{ルビ逃音=とうおん}のふるえ
やけにあまいにおいがして
かぞえそこねたふうとうを
ひっかけたほうから
あの子たちがとおったらしく
ひとりきりのうつねばかり
あの角でむせる ふわ ....
geŋ-go-jo-ɾʲi-ne-ba-tsɯ-ku-t͡ɕi-n-mo-ku-to-ʃi-te
「春が、さわれなかった」
接触不良の口腔と言語の死角が絡む濃密部位なので、
逆にそれを「触れ ....
これは海の味がするな
どっかしった気がある星座
それともきのう
耳がひとつ、余る。
あまるみひとつ
つきをみにわたる墨で
かすむ おろか あかり
隙から。陽だまりエコー。
ぼたぼた ....
ひたひた
ふかくいきを吸うたび
靴裏にこびりつく、ゆく手
わたしはかすかに確かめている
また 焦げた匂いがした)
それで
カフェで次の予定をひらきゆく
前小節にひっかけたまま
ゆびさき ....
鳥獣を呼び寄せて祀るのか、転んだロがひらく
手をたたいてリズムに合わせ しぶきが食べたがる
吹きこんだ雨に、うっかり落としたみたいで微睡む
付着していたものも中間で、ライカにたのみ
名は刃 ....
真っ昼間の電車内は風の吹く砂浜にみる
軋む椅子が形が劣るだけで、重みすら恋をする
そとを眺めるのも、瞼をとじるのも
おだやかだと云う果実はつりあって
目にしたものを翳す
両唇はかすかに黄 ....
迷路のようになにもない空間に、昼と夜が貼り付くように混ざり合い、幾何学模様のように延びたり、収縮したりする
過去と未来を結ぶ未知の橋のように見える。かわいた台所に生乾きの蝶が脱ぎ捨てられたまま震 ....
早春が癇癪も躍ったものの
ぽつんと見えている天窓などあれば私は、
気持ちの頬骨が保持できるぐらいの欲しがる
芯に往復する棹だ。雨曝しに ....
どん底の骨と川に浸かっている
沈香砂丘に書き記した記憶がある
腐敗したつぼみが脳裏に痺れを齎すけれど
死ぬ前に丸暗記した。発達したからだつきで
行き詰まったままより展望が開けている
外見 ....
熱い亀裂がずらりとくすねると飽き飽きしたクセが出る。しかし、たためなくていいからおれないようにしてくれ。
風合いの葡萄酒でも鬱積があっと声を上げ。向かい風でも無責任な可能性を地図記号にみたけれど ....
ベランダに 平面を、前に出し
ふるいコトダマが 流しこんだ、密度や態度
永世から伏せ字にして遊ばれている
眼鏡をかけたクジラでも探すね
シュウの表面に画く、毒にしめた卵が
・牛乳・砂糖 ....
まいります、まいりますから。
風はまた途切れてしまうよう。
何処から続いていて結えばいいか、たまには
臆病な水差しを戻して出来損ないの赤面して。
「歌おうか」瞼の裏側だけ逆らえず
鶸色の ....
このなだらかなスロープをのぼる体はだいぶ軋んでいた。皆が支える滑車は見事に装飾され様々な色合いを纏い蔦をおおく絡めている。そこのミチを抜けると断層にあたるから、低く照らし尽くした桟道はなんぼも ....
なんせすべてが朽ちてしまうのに、(――手をあげて。)柔らかいまばたきが 非情な拍手を熾していた。とぷんとくれた凪に、過ぎた谷間の火蓋も日当たりは欲、痩せた風もなく、あらゆる臭い そして、揃えた色もなく ....
いったいどれほどの月陽が流されたことでしょうか
砂を蹴る彼がまた花房を垂らす眠りについてから
異臭ともとれる斜交いは闇夜を抜け出し光が斜めに走っていく
のぞみは少しばかりの顔を覗かせてい ....
一つの丘に対し駆け上がる、息を整えては姿を思います。野草の強さを願うとき 目を凝らせば姿も浮かぶような、ぽつと明かり ともり ぼぉと照らしだす未知に沿って、拍動は抑えきれず漏れた声色はどこへ届くとい ....
星の砂の上を歩いて亘る、洋館までの距離は計り知れないほど、遠く。線路上をとぼとぼと征く、男の姿は朧げであったが、なにがご機嫌なのか調子外れた鼻歌なんかがよく似合っていた。
その片手には黒く小さな ....
夢から夢に架けて羽ばたくときに、ちょっとの壁と扉をなくした出口は褪黄色の海が、いや世界が、フチだけ 描いてある光景で、今いるものがみちで届かない場所とすれば、水域はすこし背丈が高く、ここから下ってく ....
そしてとある広場にて/パノラマの群衆が/音のないパズルに到る/へだたりのない手が/みずたまりのホタルより/絵本のページとおく/ふところのうえで/ケムリを吐いています//ひずんだ心臓を濾過する/金糸雀と ....
思えば 私。逃げ出したい と そうだ。膨れた肚は答えないで。それには また、うわ言の場所は土を掬う度に、まるでグラスの何方かは 無力さを象徴するように混ぜて置いた。
計画。――なんていうだろ
....
葬列 ものくろのいしを蹴る
切実な詩情など、草々
皮革の風船が、このようなとき、ひろった
カベに貼り付いている過去に魔法がある
レプリカのあかり ナルシスの鏡
鳴り止まないベ ....
いまもなお、見える客と
経った店員の間に白いフィルムを刻む
縫い合わせた果実は 無言の
「ママ。覗き込んでいる」
自称老執事の眼球であるなら
生産は会話で 順番待ちは 対象物から、 ....
{ルビ娘=コ}の、らびりんす。ミニチュアのバターが入れた、ミルク缶を潜めて、コーンフレークを巣食う、避難用リュックがバカにして、このこのこの!
わらうわらう。ぜんぶ過去だ。おぞましさの疼痛を、せ ....
そこで売られているのは、
『あわいデブリ』
現実とは逃げられないものたちで。
・風船が逆行するように うんこはかわいい?
・温もりを届ける土壌のPHまでケチつけそうだね
・鋭い稜線に祖 ....
ありのままに定めよ天馬は(苦い、)余裕ぶって
山百合の旋律をそのままに見つめても気だるげで
この影は、
どの光も。書いた言葉が外縁を彷徨いながら
頬は触れた感覚 ....
たとえば
/むきだしの内臓
/メモワールの墓標
それなりの垂移にSpinを捧げる
この『たまらなく はがゆいうた』
あなた自身を映し出すわたしの瞳が存在を憶えているから ....
いいか、この街は空の鮮やかなことを知っていたら。いま、支離滅裂に開いた口を塞ぐ。その仕草も全部あまい。それではまいにち同じことを繰り返して。いつかはハツカネズミの供色で。たぶん海のひかりは愛情だった ....
翼も時代へ、揺れ、また踏み鳴らした
かみさまの悪路では、残響が生まれ
誰もが去っていった いつか手足となって
「破裂する。破裂する。」
背中に、つばさ
:はなれられる触媒が ....
窓の外は総てたわいない挿話である。熾火が時を経て蛍を遺し鮮明に刻印する思考濃度を確かめる。足を止めたときに憑かれる、いつか。術はまるでひどくおかしいのか、空穂舟はびしょうへと降下するんだって。あから ....
(最初から/どうでもいい(
、ああ明日も連日の真夏日に)
、「今日は夏至も重なりますよ」ね。)
――サイレンはやみがたい流行歌で。
エトスの器とか、チャンスは無慈悲な手のひら
....
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