硝子に可視化された雫が遊泳した

しかし、
ときは後ずさり
物忘れに暖流を適し目撃する
ただれた味を占める、
もはや、薄暑

飲みつぶれるほどかき混ぜる。巌窟を潜る蛟
やはりいい加減 ....
五体満足すら呂律が簡単に
まわさないいまの蠱毒も
飲料水よりたやすい常にチューハイ
ストレスの虫食いは小便洩らし
麻痺した愛は間一髪。
希にAIを重ねては空気人形の底を剃る
おひとり様ご案 ....
点いたり消えたり、漏れや落ちがある、ひのあかりで。はなが曲る

悪趣味な画伯の私室で待ち望んだ。煉瓦色の長靴に(かざる)
ごわついた作り笑いに、耳元で囁く。ほころびて(わらう)

棄てられた ....
私は知っているのです
神はただ、培われる場所を見誤り、
今ここに現わされ おいでになられただけだと。

この場所はみちにまようて創めて現れる格子の間

若草の溢れる銀の輝きから逃げるように ....
いにしえにしみついたぬくもりは、
邂逅のうちで最も深い思慕で満たす

セピア色の余韻。新月を零として数える濤声
見え透いた脅し水が染み込むように 立ち騒いだ楽音
夕餉の鐘。寸足らずのかいまき ....
あの華や。と指を往く仕種が
ずっとずぅっと。緒を弾いて
十六夜の鉢 と言うのよ
小さくてつまめない程の 硝子の欠片
ありもしないものを抱き抱え
貴方と呼んで
今から明日に迎える
毒があ ....
その濡れ羽鴉が影一枚 羽織った面妖のピエロを炙り出す
柊の夜。大口を開けグロテスクな無垢な施しを与えん

おおぶりな川のせせらぎは寂しげに演舞を受諾する
手あぶりに凍りつく患部に聞き伝えの罪を ....
いつも行くはずの近道は薄明を終えて神社の鳥居の脇を吹き抜ける
平坦な午後に並ぶ学生たちが少しのやすみを記憶するとき

みちゆきは確かに真新しいスーツを纏い 大きめの制服を着て 
まばゆいほどキ ....
手垢にまみれた本懐に
難字から顔料を四拍子
ごった返して下準備する
煙雨に打たれている
乗捨てられた群衆は過去の遺物

私は淵に根を下ろした

道徳に夜曲を 遊技にも合わない終点に、
 ....
その日の斜陽を靴跡に踏み躙らせ
よそよそしい未来をこびりつかせ、
ヤマは遺骸を縦ニ 三杯に摩り下ろした。

それで、

一に、赤裸々を口に銜えた(鑪と平和)
なかほどに廻り初めた 紙風 ....
私たちは過去に梅雨晴れの菜の花をふつりと亡くしている
重ねられたむしろ、奥座敷には、立ち返れば
少女 ひとつ、気配すら ままならない

4つかぞえるうちに 喉が鳴る。心臓が弱いらしく、ひとり死 ....
腹いせに、氷のような山を登る昇る。
あと一歩というところで
八つ裂きにしても飽き足らないほどの、
ここは聖なる場所、ここは宇宙の中心
人類が残した足跡と言われる 
立ち腐れたバンガローに
 ....
爪を立ててから、いくばくものこさずに 林を抜ける

台所の靴下にりんごが3こ並べている
生まれる前に焼いて捨てた手紙がある

きみのまえに あるはずだった。mother

赤い尾ひれがや ....
 やけに磨かれたぼつぼつの廊下は濡れ光る。障りをも流出する、と私は 途方に暮れる 渡り鳥も そこで尽きようかと、なら先が見えないのだと 嘲笑う、くたびれた草履がぺたぺたと云う。

 黙殺されたメト ....
件の集合体の記憶が 藻が映えた時間軸に 絡まるは
  水母たちの引き算の都市。天の川を密かに
    その箱に透いたから 残照が酷く歯がゆく囁く

言伝の檸檬紅茶が 暈を増やす痕を滲ませている ....
カーテンの波間には素肌の得意げな君の
 振りまいた泡沫の陽炎が織り込まれている
右頬から愛し合って薬指から零れていく星星が
、輪になって おくるみに沈んでいる

便りない、まっさらな風に乗る ....
向こう岸に移る山崩れを即興する
格子の廊下の底が、またたくあいだに、
亡くなった人々が、浮かんできます

輸卵管から噴き出す、落葉樹の後にも先にも
無抵抗な琴線を生まれながらにして破れ
手 ....
青瓷の封緘、奥に媚薬を少々
   瑠璃三鳥は粧し込む、殊にムクロのたましい
     金輪際 からくり時計の砂粒すら風花に充散る

それにしたって窮屈な匣である 「わたし」 は
どこへむか ....
 拍子抜けするほど弱い、暴れ出す癇声と、煮詰まった鍋底を浚う
 晩餐は肉体を静思し、絞り染めの疲労感がある。炎熱に筆を取る
 ガサツな渋柿をひとつ。盗み読む白湯から運動場までを切り抜ける疾風。
 ....
おろしたての極点と銀の手は仮のものと氾濫する

丘の小股をすくい、
山なりの隆起を飛び越して、
うねりもたおらかな、てっぺんを砂上とする
秘められた悪辣な改竄を行う眺望の地に
合掌する沿岸 ....
厚紙の病院ではやさぐれた傷みが 長椅子に寝そべり仮眠を取る

肋角の一粒を重ね冬季の余韻を造る 乳白色のシャッターが少し

補聴器を合わせたパンプスが ネオンサインにお喋りする瞬きに

行 ....
夢よ幻よ。やるせなくそして ひざまずく。
たとえば湿ったアスファルトと、推し量る
仄かに照り返すみちびき。

一本の露地のその先へ、

うちとどめなければならない 
なにかを 
砂 ....
私だけを見て、わたしだけが知っている、
この夜は永遠に はるかかなた

まるで幻覚を具現化したみたいね

ただ原色が波打つばかりの
クレヨンをまき散ら化したような、
ポップアートな臨場感 ....
紅葉の文様、その磨りガラスを叩くものが、
とんと鋳る
虚しいものだけ集めて終いたい
僕の中には それが軸になって 
ぐるぐると塒をまく
ひかりだのやみだの、
どうせ狂ったように刺し混むだけ ....
角張った部屋に 感覚を求めて
拍を数える。解決方法が見つからない 

コトバに裏はないが

ファスナーに羽音を冷やかし、
どっちつかずの空耳に捕まる。
いい面の皮をなきしきる風が吹く、 ....
真水に白線を正して、記憶が薄まるのを待つ
どうせ影は伸びて滲む
こたえは ひとつでなく
深層に寄せた若気も廃れ
丸裸の木の葉に、踏みしめて道とする。
しかし
ふくれている、あまざらしのさく ....
隣り合う、背にして、ただ微笑む 貴腐の林檎がある

    あなたを犯している。影はもう捕らえられて、
         眩しくて、見上げることも、ない

     わたしは
     と ....
育て上げられたダイヤグラムと、降り注ぐばかりの五線譜が射貫く
ひとつあわせのカルタ、破れにくい腐敗臭に流れ星をあてる、

菫色を広げた 地平線の証。戸口はしまり 小上がりに充満する 
劣情に横 ....
サンルームに垂れ下がる 隻腕で配置される
くびれた炎熱から独房まで
口当たりのいいときは 絡みつくようにして
玄関先に焚べているのを 袖の下から黙秘して
逆風とも追い風とも 根拠もなく、
 ....
歯がゆいだけ うまれたがる。
砂で汚した濡れた未知。
モミジのように、
蜘蛛の巣に通りかかった、
天使はもとから羽根もない。

えんの下、指の股から、花が生まれていく
銭の視覚、とめども ....
あらい(425)
タイトル カテゴリ Point 日付
窓霜自由詩221/12/26 0:52
嫩葉の眩暈自由詩021/12/25 0:49
屍斑と聖盃自由詩021/12/23 23:27
スカベンジャー自由詩021/12/21 20:09
それきり自由詩121/12/19 15:04
結実戒律自由詩321/12/16 8:23
ほころびショール自由詩221/12/14 23:23
雪洞自由詩521/12/13 21:27
一睡一画自由詩121/12/11 17:34
青雲自由詩121/12/10 17:29
彼方肆自由詩221/12/9 0:04
自由詩021/12/7 22:31
群棲自由詩121/12/6 16:34
姿見.自由詩021/12/4 22:53
パンドラの筆跡自由詩121/12/3 22:16
滑翔自由詩121/12/2 22:12
ニンフ自由詩221/12/1 22:00
御玉杓子の憐憫自由詩121/11/30 21:52
金魚草の死に目自由詩121/11/29 21:41
たわわ自由詩121/11/28 21:04
淡水死魚の小骨自由詩121/11/27 20:32
風が我楽多を靡かせる自由詩121/11/26 19:56
事象痕自由詩221/11/25 19:50
あめはまっすぐにうたうのだ自由詩421/11/24 17:30
たゆみなく自由詩221/11/23 9:33
青開透詩自由詩221/11/22 0:29
まんまるかじつ自由詩121/11/20 9:29
月蝕自由詩221/11/19 8:28
懐古、同室の手記自由詩021/11/18 8:14
紅底透睡自由詩121/11/16 22:06

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