耐える
この激痛
眼球から涙溢れ
耐える
ひたすら耐える
折れてしまえば
俺の負けだ
意志を鍛えろ
魂の強度だ
報いを求めるな
無理に笑うな
悲壮になるな
悪態をつけ
逃げ道 ....
雨降りの夜は哀しいな

悲しい記憶ばかり蘇り
こんなに暗い深夜をすっかり透き通らせ
ミシリとまたミシリと
疼き開いていく胸の響き

心を無数の雨滴が滑り落ち

雨降りの夜は哀しいな
 ....
なんだかなぁ
目は痛むし心は鬱だし
何にもする気にならねぇなぁ
五十七の歳を迎えたこの九月末

外は青空いっぱいで
光が熱持ち降り注ぐ
道を歩けば金木犀の香
甘く甘く漂って
夏と秋と ....
静けさに
渦を巻くようにして
目覚めた午前二時過ぎ
寮は寝静まり
編み戸越しの涼風に
ゆっくりとした沈黙の時流が
辺りを支配しているのが濃密に感じられる
流れ着いたこの寮にも
昼の喧騒 ....
青、熱、青、熱

垂直に立つ
二足歩行のノイズ を
次から次に襲う高波
垂直に立つが故に
天を仰ぐが故に
悪に魅せられるが故に

思考停止、思考停止
 熱、愛、熱、愛

只大地 ....
騒乱騒乱
光の洪水だ
眼病の私には耐え難い
圧倒的な光の洪水だ

浴びる、浴びる、浴びる
 白い巨鳥が空をいく

ひたすら跪き
ひたすら耐え
夜の到来を待つ
真昼の喧騒に身を置い ....
静かだ
もう誰もいなくなった
静かに

うっとり 下弦の月
目の前にグラスが在る
グラスは透明な水で満たされている
私は喉が渇いていたので
そのグラスの水を一気に飲み干す

空のグラスが残る
ずんぐりとした円柱状の
空のグラスが在る
すぐ眼前に ....
静かだなあ
今夜はなんとも静かだ
昨夜からの疼痛が
今は嘘のように収まって
気持ちも
まぁるく落ち着いて
こうして詩の言葉を綴る自分が居る
ちらっと記憶の奥を覗いてみたり
火照る身体を ....
夏の空、玄関口
立ち尽くす己
庭木の揺れ、うねる大気

ああ世界が広がっていた!
己とは無関係に
何処までも眩しい異郷よ

五歳の時のその体験を私は決して忘れない
じぶんとは全く無関 ....
今日の午前三時
痛む肉を携えて
部屋の暗闇に沈んだまま
私はひたすら夜明けを待っていた

その時また
意識のふわりと広がり始め
頭上から垂直に響く
無数の秘やかな息遣いに
じぶんの息 ....
此処が何処だろうが
誰が誰だろうが
私は私だ
宇宙を横切り
宇宙大に広がり
あらゆる処に点在する
在る処の私だ

人はもはや帰属先への執着を捨てていくだろう
人は自らを異邦人として見 ....
虹の根元を今日の夕暮れ初めてみた

輝く太い白柱、虹の弧を支え
余りにリアルなその立体の佇まいに
遠い遠い常世から
       繋がり報知する
   そのサイン 
確かに見事に聳え立ち ....
詩を書く
死を嗅ぐ
初秋の空
ぽっかり
青仰ぐ蒼
鬱屈狂気
吐き出し
開く天蓋
陶酔境地
記憶喪失
漆黒の宇
未知の途
迫る獅子
詩の死の
洗礼浄化
入水浮上
起死回生 ....
響きが立つ
 色が立つ
  輪郭が立つ
   知覚が立つ
広がる意識 何処までも

壁が近い
浮き上がり
近い壁
くっきりと
像を結ぶ
わたしは喜びに満たされ
壁の響きを聴く
 ....
わたしが
単に私で在る
時、
わたしは世界の一点
世界を占有せんと世界に挑み
わたしは限られた一点に住み込み
限られた一点から世界を眺める
(どけ、そこは俺様の場所だ!)

わたしが ....
削ぎ落とす
底の底に行き着いた今
削ぎ落とす
要らない脂肪
要らない欲望
要らない思い

もぐら叩きだ
底の底で
削ぎ落とす、また削ぎ落とす

私が在る処の私で在るために
私が ....
隙間だらけのノイズに
剥き出されていく
骨も皮も肉も内蔵も
全て剥き出され
神経だけになる
鏡の神経だ
隙間だらけのノイズに
内も外も映し出し
シェイクさせる
鏡の神経だ

魂の ....
混沌として揺らぐ相変わらずの朝を
秋の気配含む涼風吹き抜け
見上げれば青い青い天空広がる

宇宙の時流は淀みなく静かに進み
混沌の中に律動を見い出した私は
この己産まれた九の月に
思い新 ....
逆さまになって
ぶっ倒れ
気付くと
天を仰いでいた


濃密な青
漆黒の宇宙空間に
そのまま接続していく
濃密な青

標高三千メートルのアイスバーン
アイゼンの爪先が食い込ん ....
空の城址、たてがらの
緑照り映え、草いきれ
この八月の末に吸い込めば
穢土の悪臭、一度ならず二度、三度
襲い来るのは必定にしても
透明な緑の叡智の詩想の許に
たてがらの空の城を現にせんと
 ....
充血した虚無
 断層に突き刺さった骨
  陽は傾き
   死者達の視線が
   白壁に乱舞する
  茜の色を
 遠い目で見ている
俺の傷みは血を噴き
白い人が立っていた
水辺の道に立っていた
水面に浮かび立っていた

(青と白の絡まり合い
  ゆっくりと渦を巻き
   奥へ奥へと繋がる水流)

白い人が立っていた
水辺と水面、
 ....
草はらを
踏み締め夜を歩き進む

裸足で草いきれに包まれて
むんむんと さらさらと
皮膚と鼻腔を刺激され
生き生き息吸い吐き出し又

広がる意識に己を感じ
深く 分け入る夜の闇、
 ....
なにかが流れでて
わたしが生まれ
太古のひかり
夜のそこから
力を貰い
未来のひかり
わたしから流れでる

捧げられ 捧げる 全ては捧げもの
円が次々と
生まれ出て来る
赤紫の雲海から
伸びゆく棒状三角が
木霊しながら
円たちの脇を通り過ぎる

見開く両眼、輝き彷徨う
宇宙という詩のキャンバスを
「この世界は美しく
青い空が落ちて来る
どんな境遇に置かれようと
そのことに変わりはない」
そうあなたは言う

「この世界は遠景で
青い空が狂いかけている
底の底に行き着いて
そのこ ....
また朝だ
迷い込んで
迎えた朝だ

帰る処はとっくに消えたし
此処はいったい何処だろう
もう混乱困惑越えちまった
しかしいったい何処だろう

あの人達はもう居ない
根っこは元から失 ....
朝だ
もうこんなに明るい
のだね

不思議だよ、
それにしても
昨夜はあんなに
ふらふらだったのに
今朝まで一眠りすれば
力、漲り
こうして詩が書ける駆ける

眠りの底から
 ....
消え入りそうだったんだ
夜明け前に
悪夢で目覚めると
孤立に窒息して
消え入りそうだったんだ

そんなとき
何気なく手を差し伸べてくれる隣人が居た

「水が欲しいんだろ」、
ってト ....
ひだかたけし(2959)
タイトル カテゴリ Point 日付
疼痛ー独・歩(改訂)自由詩317/9/28 17:33
雨降りの夜自由詩417/9/28 1:51
掛橋(改訂再録)自由詩817/9/27 13:28
真夜中の宇宙自由詩317/9/27 2:58
垂直ノイズ自由詩417/9/26 17:57
今生きる自由詩4*17/9/26 13:16
自由詩417/9/25 21:20
空のグラス自由詩6*17/9/23 15:10
ありがとう自由詩15*17/9/22 21:25
ある夏の光景自由詩8*17/9/19 3:48
息遣い自由詩9*17/9/16 16:14
此処という場所〇私という人自由詩6*17/9/14 3:54
虹の立つ自由詩6*17/9/12 21:34
脱出死詩(改訂)自由詩517/9/12 3:33
開く宇宙自由詩517/9/5 21:13
魂の風〇変容自由詩717/9/4 17:31
削ぎ落とす自由詩3*17/9/4 6:15
ロックンロール(改訂)自由詩3*17/9/3 17:28
出帆自由詩417/9/2 22:56
滑落自由詩8*17/8/31 16:32
たてがら城址自由詩6*17/8/30 14:40
過剰自由詩6*17/8/29 18:04
白い人 自由詩5*17/8/27 13:56
夜散歩(改訂)自由詩317/8/25 21:30
流出自由詩517/8/25 7:26
宇宙キャンバス自由詩317/8/24 18:08
この世界は自由詩2*17/8/23 14:17
アサ自由詩417/8/23 5:45
飛翔自由詩717/8/22 5:28
寮生活〇隣人自由詩917/8/21 4:38

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