夏のとおい空に
誰もいない部屋あって

積乱雲の斜面に
眩しい青春が引っかかっている
ぼくは懐かしく見つめたりしてる

2Hの鉛筆で描いた
チーターが
風の中を奔っていくとき
遡れ ....
何気なく
そこにあるけど
実はあなたはとおいところからやってきたんだ
はるかい国の
森のおくから
たぶんそこには鹿や狐や
鳥や虫なんかがいっぱい暮らしていて
川の魚もまぶしいくらいに泳い ....
(いいちこを呑む夏の夕暮れ
人生はとてもぼんやり過ぎて
私は詩を書いていたりする)

あれは遠いせいしゅん
わたしはわたしに呼びかけたりした
美しかったりした

あれは遠いせいしゅん
 ....
そらのなかで 出逢ったり離れたり
丸めたり 広げたり
うたったり 黙ったり している
わたしらは不思議とそれを受け入れて
生きていたりする
生きていたり 死んでみたり とても
鮮やかに わ ....
五月になれば 静かなものたちが風に揺れる
栞の挟んだ読みかけの本を開いてみる
わたしの記憶はそこでたちどまっている
色褪せた光の染みを読むように頁を捲る

その先を読むことも また
許され ....
花が咲き出しますと
わたしの中で
やさしいものたちが
皮膚を透して 蒸発していきます

それはわたしの 遠い方向の片側で
不細工であるけれど
組み立てられていくのです
そこにだけ 微か ....
空のなかにひとりいる
ひとりいて 少し笑っている
笑っているがひとりきり
空のなかで 笑っている

空のなかにひとりいる
ひとりのために 少し笑っている
涙がでるほど笑っているが
それ ....
春になれば
全てがやさしく物音をたてる
物音は
ところどころにできた透き間を埋める

わたしは幾度となく
春の傾斜に耳を傾けてきた
わたしの骨は
せせらぎで作られている

ころがり ....
じゃあ ばいばい
そういって地球は
僕と海を
残して
太陽系を去っていきました

ざざあ
ざざあ

波打ち際で
地球が小さくなっていくのを見上げている


…しょうがない
 ....
きれいな土の中から水が溢れてくるように
わたしの魂からやさしいものが生まれる

銀紙のような太陽の果汁のしたたり落ちる6月
女達の詩集には
女の足しか描かれていない

わたしはそれを盗み ....
メアリーはエリザベスに最後の希望をかけて、なんとかイングランドに辿り着くが、そもそも宗派の違うメアリーを、歓迎するわけもなく(メアリーはカトリック教徒。エリザベスはプロテスタント。)また、メアリーがイ .... それでも彼女はダーンリを愛し、彼の子を宿るが、その妊娠を知ったダーンリは何と彼女が流産するように陰湿な計画をたてる。ダーンリにとって、メアリーが産む子供は、やがて王になる権利を持つ人間になるからである .... 先日、ある番組で、最も男運のなかった悲劇の女王、メアリー=スチュアートについて放送されていた。これがなかなか面白かった。
英国史上、最高の美貌を持つ女王として騒がれたメアリーの人生は、愛した男達の運 ....
夕くれに
石版あって

陽炎はところどころで
愛の形を歪めたりする
(それは少しだけ
こころを削る)

(そうして悲しいものだけ
残っていく)
夕くれの
くっきりとした処に落ちて ....
空を飛ぶ うさぎが
いてもいい

綿雲と綿雲の間を
ぴょんぴょん飛んでいく

ついでにうさぎのしっぽから
青空のこどもがこぼれたら尚いい

うさぎの耳は何万光年先の
川のせせらぎを ....
わたしは猫であったかもしれない
黎明の月にひと声ニャーンと啼いて
死んでしまった猫であったかもしれない

わたしは何万年も前の骨であったかもしれない
アラスカの雪の底に眠る
まだ発見されて ....
オルドビス紀の末期(今から4億年ほど前)、大群の隕石がこの地球に落下してきた。
その隕石の大流星群の発生は、アンドロメダ星雲のひとつの恒星の爆発で、遙か何百万光年の彼方からやって来たことにしよう。
 ....
線という表現を
鮮やかに創れば
春がぽたぽたと空の線から落ちて来られる

わたしはただの詩人であるから
世の中に支障のないように
春をしずくにしても
春に色をつけても
或いはジーパンの ....
奈良盆地には明日香という村があって、春ともなれば菜の花が村のいたるところで一斉に咲き出す。
それはまるで布袋をひっくり返してあふれでた砂金のように、村を黄色く飾り立てる。
その鮮やかな金邑の中の、 ....
朝がじっとしていると
お昼が朝を食べてしまい
その食い滓がたくさんの花になる
たくさんの花に虫が寄ってきて
管をのばして蜜を吸っていると
いつの間にか虫はそれぞれ夕くれで
管のさきから
 ....
― ふゆのひが蒸発していきます
空のあちこちでは春の光が芽吹いています
そうしてメールの中に春一番が吹いてます
あなたの文字もすこしだけあたたかくなりました ―

わたしはこの物語を折りたた ....
ある日どういうわけか引力が真横になって
ぼくは壁に頬を擦りながら世の中の右側で暮らしはじめた

世の中の右側はページを捲る神経が発達していたので
それに重力がかかるのは不便であったけれどわくわ ....
ムーミン谷の舞台になっているのは、森と湖の国フィンランドである。首都はヘルシンキ。国土の7割が森で占められ、約18万個の湖がある。国土面積は日本の北海道と本州、四国を合わせたくらいで、遙か北に位置する .... 「トロール」とは北欧の童話に登場する精霊のことらしい。フィンランドでも伝説的な存在で、人間を驚かせたりだましたりする、ちょっとやっかいなやつ的感じの妖精で、ムーミンもこの精霊の一種ということだ。ただ、 .... 最近ムーミンを見ることが朝の楽しみになっている。ムーミンのテレビ放送は1969年度版と1990年度版があり、今見ているムーミンは1990年リメイク版の再放送である。お馴染みのゆかいな仲間達がムーミン谷 .... 空には50億年の嘘があって
それを雲が運んでゆくのです

遠い物語が砂漠を歩くとき
羽のあるものだけがそれを読むことができるのだ

私は知って
そして知らない

私は嘘を繰り返す
 ....
ぼくは声をあげたりする

うわあ

この星では
六十億の孤独がみんなと暮らしている

地球よ
ぼくの古里はここでいいのか

地球よ
この銀河で 水と空気と緑の孤独が
ぼくたちを ....
あなたは届いたり
届かなかったり
する

ふゆのなかでは
わたしはあなたにもぐり込んだり
息をとめたり とめなかったり
する

わたしは海のように
いくつもの約束を
忘れたり
 ....
勝手神社から天王橋を歩き、そこからかみせんぼんの山道を上る。
しかし、これが大変の何ものでもないほどきつかった。満開の水分(みまくり)神社まで行こうということになって、山を上って来たのだが、いつにな ....
ロープウエイからしもせんぼんの桜が見えた。散ってしまった桜の木がほとんどであったが、中に満開の桜の木もあって、同乗しているおばちゃんの数人が歓声をあげた。声のトーンからして関東から来たおばちゃんだろう ....
tonpekep(131)
タイトル カテゴリ Point 日付
夏の部屋自由詩7*05/5/8 0:26
ティッシュペーパー自由詩6*05/5/6 19:42
遠いせいしゅん自由詩6*05/5/3 21:35
電波自由詩5*05/5/3 11:43
メイ/ソネット自由詩7*05/4/29 23:13
春/思う/こと自由詩8*05/4/21 19:40
笑っている自由詩4*05/3/29 21:35
屈葬のソネット自由詩8*05/3/28 20:31
間に合わせ自由詩4*05/3/27 19:42
重力自由詩3*05/3/27 12:57
メアリーは病気(その三)散文(批評 ...2*05/3/27 11:36
メアリーは病気(その二)散文(批評 ...1*05/3/27 11:11
メアリーは病気(その一)散文(批評 ...1*05/3/27 10:42
石版自由詩3*05/3/22 23:22
かぐや姫自由詩2+*05/3/20 20:36
自己診断[group]自由詩4*05/3/18 20:44
昆虫散文(批評 ...1*05/3/18 20:22
出会い自由詩2*05/3/16 21:23
蘇我氏散文(批評 ...0*05/3/15 23:57
メルヘン食物連鎖自由詩3*05/3/15 15:45
折りたたんだ後に自由詩3*05/3/15 10:06
プレゼンテーション自由詩3*05/3/15 9:50
ムーミンについて(その三)散文(批評 ...4*05/3/8 10:33
ムーミンについて(その二)散文(批評 ...4*05/3/8 9:54
ムーミンについて(その一)散文(批評 ...3*05/3/8 9:21
自由詩3*05/3/8 8:30
古里自由詩2*05/3/8 8:18
ふゆのこと自由詩10*05/3/8 8:10
吉野(その三)散文(批評 ...105/3/4 15:24
吉野(その二)散文(批評 ...105/3/4 14:56

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