百日紅
               こうず まさみ

激しい色ではない
長梅雨の間に 
そうっと 音もなく 開いた花
枝先のピンク色が
爽やかな 風になびいている
バックコーラ ....
ケリの親子        こうずまさみ
肥前の旅人

今年も休耕田で
ケリのひなが孵った
散歩帰りに犬が立ち入ると
キッキッけたたましい声で脅しかける

その様子をすぐそばの二階から ....
   梅雨のなかの秘め事
                こうず まさみ
いくつもの水玉を落とせば 気が済むの
子どもの頃のように
流れる雨水と一緒に 追いかけっこ したいなあ
もう一度 そ ....
       酔っ払い行進曲                  
                       こうず まさみ

 そうだ
 酔うために 酒は あり
 恋するために 君は ....
  探し物 
                 こうず まさみ

1冊の名簿が どうしても見当たらない
その名簿をもとに
宛名書きしようとした矢先のことだ
空いた時間に片付けようと
気負 ....
                     こうず まさみ
青い竹林が 景色を切る
その間を 小径が すっと伸び
旅人をいざなう

すこし 歩くと
ひょっこり名も知らぬ小さなお店や 喫茶 ....
               こうず まさみ  

一月に入って
やっと 柳の葉が 散りました

出かける前 ふと 庭に視線をむけると
たおやかな 枝に
水晶が 一列に 並んでいました
 ....
午 睡
         こうず まさみ


魚市場のある海岸で
初老の夫婦が 釣りをしている
2、3本ずつ釣り糸を垂らし、
のんびり水面をながめながら

平日の午後だから
この夫 ....
 蛍の乱舞も終わり
 蛙の鳴き声が
 闇に響く 里山
 闇の向こうは
 華やかな都会の光が
 人々を惑わす

 未来が視えにくい 今
 なにかにすがりたくても
 それさえ 見出せず
 ....
                 こうず  まさみ

里山を歩いていると
南の方から 登ってくる父子がいる
走っているのは 中学生だろうか
自転車に乗っているのは
父親である
自転車を漕 ....
平和というものは
               こうず まさみ

たとえば
目覚めに飲む熱いコーヒーの
 香りであったり
玄関から見上げるときの
 空の青さであったり
会いたい人が待っ ....
                  こうず まさみ
 
  秋の彼岸が近づくと
  待ち構えたように
  叢から一斉に噴き出す
  真紅の炎
  激しかった季節を
  名残り惜しむように ....
                   こうず  まさみ
 梅雨が明けると
 辺りは緑一色
 眼に優しいその色は
 穢れを知らない少年のように
 きらきら 輝いていた

 ぼくは
 緑の ....
  農夫は詩人である
              こうず まさみ

農夫は田畑で働く詩人である
土の匂いで土の声を聞き
土の匂いで土の願いを受け止め
命あるものを育てる

蜜柑の収穫が ....
肥前の詩人(14)
タイトル カテゴリ Point 日付
百日紅自由詩007/9/1 20:20
ケリの親子自由詩007/8/17 21:40
梅雨の中の秘め事自由詩007/7/26 12:45
酔っ払い行進曲自由詩1*07/7/14 10:31
探し物自由詩007/7/3 21:08
京都断章自由詩007/6/29 11:27
一本の柳自由詩007/6/24 10:45
_自由詩307/6/19 10:53
乾いた季節自由詩406/6/1 21:05
絆を求めて自由詩1*06/5/29 12:02
_自由詩306/1/23 18:17
曼珠沙華[group]自由詩205/9/27 20:15
緑の生き物たち自由詩805/9/17 12:09
農夫は詩人である自由詩7*05/5/16 12:44

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