今や今、夜目の夢であり、心淵に沈む浅き眠りを、一瞬で見に容れた、おもしろくでもない瞬間があり。
 優しいだけの時に癒され私は怠惰に落ちていくのだ。
 眠りに落ちるかどうかのズレを何度も弄び死んで ....
 そつと触ったものは身を凍らせ すんと小さくなる いたみだけがソコにのこります。これが感情というやつなのでしょう。
 冷たくも燦然と仄めく、棘の酔うな粘りを、羽根と零した唯の魂が取り憑いてしまっただ ....
 大振りで且つ皮の無い影に秘された鶯色の、葡萄の礫のような表皮が、あたりに広がっていく様を、あなたがひとつひとつちぎっていくものです。痛みを無くした義賊の有袋類の殺り方、確もゆめもうつつに。柔肌に恩恵 ....  爆心地までの距離は手を離せば届きそうな天と点に近い間となっている。高い山肌の頂に燃える炎が燻り焦がしていく、その新しき陽の、陰に隠れた真新しい心臓を抜かれた夥しい遺体を見た。
 渋滞するバイパスへ ....
泣き濡れたアスファルトが
ただ、わらっている

虹は見えているか。

帰宅を迫る童謡が、耳障りに懐いた
声変わりを犯した 仔猫にすくわれ
かえるところを持たない林床が
いくとしつきも続 ....
天を貫く古山の欲深き、
肢の尽いた朧げな光の燻ること、そぞろ
御堂の段を少しずつ崩す道程は、
陰が拒んでは床が亡く、黒煙

これが鬼であるなら、
救いを求めて喰らうであろうが、
無念にも ....
回廊の藍い絵 それは万華鏡の空であった 鼓動の海出逢った

深き谷間の野茨で道に惑い 甘糸そよ風の唄を縫い点けては
透過すると魅せる 刃こぼれは細胞分裂の衣擦れを連想させる
息つくも行き着け ....
継ぎ接ぎ かぎ針 母の姿 あれは、
 吐き出した溜息を逃がさぬうちのに、叩き潰して文様と致す。
 描かれた賽の目が私をもあなたをも転がしていきます
うつつに沿って斜め、眺め、
 手の中にしまわ ....
皺腹の慈母。青嵐の借款、停滞した賢人の叡智
犇めき合う脳髄に垂れ下がる、降水確率の余波
何もかも嘘ばかりのあなたの笑顔に恋したう

明日、フラれる絆で染みた水玉模様の
手拭いを深深と縦に引き ....
何のしたたりか盥タライにも漏らさないほどの焦燥ばかり
乾いたうねりを空回りさせるもの。そのくらい遠いだけの道のりが、
私に釘を打ち、大嵐とも想われる風雪の渦すらやっかみをなすりつける
無用の遺品 ....
 ただ、離れ離れになったともしらず、花の褥で鳴いている雛鳥の旅立ちは、そっと心をくすぐるものです。
 あらかた歌い尽くした祀りの跡で、ぐらり 骸に還る、騙し舟の残夢 とでも申しましょうか。浮いたまま ....
残夜、赤い雨が降る。想像と過程して、しまいそれすらも
月夜の兎はたぶらかすもの「やさしくしめころして、」
誰かの笑顔も弾丸となる知の裏側にて、粛々と取引を行います

心も踊る薫風の周りに寄り添 ....
 想像上の彼女たちは僕の陳腐な脳味噌状で雑に踊らされる非常に可哀そうなモノになり切れないのは残念ながら漏れ出しているから、ほらほら寄って集ってくる者たちは現実だろうか偽物だろうかもう区別すらつかないち ....  全部作られた嘘とも前日に描かれた言の葉とも言われる、亘り鳥になれるのか、絵空事すら入りきれない、禽は翅を身に纏う様だった。
 
 胸が痛いよ。且つと口許から乱れる赤が心に灯すもの、そう言って君は ....
 誰かが亡くなったのだろうか、教会の鐘が鳴り響いていた。
 その何かを喰らう黒い鴉があなたの肩に止まった時に、ガタガタガタガタと鳴る黒い穀潰しの木々にぶら下がる嘗ての遺体が、果たして誰のものだったか ....
視線はとうに落ちかかる薄明の世、
方角を奪われた腕は 針を持つのを弛める
無論堕ち刺さるのは己の胸へ 濃淡の淵を
縫うように咽ぶ喘鳴が助長していたどころか、
赤銅に威ぶる陽の眼底から
あやふ ....
水色の空は灰に滲む。
白々しいほど、つんとした曇り空

ああ、なきたくもなる ざんねんな そらもよう。

鼻の奥がつんとするって さぁ かっこわるい ねぇ
雨粒も落ちるような、水面状の薄情 ....
しかし最後に眺め観る青い海は明瞭であった
水平線の奥に点となる。岩場が光でチラついて
浮標であろうがやたら気にかかる揺蕩いなのだ。

不意にぐっとへこんだうねりから風の音が停るのは
首に鎖を ....
途に茂る雑草は鋭く傷を着せる
潰れた眼では路面列車の先は見えない、
天は幾度も巡っているらしい、風の噂だ
乗り込んだものの行方は知らぬ
路傍の意識は遠のくことを知らない
白銀の舞が覆い隠す空 ....
 歪んだ廃屋に住まう老婆は元は花売りをしていたという。
 
 摘み取られた花々の売れ残りを悼み此処に種を自生させる。首を刈り取られた花々は枯れてなお見せしめに壁に揺られている。そんな場所であったと ....
嫌に平べったい闇を
この手で潰したかのような
柘榴を懐いた身がある

明く湿らせ ざまざま
色褪せる朱のひとつの魂が、
天へと昇る翼を
あたかも溶かしていく

もうおしまいかもしれ ....
干上がった海に熟れた西瓜が割れ落ちるよな
愛や恋を編み込んでいく箱に然られた綺麗事
傲慢な遺体たちに接ぐ 太陽とハロゲン帽
空いたハマグリのブローチに被されば曇天
気持ち取り残した朝日の影を踏 ....
ながい くらやみを のぞいて いく
とても穢れている。賽の河原か
しかし、ならされた靴跡は、軽快だろう
ここまで来た道はもう消えることは無い
往来する人影に寄り添うが かたどるものも、いない
 ....
「妄想の限りむさむだと してしまうのも余興にはいいが」

 もうこの手の膨らみは囁かに殺そうかと思うのです 。現実は朝を迎え入れるだろうから。さあ目覚めなさい、妄想の檻の中で何時までも漂い続けるこ ....
金脈の砂上に砕氷する名前を乗せ、
軽くさざら、跡形もなく影を追う

遠い昔に爛れた星が簡単に吹き消されてしまう。
今、風の強さよ、焼け落ちた白樺の腕を這い
身を冷やかす、心地よく行く回転木馬 ....
空蝉が泣くような強い雨に導かれて
照り返される、夏の名残に、
逃げ出した若者たちを追いかける
蒸し返すような青い海が私の故郷とあるだろう。

もう誰の肩書きも忘れた 太古の地に芽を生やし
 ....
夜目を利かす空缶の欠伸は止まりそうもない。
おまけについてきた可愛らしいカーボン紙
適度に爪で惹くとたのおしくもある。
何気無しのへのへのもへじ
舌を伸ばしている、漆黒の猫、みたいな。
のび ....
コンビニのスキマに花屋がある。
だれも気づかないが傷ついた者が営む
代々伝わる一輪の薔薇の行く先へ。

穴だらけのスポンジと刺さり、生贄と栄える、
クサリカケタ海馬に喰まれている、水死体。あ ....
氷上に吐露した朽葉 時に流れる
季節はスライドを重ねる微粒子たち
誰のものにも二度と靡かない睫の艶
声帯を潰した天邪鬼の嫉妬も息が上がる
駆け足で滑り台を駆け どこへ行くか朔風

めくるめ ....
泪の鏡面には今だけが映り込むから
信じれば底は我が花園で、襤褸の帳を弾き契る旅愁でも
浮いては沈む海月たちに次ぐ、是非に明かりを下さい。

もう遅いでしょうか 君は君だけではない
すでにみえ ....
あらい(425)
タイトル カテゴリ Point 日付
夢日記。自由詩120/7/23 17:22
内界の廟自由詩120/7/21 22:03
自由詩220/7/20 21:56
みのかわはいで自由詩120/7/19 21:50
こだま自由詩120/7/18 21:49
蛟 (みつち)自由詩320/7/17 21:21
あおいえ自由詩120/7/9 20:09
bet゛自由詩020/7/4 18:13
感受性倦怠期の客船自由詩020/7/1 23:32
鉛丹自由詩020/6/30 22:56
虚脱自由詩020/6/29 18:04
病床信仰製蓄音機自由詩020/6/28 11:36
砂上の罪跡自由詩020/6/27 10:37
針穴自由詩020/6/23 18:12
自由詩020/6/21 23:30
雨漏り自由詩120/6/14 15:11
如く自由詩020/6/12 23:24
紙一重の余蘊自由詩020/6/10 0:32
自由詩120/6/6 23:03
虫篭窓の瞼自由詩120/6/5 22:56
酩酊自由詩120/6/4 21:13
透明標本自由詩220/6/2 23:49
とっぷり自由詩120/6/1 23:14
幻日逃避光自由詩020/5/31 0:14
ぬかるみ自由詩120/5/29 22:04
遣らずの雨自由詩120/5/28 21:48
手探り自由詩120/5/27 21:40
錆た門扉を叩く自由詩020/5/26 20:44
哭き風自由詩020/5/10 15:03
騙し船を障る自由詩120/5/5 19:42

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