節分の豆まき用の
落花生
結局
「鬼は外 福は内」は
やらずに寝た
今夜
ウィスキーのアテに
落花生
パキッと割ると
左右に分かれて
一個ずつ
なんだか
悪 ....
ランチタイムを
だいぶ過ぎたお店
無性に
食べたくなった パスタ
語り合う
二人の女性のほか
誰もいない
海老と
ブロッコリー入りの
トマトクリームパスタ
だ ....
布団ごしに
差し出された 夫の手
腕ずもうするみたいに
握ってみたら
涙が 溢れてきた
体の中で
飽和していたものが
やっと
機を捉えて
流れだした
そんな ....
やや横向きの
その顔と 相対した時
いつだったか
どこかで見た気がした
気づいたのは
ついさっき
このまえ夢に見た
亡き祖父の顔
私に
助けて ....
地下駐車場を上がると
青空の下
広大な うずまく雲
──紛れもなく 雪雲だ
冷えた頭と
落ち着かない心臓
ただ
そう認識したと
ひとりごちる
突然の別れと
止ま ....
妹と
柩に入れる花束を
買いに行く
花束ができるあいだ
ふと
呼ばれた
すぐ横にあった
スイトピーたち
ピンクに
シアンの縁取り
鮮やかな染めブルー
淡い色たち
....
首がやたら凝って
ぐるりと回す
絶好調の日など
そういえば
そんなにない
夜中は必ず目覚める
本は読みづらい
夏に痛めた腰は不完全
不調が普通
なにかしら
携えながら ....
夫は
思っているより
優しい人かもしれない
今朝
お椀をひっくり返し
自分のお味噌汁が
ぜんぶ無くなった
しかたない、と
食パンを齧る
不意に夫が
「ほい」
自分 ....
ベートーベン
交響曲第七番第二楽章
聴きながら
浮かび上がるもの
祖父の若かりし頃の姿
昔 見た
たくさんの写真
目を瞑れば
南の白き砂浜
機銃掃射の雨
隣の ....
静かな達成感を味わう朝
日頃
後ろ髪を引かれることに
着目できる朝
棚やマットの下も
掃除機をかける
玄関を拭いて
盛り塩も新しくする
日頃
どかさないところも
丁 ....
最近、酔いやすい
〝日本酒の会〟元会員
酒豪の私は今いずこ
日本酒二合か
ワイン半瓶か
ウィスキーロック三杯か
そのくらいで
昨夜、中国ドラマにも酔う
恨みを手放し ....
見上げた青い空
雲一つない
白い飛行機が飛んでいく
思い入れなく見つめる
清々しい光景
あの日──
バイクから見上げた空
遠ざかる飛行機
手の届かな ....
部屋を開けると
煮しめの匂い
ああ、そうだ
私が作ったんだ
この齢にして
初めて作る御節料理
母を真似て
視線が交わせづらくても
何をしていたかは
....
今日もあの子に会いに行く
年末のお休み中も
欠かしません
仕事帰り
遠回りして
ガス会社の横道へ
雨の日も
強い風の日も
あの子は耐えて
フェンスに
ひしと
....
母のこころは
壊れかけているのか
まさかの年末に
家族で恐々と
父と妹と私
そして
九ヶ月の赤ちゃん
つたない動きに
つかの間
霧散する
母のこころと
不穏の空気
....
冷気で顔が痛い
町中のベランダにも
深い冬が来ている
ベランダから見える星
近視の私でも見える星
見惚れて
寒いのに部屋に戻れない
あの人も見ているといいな
勝手な ....
体を洗うのに
ずっと使っている
赤箱の石鹸
気づけばストック切れ
急遽ドラッグストアへ
棚には青箱ばかりで
赤はない
二軒目で
ようやく見つかる
当たり前にあると思う ....
先日、都会の真ん中で、空から落ちた星をいただきました。
今年最後のライブに行くため、妹と大阪へ出かけました。
休日が重なり、朝から出かけて、夜のライブまで、大阪をぶらぶらすることにしました。
....
朝に聞いた曲
心の目が柔らかく開く
見落としていたもの
忘れていたこと
目玉焼きのカタチに
母が
洗濯したハンカチの色に
父が
リキッドの眉墨には
妹
私の ....
師走の候
医院の待合室
暖房を入れ始めてから日が経つ
ブラインドの向こう
夏からの工事は、まだ終わらない
受診後の患者様たち
次の予約は年明けが多い
帰り際に掛けられる言 ....
買ってから
どれくらい経つだろう
黒色の電気ケトル
購入時は白が欲しかった
でも、在庫がなくて
この、いかつい黒を選んだ
最近は、沈黙することが多い
スイッチを押しても応えない
....
娘と話した夜
相談にのっているうち
白熱し過ぎた
彼女の心を
置き去りにしたことを
謝罪する
彼女は私ではない
私の轍を踏むと
見当違いも甚だしい
それがきっかけ──
....
散歩の帰り道
ガス会社のフェンスに
ひとさし指先ほどの
緑のサナギ
アゲハの類か
細い指先で畳まれた
葉っぱのようで、
その美しさを観察する
雨風を凌げるものなど
周りに ....
赤信号
ここの信号は
変わるまで長い
運転席から見やる舗道は
眩しいくらい明るい
紅葉した連なる木々が
夕日に照らされて輝く
ひらひら
赤、黄、茶の葉が
人々の上を舞う ....
私が髪を切るとき
羊羹を包丁で
切るみたいであってほしい
髪型を変えても
大抵、夫は気づかない
それでいい
なぜか
それがいい
髪を切るのは
飽き性の私の
ささやか ....
すこし悲しみのある朝
昨夜に知ったこと
少し期待していたこと
そんな想いはもう無いと思っていたけれど
朝目覚めて
胸にじわじわと広がる
少し滞る朝ごはんの支度
....
彼女の好奇心と
私の虚しさを埋める
壮大な作り話
姫君の瞬き
傅く水晶の城
裏切りと慟哭
見知らぬ仲間は
命分けあう行く末
白いシーツの部屋は
異国の砂漠に変わり
闘い倒れ ....
「こたつは麻薬や」
あなたは そう呟いて
こたつから抜け出した
まるで逃げだすように
不覚にも長い昼寝に陥り
試験勉強を邪魔された──
あなたの言い様
こたつに悪気はないのに ....
冬は
つま先からやってくる
朝の換気のあと
畳を踏みしめると
つま先に
じわっと
寒さが滲む
つっかけを履いて
ゴミ出しに出れば
つま先に
冬を感じる
お布 ....
昨年の冬
ついにグランドフィナーレを迎えた
一年半訪れず
そして再びの来訪に驚き
慌てふためき病院にまで行く
「そういうこともありますよ」
お医者様の言葉に安堵した
確 ....
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