いいか、この街は空の鮮やかなことを知っていたら。いま、支離滅裂に開いた口を塞ぐ。その仕草も全部あまい。それではまいにち同じことを繰り返して。いつかはハツカネズミの供色で。たぶん海のひかりは愛情だった ....
翼も時代へ、揺れ、また踏み鳴らした
かみさまの悪路では、残響が生まれ
誰もが去っていった いつか手足となって
「破裂する。破裂する。」
背中に、つばさ
:はなれられる触媒が ....
窓の外は総てたわいない挿話である。熾火が時を経て蛍を遺し鮮明に刻印する思考濃度を確かめる。足を止めたときに憑かれる、いつか。術はまるでひどくおかしいのか、空穂舟はびしょうへと降下するんだって。あから ....
(最初から/どうでもいい(
、ああ明日も連日の真夏日に)
、「今日は夏至も重なりますよ」ね。)
――サイレンはやみがたい流行歌で。
エトスの器とか、チャンスは無慈悲な手のひら
....
滅紫雲の{ルビ揺籃=ようらん}
方法の片を退く背中は痛いのか、痒いのかもわからない。ヒレのとろびが従うばかりに 目頭はあつくあった。またあんまり綺麗で、握りしめて確かに黒。外海を{ルビ触=ふ}れる ....
よろしいか。
嫌なことがあった?
まあなんていうかいつ時代かもわからない
はるさめに やみくもだから こわごわ、
すすめるのだろうけどね。
んでもいまやぐったりげんなりした愛想でしたよ
....
乱れ髪の馬車は能楽の形相を時として無言駅へ向かわせる、面は難くガタイの葉擦れた格子の穴、木枠の落ちた断層は容易に伸縮を繰り返すばかり、あがり框で唸り声と猛火を空に映し出した、
一歩。
このさき ....
気の毒でどうにもあまい。怖い怖いと足を踏み出し、つんのめる。決められた範囲は間怠っこい現状。落とし穴とでも眼を丸くして不用品の気分になる柄ではない。
けれど茫然として眺め居るがいい。あからさまに ....
シャッターの奥では、どんな夢を見ているのか。海も川も薄く、流れもゆるく凪いているように見えるのに。存在を消した爪の先までイバラ、締め上げて這いずり回る時の鎖を断ち切る。右寄りの心臓は判別不能な燈し火に ....
弱々しい夢ならば褪めないで
どこか踏み鳴らしたあとに生まれゆくから
回路図をくすぐる意思は
その星回りの爪痕を遺した光景に準じて
影はあしらわれ、付き従うことで
また覚醒めなさい、その木 ....
手先の器用な人が作る
天の川銀河なんて
ちょうちょになったり
おふねになったりして
天を見上げるだけの僕とは
まるで不釣り合いな
今や昔も、単なる朝
荷馬車に揺れて、 ....
たとえば手摺と鍵、或いは爪を噛む白い手が、古雑誌の栞の意味を摘む、この誰かの肉声は(あわくって。)ならそれで適当な木目地を愛で謎るだけで、高い空を遠い道程を走りまわる短い風だ。
{ルビSon ....
名前を殺した銀の縫い針で純粋で平和な星の生き物の残響などを弾く、その余光。しめやかな案内を聞いて、近くに住んでいて紙ナプキンに重力の連絡先をスケッチしました。ただ、いまにあるのだろうかとふと、異質 ....
どうでもいい休日の朝に 海沿いの道をニケツする。まるで知恵の輪みたいな潮風より 確かな 夢の記憶に穴が空いた。貰い受けた原付きで。代わり映えのない真っ直ぐな道を、どこまでも どこまでもみえなくな ....
できるだけ川の流れも春を迎えた、問題は何も書かれていない湿度の、花の高低差をなくすよう推測する、そのほつれぐあい。硝子球ごしの芝生に着地する夢を生涯見る
白く染め抜いた便箋はおだやかな午後の遺物 ....
溶けていると感じられる温さ、毒を吸わされた展は、
そのものを刈り取る 氷上の青いタブーにある。
赤黒く汚れた鋸も。遠くのむらでは汚れなくキレイで、
きっと老いた姿で談笑している賑わいに過ぎない。 ....
町並みの軸は摩耗する
その浅瀬の透明な温い水は塩辛いものだ
ジグザクのうそを指折り数える
見知らぬ場所であれ不自由な語尾にのせる
小骨のかたちを定めるように游ぐばあい
仕切られた裏を愛し ....
春は庭じゅうに手をかける 暗い色の遅咲木ノ花に
そこにつくには、どこか、腥い憐憫を徹すような
頭が痛い 水臭い話 たぶん腐った果実酒のせいだ
いつか意図と玻璃を踏む
また奥から手前にかけて ....
しかし見開いた目で〝その続き〟を
ごく自然にふと思い付いて適量笑うから
白けた――火・煙・灰の感覚を与える方法は
憶病で蒼い鉄の板の上で。また手のなる方へ
この程度と位置に喘いだ
....
花言葉は骨董品の、
作者不明の〝まだき〟にあるらしく
水平線のたまり場で
流行らないアドリブを繰り返す
やさしさレモンシトロンと
素材の文庫本をひらいた
『またね、けなげな ....
うつろ灰色の翳に高尚なまん月がまろびでる
象牙すすけた草原のときは、まだまだ みちなかば
いっそう留めた錯覚を立ちのぼらせつつ嫌がりました
ふとあなたは、という穏やかさだけで
ただ顔を曇ら ....
一途な飛礫の成分を助け起こせば
奇跡を待つかたちをして あれば
例えばつぶらな、寝返りをうつ
古いビー玉と馴染んでいくのか
楽譜は反転した点描で出来るなら
よりそうように、あらためて ....
どこか かげかたちは
ケダモノのハアトだけを食べ残し
{ルビThe Pools=ラス・ポサス}の庭園を千鳥は征くのだわ
夜が終わる前に 像を結んでいく
熱に浮なされて {ルビ宙=そら}と{ ....
真空管ラジオからAnotherが閲すること
ちょっとだけ鏡面を撫で、茶化しただけ
濁しただけのCeremonyを厳として崩していく
はて、シコリの時差はソトズラの淡青に陽気
戸惑いの笑みよ ....
呱呱のそこ何処 かしこに、嵐そのもの垂る虹硝子の胸 かざり 抱懐 あとのまつりとなり、切り取られた影のわけ、梟をまなうらを担った。
軽くなった躯 皓い、{ルビ露=アラワ}、{ルビ暈=ボ}け{ルビ ....
観客が立ち上がると
わたしは魚になりそこねて
また化粧室の蛍のよう浅い渚の飴玉、
ハミングしたんだ、追いかけるように
誰かのかわりになって
担って、産まれていった
無音のクラッカーは香 ....
ただホノオばかりが焚き付けられた工房で光芒のもと
たしかタブは『種よ、もがく。』
すいぶん
たんぱくしつ
....
小さな鏡に星空を映し過ごそう
アカやキイロやミドリや、やみなども考えて
あまだれをすこし、口に含ませて 一日中
節々と軋み、渇いた喉、潤すかのように近寄せ、
銅版画の域は足溜まり。どこやら ....
重心と境界の結び目の死角に戻ると
視界の陰に連筆があるかのように
風もおきない陽に、ただただ温められる背に
絵模様の眩しさ、美しく飾られた香りも血煙の泡となり
かわいたのどを潤すには、ぬめ ....
積荷を遊ばせる、持ち替えて加える
空瓶を重く押し付ける 雑だな
存在する無箔ごころ
とりとめもないここは
降りやまぬところで
曲りくねらせた途にあり
そっとみつめたい
淀んだ天体 ....
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