ぽかんと ひとり
  立っている
秋の青い空の下
ぽかんと ひとり
  立っている

誰が来ても来なくても良い
もうくたびれてしまったよ
ただ一つだけいえるのは
この病んだ己のその奥 ....
瓦が白く光っている

烏が一羽とまっている

広がる朝の光の中を

烏と瓦が交わっている

互いの輪郭守りながら

光の海を泳いでいる


)秋の蒼穹は何処まても高く
)光 ....
里芋畑が広がって
鰯雲が流れていく

無限の時の
流出は止まず
魂を抉るような
遠い記憶の残響が
耳朶に木霊し続けている

里芋畑が広がって
鰯雲が流れていく

今日も、また今 ....
また夜になり
静けさが白い部屋に充満して
溢れ出す無限の時間は
流れを止めず
私は一人横たわり
人差し指より先に薬指が
ディスプレイに触れて
誤字が打たれていくのを
眺めている

 ....
また夜がやって来た

すべてが静寂に落ち着き
蠢く闇に呑まれる手前、
私は孤独な一時を
寛ぎ懐かしく愛おしむ

)部屋の白い壁やら天井が
)くっきりと存在感を際立たせ
)存ることの歓 ....
樹間から
覗く秋晴れの青、
ふるふる震え
金木犀の香が舞う夕べ、
時はすっかり透き通り
遠い記憶を辿りいく

)何があったか
)細かいことは忘れちまったが
)ただ喜びと懐かしさだけ
 ....
木立の緑が揺れている
私は冷たい虚を飼って
鉛の監獄から眺めている
気だるく憂鬱な昼下がり
空は一面の灰色模様、
風はもう絶えず吹き
荒れ果てた街並みが
ぱたんぱたんと倒れていく

 ....
ああ 風が吹く
空気、気圏水面の冷気に触れ
含む熱、適度に放散し
この大地に
秋という季節を刻んでいく
遠い昔から今の今まで
高く天に青、打ち広げ

)地球、太陽から遠去かり始め
) ....
沈黙に座す
 死の腐臭を嗅ぎながら
沈黙に座す
 未知の芳香を浴びながら

ひたすらに
草を食む牛
只在りて

〈牛〉は無意味な滑稽だ、
のんびり泰然とそこに居て
私は食まれる草 ....
脈拍が異常に速い
肉体が何処かに
逃走したがっている
あるいは魂が

真夜中、突然飛び起き

巨大な虚無の穴開いている
闇に、平板な闇に
恐怖、恐怖、只恐怖

上下左右、空間意識 ....
思考する
宇宙の糸を
一本借りては
掴まり
ふわふわふわふわ
揺れ踊る
わたしのなかをながれ
静かな時流の奥へ奥へ
少しずつ速度を上げ
着実に遡行しながら

来るもの来るもの
 ....
しゅるりんしゅるりん吹く風に
かんかんかんかん鳴る踏み切り
急がず慌てず立ち止まれば
秋晴れの空、圧倒的に
降って来る青、降って来る青

生きて初めて開ける光景を
次々と開けるこの現実を ....
雨の一滴が右手の甲に 落ちた
ズシリと 重たかった
ミシリと 胸の空洞が鳴った

私は慌てて滴を振るい落とした
軋む胸が一瞬、
張り裂けそうになって
雨が盛んに降っていた
暗い空から降っていた
俺の心は憂鬱に
蒼く震えるネギ畑、
踏んづけながら
進んでいた
何処にも行けないと知りながら
それでも踏んづけ進んでいた

)この嵐の果て ....
[やあ]
[なんだ?]

森はもう
こんなに涼やかに
静まり返っていたのか

[なあ]
[なんだ?]

此処に来ると、
君たち樹木の我慢強い無言の意識を感じるんだよ
僕の脳裡に ....
静かだ
ああ 静かだ
やっと夜の深まり
落ち着く己の神経が
闇の奥処に潜む
何かに触れる

のっぺらぼう

何処までいっても
平坦な始原の異様、
茫漠と広がる匿名性


静 ....
秋口が開き
無辺の静かさ、響く
赤々と彼岸花咲く土手の向こうから
手招きするように
ゆっくりと、ゆっくりと

)もうはっきりとは
)思い出せない過去がある
)色褪せながらジリジリと
 ....
灰色の街道沿いの
深く暗い井戸の底、
白く円かな女の顔が
微細に揺れ動きながら
切れ長の目を閉じ浮かんでいる

死んでしまった死んでしまった!
わたしは戦慄のうちそう悟り
隣で無表情に ....
光が幹に当たり移動していく
奥まる緑が揺らいでいる

落ちる木葉を捕えた視覚、
落ちた木葉を掴んだ感触、

この晴れやかな秋日に
僕は自分を忘れていく

森の只中に佇んで
すっかり ....
いずれ遠くなっていくこの一日に
ちょこんと座り瞑目する君は
未だ見ぬ異郷の光景が
大地をカッと割り姿現わすのを
静かに一途に待っている

)熱風の匂い 大気の感触
)ああ既に遠い一日よ
 ....
青と緑、光と影
空に突き上げ梢が揺れる
照り映えながら、翳りながら
青と緑、光と影
ゆったりと時流に貫かれ
今日という日を進みます。
西の空が
赤銅色に燃え残り
薄暮が辺りを包む頃
俺は拳を握りしめ
一心不乱に進んでいく
腹の底に蟠る
抑えがたい不安感に
鼓動激しく息を継ぎ
夕闇の道を進んでいく

西の空が
漆 ....
ひたすらに憧れて
螺旋階段を昇っていく降りていく
根無し草の宙吊りで
呼ばれるように拒まれるように
(何一つ叶えられることはないのだと)
遠い遠い鐘の音を聴きながら
ただひたすらに憧れて
夜、寝る前になって
やっと止まる原因不明の嘔吐感
医者はばんばん薬を処方し
私はばんばんそれを飲み
そうして実は気付いている

吐き出したいのはこの魂だ
上手く吐き出せない現状に
吐き ....
ああ、窓ガラス越し
物凄い空の青が広がって
自分が何処に居るのか
わからなくなる
地球、いや宇宙
そうだ、此処は地球という
宇宙に浮かぶ場所なんだ
まぁるく回る星なんだ

それにして ....
天空を白雲が流れていく
非常な速度で陽を受けて

地上では彼岸花が鮮やかに
赤く揺れて咲いている

一輪、二輪、三輪と
用水路沿いに咲いている

人々は歩いていく
いつもと変わらず ....
ビルとビルの間に
空が四角にくり貫かれている
青だ、真っ青な青

向かいの串カツ屋は今日も元気に営業している
提灯が赤、黄、赤、黄、
呼び込みの兄ちゃんが一人

風が吹いている、大きな ....
緑の木葉が揺れている
私は大きく息をする
一人の孤独なわたくしが
初秋の大気を思い切り
吸い込み、黄金の日輪のなか
自らの不安定さをのりこなす
よすがを必死に探している

広がる雄大な ....
震えが止まったから
詩を書こう

今日は雄大な青空が広がっているから
その素敵な一瞬の光の下

年老いていく日々残余を祝福し

孤独死すら受け容れる

そういう人に私はなりたい
 ....
なんにもない
なんでもない

ぽかんとあおぞらひろがりまして

しずかなかぜがふいている
むおんのかぜがふいている

なんにもないわたくしは
まちのけんそうのただなかで
たいこのお ....
ひだかたけし(3031)
タイトル カテゴリ Point 日付
待望くん(改訂)自由詩619/10/28 15:17
朝の光景(改訂)自由詩619/10/27 21:44
今日も自由詩619/10/27 12:49
ディスプレイ(改訂)自由詩4*19/10/26 21:17
夜の未知(改訂)自由詩419/10/24 22:41
残響自由詩12*19/10/23 14:43
只ぼうと(改訂)自由詩10*19/10/21 12:51
自由詩419/10/19 21:58
沈黙と牛(改訂)自由詩3*19/10/15 20:32
魂の試練自由詩519/10/14 22:43
思考の糸自由詩419/10/14 22:21
秋晴れマーチ第五十九番(改訂)自由詩319/10/13 12:23
哀しみ一滴(改訂)自由詩1019/10/11 23:00
自由詩6*19/10/11 14:52
樹木の声〇森の思考(改訂)自由詩519/10/10 22:08
闇の奥自由詩519/10/9 21:39
秋口自由詩519/10/6 13:48
顔(改訂)自由詩619/10/5 22:10
森にて自由詩419/10/2 12:42
君(改訂)自由詩519/10/1 22:52
帆船自由詩519/10/1 13:04
闇の推移(改訂)自由詩519/9/30 16:48
憧れ(改訂)自由詩619/9/26 22:51
吐き出す(改訂)自由詩6*19/9/25 21:47
地球に座る自由詩1219/9/23 17:00
光景自由詩419/9/23 14:56
今日という一日の始まりに自由詩319/9/22 12:12
よすが自由詩4*19/9/20 15:22
私はなりたい自由詩4*19/9/20 11:41
かぜ(改訂)自由詩319/9/19 14:36

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