夜陰に
静けさの
微かに揺れ動く
ベッドを囲む白壁から
白の色 剥がれ漂い出し
微かに振動する
静まり返った
四方空間に
彷徨い落ちゆく白の色の
帰着すべき基体の不在
....
空間に
手を差し出し
ゆっくりと
上下左右にかき混ぜる
けれども
存在する
はずのグラスは
見つからない
空間は
次第に重く澱んでいき
だらんと開いた手のひらに
粘りつくように ....
流れていく
ゆらゆら揺れる電線の向こう
空の青を背景に
白雲、一つ
流れていく
ゆっくりたしかに
流れていく
そうして着実に時は過ぎ
百万年が過ぎていき
私も君も彼も彼女も
み ....
君は長らく歩いて来た
独りぼっちでこの長い旅路を
天辺に着いては転げ落ち
また振り出しから天辺目指し
繰り返し繰り返し歩いて来た
今終焉を迎えるに当たって
君はまだ旅の途中
もう放棄 ....
今宵、
白い部屋に
在るもの在るもの
自らの輪郭を鮮明にして
回流する澄み切った夜の空気に
すっかり馴染んで留まっている
横たわっている私もまた寛ぎ
在るものたちと繋がり合う、
揺るぎ ....
雛鳥の
巣を抱くような
恋をして
心臓を
貪るように
交わって
雪の降る
街で
そっとお別れを
そんな
お伽噺のような
時を過ごし
漆黒と
戯れる今は
孤独 ....
雨降りの
跳ね返りは
誰のせい?
そう問う端から
車が来て
水しぶき上げ
びしょ塗れに
私を濡らし
通り過ぎる
)あゝこの持って行き場のない気持ちを
)あゝこの不可避な連鎖を
....
咲き誇る大輪の薔薇
甘やかな空気に
白く濡れたふくらはぎ
閉じられる傘
雨上がりの明るみに
触れ合う額と額
優しい石鹸の匂い
紅に染まる薄い頬
書く、
打つ、
叩く 言葉
ひたすら
書く、
打つ、
叩く 言葉
朝方
酷くうなされ
幻のなか
さ迷い出た
便所に行っても
幻に包囲され
恐
の文字、
踊った
....
春の夜に
煌々と浮かぶ満月は
闇に艶めく大地のあちこち
銀の涙を溢しながら
陶然として傾いていく
わたしは寝床でゆっくりと
その推移を辿りながら
迫り来る世界の無表情に
今夜もやっ ....
薄暗い
漠然と広がった
空間のなか
台形の
ノッペリとした
大人の背丈半分程の
鉛色の工作機械が
等間隔で何台も
一列に並べられている
大きな金属音があちこちから
互いに呼応す ....
雲のどよめき艶めき、うふふ
夕暮れ間近に囁くもの
出口は入口と延々と
展がる地平に眩む我
水の色開け灰色散らし
流れる流れる、宙の果てまで
春雨が降る水曜日の午後、
刻まれた皺につうぅと雨滴が走り
男はしゃがれた声で
さようなら と言った。
雨が
木の幹を濡らしていく
緑の木立は微かに揺れて
時の狭間に佇んでいる
この四月馬鹿の一日に
優しく優しく照り映えながら
雨は
間断なく降り続け
やがて
街を静かに濡らしていく ....
繰り返し
欠伸と不安のうねり、
繰り返し
安定剤と躁鬱のうねり、
あるモノあるモノ
切迫し
また夜が来て夜深まり
私の宇宙を横切って
闇夜の混沌流入し
指揮系統は不在
....
夕暮れが来て
昼間高曇りの空の下
白っぽかった街並みが
闇に呑まれていき出すと
高く豆腐売りのラッパの音、
響いて意識は
遥か彼方に飛んでいく
遠い過去と遠い未來、
今此処で円環し ....
陽の光満ち、
無数の銀の矢飛び交うなか
私の意識は泳ぎ出し
遠く貴女の声を聴く
久しく憧れ懐かしい
囁くような貴女の声は
やがて天空に力強く木霊して
飛び交う銀の矢を震わせ
降って ....
真夜中近く
巨大な目ん玉のお化け達
天を埋め尽くし
ピカピカピカピカ
青白く黄白くまた赤く
揺らぎ明滅しながら
迫って来る迫って来る、
大雪原に独りぽつねんと立つ私に
小学五年の私 ....
この世での光は消えてのち
また射す光、止めどなく
覚悟せよ
全ては〃進化〃の時流に乗り
大地が割れる感触を
肉に刻んて進み行く
この世に在る限り
この世での光は消え去って
....
ターコイズブルーの湖、三つ
ねっとりと動かず
こんもり黒々とした山々の頂きに
ぽっかり ひっそり
横たわり在る
(空は妙に白く透き通り
皮膜の裏光り)
湖は波一つ立てず
こちら ....
夜寒さの無音の部屋で飲む焼酎
何故だろう独り静かに此処に居る
ゴォとまた街の彼方が唸っている
薄陽射す花野広がる忘却の果て
ひたすらに草を食む牛只在りて
毎夜夢に現れる人達の
考えていることが見通せない
それぞれがそれぞれの意志を持ち
まんまブラックボックスだ
私の夢なのに!私の夢なのに?
彼らは何処からやって来るのだろう?
彼らは ....
青空が見えている
静かだ
青空を見ている
静かに
呑まれていく
わたし
青空が見ている
静かに
銅線で
脳神経を
キリキリと
縛り上げていく
のは快感だろうから
この春の夜に画策する
までもなく
渦巻くハンマー音の波
ラバー壁に弾き返され
夜半過ぎに獰猛な咆哮
で復讐を開 ....
兵隊蟻の隊列
ポテトチップスの欠片
吹く風、生暖かく
蹴散らせ!踏み潰せ!
整然とした生の営み
獰猛な死への傾き
俺は天を仰ぐ
二本の巨人の足となり
死体のような
ひたすら一点に
冷たく凝固していく
気配、
辺りに充ち満ち
私は漆黒のアスファルトを進む
蒼く蒼く結氷する
異界の感触、
次第に足許に広がり
じわりと恐怖に浸さ ....
欠落はせずに
只々遠く平板になっていくもの
追いかけても追いかけても
追いつけない現実に
後ろ手付いて息を吐く
二度と取り戻せない時間の堆積
記憶は麻痺しながらも
思い出したように不 ....
土塊を捏ねる
指先に気を集め
煮え立つ熱を流し込み
ゆっくりしっかり力入れ
未定形の粘る分厚い土塊を
思い思いのまま捏ねくり回す
捏ねくるうちに不思議なこと
土塊と指先は拮抗しながら ....
感情が漂白され
漂流していくこの時空を
速くなったり遅くなったり
緻密になったり大雑把になったり
なんて自由自在に運ぶ移行
魂の打つ突発的な躍動
変拍子や裏拍に
コレハナンダ?
新 ....
また夜が来て
まだ私は生きていて
堆積した記憶の回収不能、
後頭部辺りから凹んでいき
何一つ思い出せない
何一つ思い出さない
)モノクロームの響き充満し
また夜が深まり
ま ....
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