低い山を時間をかけてゆっくりぐるぐる登りたい

そんな自分を許したい
気に病むことが
気遣いでないと気づいたのは
大人になってからでした

九月の妹の誕生日
何もできない兄でごめんね

おとめ座の君だから
気に病むこともないだろう

神様がばら撒いた ....
何があったか知らないけど
君のその表情だけで
夏が嫌いになりそうだ

風は凪
蝉が鳴いてる深夜二時
素直な夜は今日だけにする
答えにたどり着く気がして
川沿いをひたすら歩く

午後九時
一瞬雲の切れ間に輝いた二等星
願うことから始まる絶望が
いつでもおいでと笑っている

仲間は裏切者だった
でもそれでいいじ ....
私は今日も相変わらず
わかりやすい罠にはまって
人がいいと思われている

湿度に混入された優しさを
享受できない自分は
永遠の独りぼっち

苔むした墓石の
インフレーション

雨 ....
今日も世界のどこかで雨が降る
泣き言は泣いて言えと
言わんばかりに

今日も世界のどこかで花が咲く
絶望の淵にも
隠せない美しさ

今日も世界のどこかで朝が来る
私が死んだら
きっ ....
引き出しの隅から出てきた
100円ライター

大学生の時に
二箱吸ってやめた
ラークマイルド
高揚もリラックスも得られず
友達と一緒に手放した

十年振り
試しにと
でも
火は ....
十四時
隣人の怒りはもっともであるが
耳を貸す者はいない

偏平足で受け止めた春風が
到達した夢の中

通りすがりの戦争により
一変した世界
停滞するわたし

蛙が涙で訴える綺麗 ....
いしころけった

いしころがった

いしころまって

いしころがって

いしころまった

いしころせずに
午前九時
輝度は安定

明るい窓際だから
素直な態度で
見え透いた嘘をつこう

(大丈夫、もう許したから。)

明日は約束の日
恨みを隠して
花はきっと咲かない

雲一つ足り ....
深夜
歯ぎしりの隙間で生まれた妖精が
空気清浄機に吸い込まれた


部屋全域に稀釈されたそれは
朝の炊事により換気される


空気中の排気ガスは
確実に基準値を下回っている
 ....
太陽の中の受精卵が
笑ったり怒ったりしながら
こっちを見ている

(周期不安定な回転運動)

念仏を唱える君
私は狂ったように笑う

本当の暖かさを忘れた春が
待ちわびる正真正銘の ....
揺らぐ感情も理性も
鼻歌でかき消された夜

音量を絞るほどに
主張は心に傷をつける

カーテンを閉めても
光は朝は告げるから
今夜は白湯で乾杯しよう

酔いが回れば
世界も私もど ....
電飾が外された夜に
一層輝くイルミネーションが
虚実入り混じる世界に
一つの答えを教える

冷えきった世界を精一杯に彩り
幸福を志した夜は過去のこと

暖色の光に温められたつぼみは
 ....
昼寝していたら
揺られていた回送電車

誰もいない車両に揺れる
吊革と私と中吊りの三重奏は
安心だけを増幅させる

暗い隧道に入れば
瞑想するだけ
乗客が残していった
苦悩はリセッ ....
空が握手をした
昼と夜の歴史的和解

世界が呼吸を始めたのは
忘れ物を思い出した君が
今笑ったから

天候曇り
雲量は十

尊重すべき
涙を踏みとどまる自由

もう一人で大丈 ....
母親の 背中に逃げる 初対面

悲しみが 言葉に出来ず 蕁麻疹

どうしたの わからないから 泣いている

ミサンガに たくす願いは 週替わり

肩車 世界で一番 高いとこ
愛と平等という
矛盾に気づいた深夜に
冷蔵庫は唸り出す

絶えることのない
沈黙にも似た説教に
何一つ解決策は見出せず
労働者は眠る

冷蔵庫の不眠不休
労働者の不平不満

実 ....
 ぽつぽつ
  ぽつぽつ
 雨が降る

 ぽつぽつ
  ぽつぽつ
 ついた嘘

 車が轢いて
 過去も未来も
 じゃーっと鳴った

 消えて浮かんで
 また消える

 巡 ....
冬の洗濯物は
触ると冷たい

まだ湿っぽいのか
もう乾いたのか
返事もしない

怒っていなかったはずの私
泣いていなかったはずの君

昨日の喧嘩は
冬のせい

陽は暖かく
 ....
亀泳ぐ池
そこはパラダイス

亀はただよう
あてどなくただよう

花は季節を待ち
カラスが寂しいと鳴く

亀は変化と進歩の
本当の意味を知っている

亀はただよう
あてどなく ....
約束もしていないのに
お互い振り向いたら
どちらかが目を逸らす

穴の空いた僕と
透明な君と
惹かれ合うのは当然だけど
諦めるのも必然

でも探り探りだから
しばらくは一緒にいられ ....
今朝感じた冬の空気と
正午に感じた秋の陽が
喧嘩もせずに
ゆっくり交わった
夕暮れは
追いかけもせず逃げもせず
変化を続ける

カーテン越しの青空の方が綺麗だからと
閉め切っていた心 ....
祝日設定がないことをまた忘れ
定刻に鳴ったアラームを解除する

もう一度目を閉じる

瞼の裏のカーテン越し

秋が快晴を訴える

名前も知らぬ鳥が囀る

空気をめいっぱい吸い込め ....
鳩が歩く
平和を探し

鳩がついばむ
平和を整え

鳩が近づく
平和を確かめ

そんなこと
歯牙にもかけない
人間だから
安心かもね

鳩はさまよう
平和をさまよう

 ....
自殺を図った午前四時
私はいよいよとうとう死ぬのである

遠のいていく意識の中
私は私の叫びを聞く

私は必死に呼吸を続けていた
脈は、心臓の鼓動は、
確かに続いていた

私はなお ....
乳歯は永久歯にとってかわる

はずもなく


血まみれの口の中に

ぐらつく歯二十本


諦めないという

愚かな行為の因果


歯肉に癒着した歯

私の強い意志
 ....
垂直方向から弾かれた球は
きれいな回転をしながら弧を描く

それは遠い日の思い出だった

絶え間なく回転移動する球
重心だけが移動しない球

何を恐れていたのだろう

女々しいと
 ....
野良猫のおもちゃになった死んだ蝉

プライドと右クリックが死んだ夜

謳歌する自殺の道をゆるやかに

生も死も遠ざけていくAとI

今日の夜アゲハになって死ぬ蛹

死んでから蘇りだ ....
水平線が見える
あれはだいたい5キロ先だ

(水平線の先に行けばストンと落っこちるぞ)

誰かがくだらない嘘をつく

海は広くて
地球は丸い
誰だって知ってる

水平線の先もきっ ....
TwoRivers(110)
タイトル カテゴリ Point 日付
休職自由詩4*20/10/13 19:20
九月の誕生日自由詩4*20/9/23 19:15
素直自由詩3*20/8/4 18:54
川沿い自由詩9*20/7/25 19:18
梅雨明け自由詩4*20/7/7 18:49
廻転自由詩4*20/5/21 18:45
100円ライター自由詩6*20/5/7 20:24
昼寝自由詩2*20/4/12 17:07
いし自由詩1*20/4/8 17:34
植木鉢自由詩5*20/4/5 22:12
歯ぎしり自由詩4*20/3/28 0:22
春光に寄せて自由詩4*20/3/21 17:50
春眠を覚えず自由詩5*20/3/2 21:07
三月のイルミネーション自由詩8*20/2/29 12:22
回送電車自由詩1*20/2/2 17:27
曇天の星自由詩9*20/1/12 18:07
乳児期の記憶川柳2*20/1/4 20:26
冷蔵庫自由詩6*20/1/3 16:02
今朝傘の中で自由詩3*19/12/17 20:38
冬の陽自由詩3*19/12/14 12:37
庭園にて自由詩1*19/11/30 19:07
二人自由詩2*19/11/28 22:31
十七時自由詩8*19/11/17 19:52
振替休日自由詩1*19/11/4 21:08
自由詩3*19/10/8 20:05
尊厳死自由詩1*19/9/23 19:41
永久歯自由詩1*19/9/15 22:08
マッセ自由詩0*19/9/15 21:56
生死川柳1*19/9/6 23:37
自由詩1*19/9/6 23:20

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