また夜が来て
まだ私は生きていて
堆積した記憶の回収不能
後頭部辺りから凹んでいき
何一つ思い出せない
何一つ思い出さない
)モノクロームの響き充満し
また夜が深まり
まだ ....
永遠からすれば
一瞬に過ぎない
この今を
落ち続けている
この俺は
奈落の底まで
落ちて行く
後少しで
叩き付けられる
俺の体が
叩き付けられる
時間は普通に流れている
空 ....
知覚感覚が
空の彼方を震えさせ
海の底を掻き回しても
それがいったい何だと言うのか
僕には大事な夢がある
胸震わせる予感がある
たとえ旅路が終末でも
置いていけない憧れ持ち
五感の海を ....
夢の夜空に星々は
巨大に不穏に輝いて
渦巻く星雲が三つ四つ
眩めく明るさに発光し
それぞれの存在を鮮やかに
闇のスクリーンに穿っている
夢の夜空はやがて刹那
一つの艶かしい発光体とな ....
赤黒く
どろんと上がった
月女
生きたいのか
死にたいのか
麻痺した地平を
遥か掠め
永久なる灯火
求めさ迷う
生かされているから生きるのか
生かされているから生きるのか!
....
静けさ
ちょこんと
座っている
気付けば
夜底に
座っている
私は寝床を整える
不眠の夜を払うように
新しいシーツで敷布団を包み
黄色い朝の喧騒に
心の奥処の祭壇が
荒らされ ....
ワンルームマンションに独り月氷る
夜寒さのなかで飲む水割り焼酎
沈黙を白く照らして冬の月
月光に抱かれ眠る子等の夢
夜は虚ろなくらげ模様
太古の姿に後退し
触手で宇宙と交歓する
共感したり反感したり
寄り添ったり離れたり
形象渦巻く意識の中を
ふわふわふわふわ渡ってゆく
(表象意識は鈍くなり
わ ....
夜が深まっていく
連絡がつかない、繋がらない
隣室からコツコツと壁を打つ音、間欠的に
遠くの森を手繋ぎ歩いた愛娘は
青春を謳歌しているだろうか、今頃
夜が深まっていく
オレンジジュース ....
*
焦点を合わそうとすると
それはするりと逃れる
焦点を外すと
それはにゅっと姿を現す
言い知れぬ予感
異様な雰囲気
永遠の兆候は在るだろうか?
永遠の刻印は響くだろ ....
一つの生をたずさえて
一つの詩をたずさえて
赤ん坊から老人マデ
寄り道しながら
僕は行く
)今は何もせずぼうとして
)うねる夏の光を夢見ながら
)美しく深まっていく世界を信じ
....
よる
あふれる
かなしい
ゆめだけ
あさ
こぼれる
いとしい
ことばだけ
ひる
みちる
うれしい
ひかりだけ
気が遠くなる
丸い三角や四角が浮かぶ
この静けさに包まれ
気が遠くなるよ
やがて深く沈んでいくんだ
この静けさに呑み込まれ
静けさの
深淵が奏でる
全て諦めたとき
静けさが
....
鮮やかな轍を残しつつ
決して姿を現さぬもの
底に沈んだ泥団を
清められた手で掬い上げ
透過する心の底
遥か彼方の源頭に
耳鳴り繁く接続する
見えないものと見えるもの
貫き生きる ....
白く燃えている
白く
詩の言葉のなか
わたしはもはや
この世の物ではなく
白く燃えている
白く
純白の壁取り囲む
純白の壁走る
純白の耳鳴り
純白に総毛立ち
体が空だ ....
暗闇に蒼白い河原の
小石夥しく静まり返り
流れ澄む川は無音
黒く光る水面の異様
恐るべき氾濫を孕み
奥まった沈黙を保つ
決して終わらない不安は
この沈黙という深い謎に
剥き出し曝さ ....
*
新年の夜が深まり
姿を持たぬ思考たち
五感の縛りから解き放たれ
星空の下で踊り出す
遠い過去へと遡行する
魂の営みの始まりだ
透明な窓辺で落ち合って
僕ら、それぞれの旅に出 ....
目を瞑ると
さっと広がる
闇のなか
光の気の熱の子が
くらげのように
浮遊する
泡立つ
暗い意識のなか
触手を伸ばしたり
縮めたり
反発したり
共鳴したり
それは忙しい
流動 ....
どんよりとした
鉛の雲の切れ間から
青が光って覗いている
俺はくたびれ脱力して
道端に腰掛けている
わけの分からない宣伝カーが
ゆっくりと通り過ぎて行く
ひんやりと動かない空気
傾きか ....
日がな一日
謎は謎として取り残され
私は五感の縛りに沈む
思いは鬼火のように揺れ動き
逃れる的を掠めていく
現象する本質を
律動する思考を
掴みかけては取り逃し
夢の底で溺れている
....
腹底から
ヒンヤリと突き上げて来るモノを
ナイフの刃先に乗せる
熱く紅い血の滾り
)際の際に時を遡行すれば
緑と湧水の大地に到達する
沢登りの記憶の壁突き抜け
唐突にプスップスッ ....
そうしてまた
真っ白な一日が 経過する
僕は何一つ手に入れなかった
心の奥に貼り付く無限
認識の荒野に曝されたまま
謎は謎として残されて
そうしてまた
真っ白な一日が 経過する
....
無力だ
私は徹底して無力だ
感覚から離れようとして
認識の限界に触れ
虚しく知覚映像を貪る
魂は未だ自立せず
背を正して待機する
思考の直観の領域に
鮮やかな夢を見て
意識は ....
憧れ、夢、予感の
余韻の奥に輝くもの
わたしが私であって
私で在らぬもの
未知が胸奥から押し寄せる
感覚を越え
溢れ流れるこの今に
俺は朝から何も食べていない、
ひたすら吐き気の塊だった
静けさに沈む
何もない
静けさに沈む
足場を欠く
俺の肉体と意識は解離したまま、
冬陽の芳香を嗅いでいた
それは明る ....
水底の声が叫んでいる
水底の声が叫んでいる
どうしようもなく救いのない
どうしようもなく光のない
隔離された孤独のなか
閉鎖された闇のなか
水底の声が呻いている
水底の声が呻いて ....
仄かに明るいこの冬日
雪は遠くで降っていて
陶然と一陽に木霊する
数千数億の銀河の渦が
降ってくるよなこの今に
艶めく若芽の燃え出づる、
感覚知覚を越えてゆく
未知なる時を紡ぎ出 ....
一つの光が二つに分かれ
二つが四つに、四つが八つに……
そうして僕らは生まれたんだ
この眩しい地上の光のなかへ
ばらばらに、ばらばらと、生まれたんだ
戻ることは叶わない
遡行しながら進 ....
孤独に発光する、
散乱するイメージのなか
源頭へ遡る、
前進する時間のなか
旺盛に分け入って行く、
イメージがイメージを呼び
深海の頂きで
未知なる木霊を聴く
大雪原がうねるように ....
新年の夜が深まり
姿を持たぬ思考たち
五感の縛りから解き放たれ
星空の下で踊り出す
遠い過去へと遡行する
魂の営みの始まりだ
透明な窓辺で落ち合って
僕ら、それぞれの旅に出よう
肉を携 ....
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