腹底から
ヒンヤリと突き上げて来るモノを
ナイフの刃先に乗せる
熱く紅い血の滾り
)際の際に時を遡行すれば
緑と湧水の大地に到達する
沢登りの記憶の壁突き抜け
唐突にプスップスッ ....
そうしてまた
真っ白な一日が 経過する
僕は何一つ手に入れなかった
心の奥に貼り付く無限
認識の荒野に曝されたまま
謎は謎として残されて
そうしてまた
真っ白な一日が 経過する
....
無力だ
私は徹底して無力だ
感覚から離れようとして
認識の限界に触れ
虚しく知覚映像を貪る
魂は未だ自立せず
背を正して待機する
思考の直観の領域に
鮮やかな夢を見て
意識は ....
憧れ、夢、予感の
余韻の奥に輝くもの
わたしが私であって
私で在らぬもの
未知が胸奥から押し寄せる
感覚を越え
溢れ流れるこの今に
俺は朝から何も食べていない、
ひたすら吐き気の塊だった
静けさに沈む
何もない
静けさに沈む
足場を欠く
俺の肉体と意識は解離したまま、
冬陽の芳香を嗅いでいた
それは明る ....
水底の声が叫んでいる
水底の声が叫んでいる
どうしようもなく救いのない
どうしようもなく光のない
隔離された孤独のなか
閉鎖された闇のなか
水底の声が呻いている
水底の声が呻いて ....
仄かに明るいこの冬日
雪は遠くで降っていて
陶然と一陽に木霊する
数千数億の銀河の渦が
降ってくるよなこの今に
艶めく若芽の燃え出づる、
感覚知覚を越えてゆく
未知なる時を紡ぎ出 ....
一つの光が二つに分かれ
二つが四つに、四つが八つに……
そうして僕らは生まれたんだ
この眩しい地上の光のなかへ
ばらばらに、ばらばらと、生まれたんだ
戻ることは叶わない
遡行しながら進 ....
孤独に発光する、
散乱するイメージのなか
源頭へ遡る、
前進する時間のなか
旺盛に分け入って行く、
イメージがイメージを呼び
深海の頂きで
未知なる木霊を聴く
大雪原がうねるように ....
新年の夜が深まり
姿を持たぬ思考たち
五感の縛りから解き放たれ
星空の下で踊り出す
遠い過去へと遡行する
魂の営みの始まりだ
透明な窓辺で落ち合って
僕ら、それぞれの旅に出よう
肉を携 ....
宇宙が爆発し続け
概念が感覚を喰う
人は幻想に飽き足らず
自らの思考に住み
澄み渡る空を臨む
宇宙が爆発し続け
概念が感覚を喰い
やがて、
五感の縛りを解き
人は宇宙 ....
静けさの含み持つ何か
自らの心落ち着いた時に
期せずしてやって来る何か
過去へ遡行しながら
未来から到来する
未来から到来しながら
過去へ遡行する
胸奥から込み上げ溢れ 溢れ込 ....
連綿と続く人生の
響きの中に目覚めていて
この生の端緒と終点が
螺旋を成し繋がっていくのを
底の底で見つめている
それは焼け野原に咲く真っ赤な薔薇
何処にも行けないと知っていて
静か ....
雲 流れ
流れ 雲が空をいく
ぽっかぽっかり青を裂き
気流の鳴る音、響かせて
澄み切る初冬の夕暮れに
荒れる呼吸を収めては
私の宇宙を横切って
流れ 雲が空をいく
....
ふう
どうしようもねぇな
この寒さは
孤独が過ぎて
凍えちまうよ
慕い親しみ忍んで孤独
夕の巨大な富士ヤマの如く
この身に迫り来るけれど
やっぱり耐えていくしかない、んだな
....
雪降る宇宙の冷たさが
染み入るようなこの夕べ
俺は沢庵を噛みながら
胸奥の不安を呑み込んで
恐怖が襲うその手前
達磨のように揺れている
視界の奥では麗しい
星と星とが四百年ぶり
....
木々は枯れて葉は落ちて
遠く鳥の群れが過るとき
裸木の梢に三日月が
白銀の色を散らしながら
ぽっかりうっとり浮かんでいる
)あゝやっぱり今日もまた
)永劫宇宙の営みが
)ここそこかし ....
夢のなか
凍結した
雪夜の道に
滑って転び
はたと気付いた、
生活を共にした
君はとっくに
居なくなっていることに
)身籠った君の身体を
)雪道に支えたあの日、
)君はお腹の赤 ....
風になびく
ススキの穂が
水面を滑る
眼差す太陽にギラリと光り
到来した冬は
情け容赦なく
すべてを裸にし
覚醒の輪郭を
与えていく
透徹として刄の ....
何一つ
忘れてはいないんだよ
ただ、忘れたふりをしてないと
今此処に在ることが
本当に本当にしんどくなるから
そういうことにしているだけなんだ
緑の細胞に繁茂するミトコンドリア
....
近く微かに揺れる紅葉
呆けた顔して立ち尽くす人
全てが忘却された雨上がりの朝、
男は綺麗に髭を剃り
キャベツを買いに街に出た
暮れの静謐に
冷えた心の寂寥
抱え込み
うっとり
裏庭に
踏み入れば
赤々と滴る
薔薇の花、
また薔薇の花
此処に冬の
季節の快楽
眩めいて
佇む
己、
何 ....
夕暮れが来て
昼間高曇りの空の下
白っぽかった街並みが
闇に呑まれて行き出すと
高く豆腐売りのラッパの音、
響いて意識は遥か彼方に
散逸しながら
飛んでいく
遠い過去と遠い未来、
....
底冷えする
夜に横たわり
祈っている
迫る闇が咆哮し
幾つもの夢が朽ちるとき、
心の奥処の祭壇に
火を絶やすことなく
灯して、灯して
)不眠の夜を透過する
)遥か純白の雪を待 ....
なんにもない なんにもない地平に
ポカン ポカンと突っ立って
何から始める?
何かが始まる?
うっとり広がる灰の空
黄色く変色した桜の葉
遠く横切る烏が二羽
空の心が凍っている
....
夕闇迫る川沿いの道、
君と並んで歩いた道、
一人は一人を置き去りにして
一人は一人で立ち止まり
今頃裏庭に降り積もる
雪を静かに眺めている
)孤独なのはわかっていたさ
)どんなに身を ....
女の温もりも
家族の団欒も
過ぎてすっかり独りである
風が吹き
途方に暮れて
確かな予感を持ち独りである
遠くの森のざわめきが
夜空に木霊し未知を紡ぐとき
私はひたすら独りで存 ....
ふわふわ漂い
ゆっくり落ちる
金の花びら、
わたしは貴女を知らなかった
[磯の香 、 零れる光滴 、 白波の残響]
あの青い青い宇宙の大海原を
貴女は幾人もの従者を連れ
喉を震わ ....
四国の方へ行って来ると
昔の君は言いました
僕は不安で尋ねました
いつまで行って来るのと尋ねました
すると君は言いました
ずっと行って来ると言いました
僕は淋しくなりました
....
名指され得ぬモノ
今刻々と
降っている降っている
*
獣の声、
響いていた
死者の声、
響いていた
師走も遂に走り出し
怒涛の静けさ霊園墓地に
ほのかやわらか木霊した、
....
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