始めた時だった

傘が歩いていく

横を迷惑そうな顔で

申し訳なさそうに

僕は立っている

車が ....
感情には雑音が乗る

試験中の静けさに
胃が重たくなり
口中が乾いて
窓の風音と
斜め向かいの机の
名前が思い出せない
級友のシャーペンが
刻む音が気になり
目の前の紙には
集中 ....
お前
なめとるんか
こんなデータやったら
取らん方がマシやで

同期が上手くかからなくて
流れている光が良く解らなくて
細かくして見ても
雑音に邪魔されて

立場解ってるんかい
 ....
塩の臭いがした気がして
薄っすらと目を明ける
麻痺しているというのに
時々
思い出して
すぐに忘れる

寝返りをうった所
ペットボトルに足が当たって
空のボトルは
フローリングに
 ....
特に日報に書く事も無く
一日
喫茶店の椅子に座って
空を眺めていただけなので
空の事を書こうと
思っても
書けないでいる
雨の夕暮れ

スーツの裾の泥はねを
気にしながら雨の中を
 ....
あの町の夕暮れにはカレーの匂いが良く似合う
大体
二日目
ジャガイモが煮崩れてるぐらいで丁度良い

あの夕暮れの町には
人は流れていなくても
夕凪にてろてろとした
柔らかさが流れていて ....
きりつ
おはやうございます
ちゃくせき

そんなん言われても

わからへんし
あんたやっといてぇなあ
私に言われても
知らへんし
誰かに言ったらええやろ
そんな事
知らんでも ....
光電子化された記憶が
増幅されているので
思い出す事も無い

その揺れて刈られた
芽吹きが
目に刺さるように
帯域を跳ね返して
辺り一面に広がって
囲まれて

眠れない距離
若 ....

雨音
雨垂れ

ザンとしたら
降っていた

竹の鈴鳴りに
辺りは静けさが
舞い上って
流れ出す

内包する
微細な溶液が
呼応するように
震える


水音
 ....
ふと
アパートの鍵をなくして
アパートの前で
うろつく事
約三十分

ポケットの中から
靴の底まで
脱いでみて
どうでも良くなること
それから
二十分後

どこかにでも
落 ....
外は柔らかくなっていくと言うのに
僕は動けずに固まっていく

東風に梅が飛ぶ気がして
顔を上げるが
青さに顰める

霞むような惑いの底で
乾く様に張り付いて
青くなり行く季節に
 ....
ボルトなのか
ワイヤーか

回転系が消耗されて行く

大手特有の対応では
何の説明にもならない

機能的な問題ならば
修理期間は短い方が
良いと言える

特に何もしてなくても
 ....
時間が確定せずに
波間に見えるブイに留まる
鴎が狙う太刀魚のような
判然としない拘りに
のた打っている

衛星軌道上を廻る零余子のような
頭痛に悩まされた寝起きに
ライターが狢のようで ....
ねなぎ(187)
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