深い
深い水底に
白骨と化した彼は
舵輪を握り締め
遠くを見据えながら佇んでいた

時折深海魚が目の前をゆらゆらと通り過ぎ
彼の頭蓋骨が優しく頬笑む

艦長は静かに椅子に座り
今は ....
妻の計算では
一週間でオレは4リットルのウイスキーを飲むという
そんなこたぁない
そんなに呑んだら
今頃は天国ゆきさぁ
本当は2リットルも呑めば十分で
まだ死にもせず
ろれつの回らない舌 ....
秒針が寿命を数えている夜
確実に死を迎えるために
耳はその呪文を捉え
無為な夜をすごしてゆく

生まれては死に
死んでは生まれ
嘆きの丘を目指し
重い十字架を引きずりながら
空を目指 ....
光と闇の螺旋のDNAに支配され
ぼくらは生まれ
死んでゆく
宇宙の法則に支配され
人は迷路を彷徨い続ける

寂しいかいと問われれば
寂しいと答え
楽しいかいと問われれば
楽しいと答え ....
黒曜石の瞳を閉じて
秋風とともに往ってしまった君は
そろそろ成層圏あたりにいるはずだ

ただ
ぼくにできることといえば
天空にそびえる岩壁をノロノロとよじ登るだけだった
君に届けとばかり ....
愛の終わりに時計がカチカチと鳴る
珈琲を流し込み
何と言ったら良いのか
白けた時間が過ぎてゆく

何時切り出したらいいのか迷うっていたら
彼女の方から切り出してきた

もう終わりです
 ....
生きていることが不思議だ
三週間なにも食べていなかった
夜がとても長くて
眠れない夜が続いた

明後日はようやく入院できる
多分お粥に海苔の佃煮で生き永らえるだろう
セブンのチーズリング ....
銀河の果てに
ぼくらは此処に生まれ
何処に往くのだろう

いま納豆ご飯を食べている妻は
ぼくがどんな事を思っているか
想像できないらしい

永遠の嘘を吐いて
ごめんね

ぼくはや ....
空から金粉のような
雨が降る

ぼくはバッハの黄金曲を聴きながら
明日をそっと待ち
ようやく落ち着いた胸を撫でて
今夜を過ごしている

冷たい渓を遡り
透明な魚を釣りたい

琥珀 ....
ボロボロになった身体を引きずりながら
ぼくはどの方角へ向かうのだろう
食べられなくて
何も食べられなくて
週末には点滴が待っている

楽しみなのは大相撲中継だけで
週末の入院を待っている ....
言の葉を意味も無く
黙々と繋いでゆく作業は辛い
肩を落とし
改札口を出るとほどなく家は近い

商店街を彷徨いながら
肉屋の前に佇み
揚げられるかたまりを眺めた
一個100円のコロッケを ....
友よ
寂しい時は
お前の声を聴くに限る
お前の命の発露を聴くと
命の燈火がそっと燃え上がる
俺は大丈夫だから
お前はお前の大切なことを片付けて欲しい

運命の中で
お前と出逢った
 ....
どうしても生きなければいけない
光と陰のなかで

どうしても
どうしても

楽に生きなくてはならないのだ
生きていれば
七味を沢山振りかけた
たぬきうどんが食べられる

こっくり ....
おも舵イッパーイ!
帆を揚げろ!
波高し
ヨ―ソロー

樽を開けラムを飲め
飲み食い歌え
お前たちの目指すのはエルドラドだ

サルガッソーを越えて往け
溢れる黄金を手にしろ!
怖 ....
突然現れた
たぬきうどんの幻影がぼくを襲う
少年の頃に食べたきり
ご無沙汰していた
きつねうどんではどうも具合が悪い
コクリとした胡麻油の揚げ玉でなくてはならないのだ
ほうれん草と鳴門巻き ....
鬩ぎあう
調べと琥珀の液体に酔いながら
明日を占い
夜の帳に沈んでゆく

漆黒の陰から
死神が頬笑んでいるのを直感した

それでも
恐ろしさは微塵もなくて
親近さを感じ
彼と酒で ....
なんと紅いのだ 灰色に塗られた足元 しゃがんで路をたどる 海岸線に沿った国道を二人歩いた
何処まで続くのかおれは知らず
お前が指さす方向を
トボトボと歩いた

波濤に向かい立つ釣り人の釣果は
50㎝ほどの石鯛だった
豪勢な食卓を飾るだろう

 ....
君とぼくの
関係はとてもブルーで
誰も寄せ付けない
サファイアのようでいて
実はとても崩れやすい
硬度のバランスに生きている

ルビー色のカメリアが咲いたら
少しは暖かくなるかも知れな ....
あぁ…
なんということだ
こんなになってしまって
君は渇ききってしまったんだね
ただ
残された救いは
石綿の包帯に包まれ
没薬の香りと
薔薇に抱かれて
暗い石室に
眼を閉じた
静 ....
今はラララ
ほんの少しの
幸せに満ちている

優しい彼がいるから
痩せては
枯れて
やがてはブラックホールに
呑み込まれてゆく

そしてパラレルワールドに生まれ変わり
前世の因果を背負い
戸惑い
流れてゆく

せめて
川面を埋め尽くす
花筏に ....
言葉の森に分け入る じりじりと西陽を受けて
眩暈を感じたぼくは
電車に飛び込み
死んでしまおうかという衝動にかられた

全てを捨てたなら楽になれるのだ

鰻を食べて満足そうな妻の横顔を見たら
涙が滲んでき ....
化石の森の時計塔
ぼくはここまで来てしまったんだ
青白い大きな蛾がクヌギの蜜を舐めている
静かな夜の帳がこの胸に食い込んで
少年期の動悸を想い出させる
その頃は
当たり前だったおでんの屋台 ....
使われなくなった井戸の底が
モノクロームの記憶を映していた

使われなくなった
フィルムカメラを取り出して
明日は何処に行こうか

錆びれた醤油と漁港のある街へ
釣竿を持って行くのも悪 ....
あの頃は
時間だけがあって
財布は空っぽだった
アルバイトで貯めた金をはたいて
上野駅で夜間急行に乗った

ありったけの荷物を載せて
みんな北へ帰るらしい

座席が無くて
ウロウロ ....
八月の空を待ちながら
フィルムカメラを磨いている
デジカメでは表現できない空気を求め
静かな予感に浸る

入道雲の空の下
ダリアがとても美しい

ぼくの写真は
時計に逆らいながら
 ....
レタス(1124)
タイトル カテゴリ Point 日付
水底のアダージョ自由詩316/10/26 16:43
妻の言い分自由詩2*16/10/24 21:11
天国の扉自由詩316/10/23 1:14
螺旋のエナジー自由詩116/10/22 10:32
黒い瞳の君へ自由詩516/10/20 16:21
おしまい自由詩316/7/22 1:26
明日へ自由詩216/7/22 0:44
水の星に生まれて自由詩216/7/20 11:33
夜の想い自由詩316/7/20 0:15
時計自由詩516/7/19 12:43
帰路自由詩716/7/17 22:35
友よ自由詩216/7/16 0:54
たぬきのしっぽ自由詩216/7/16 0:12
黄金郷自由詩216/7/10 18:50
幻想食自由詩316/7/9 23:35
アニバーサリー自由詩416/7/9 23:09
日の丸俳句116/7/8 19:59
俳句016/7/8 19:26
俳句116/7/8 19:22
海岸通り自由詩3*16/7/8 18:35
自由詩016/7/7 23:20
木乃伊自由詩216/7/7 22:52
友へ自由詩216/7/6 0:40
転生自由詩2*16/7/6 0:31
大漢和俳句0*16/7/5 22:52
ホームにて自由詩1+16/7/3 16:19
世情自由詩316/7/1 21:54
休日前自由詩116/7/1 19:28
ブルートレイン自由詩216/6/25 7:53
夏の影自由詩4*16/6/25 1:57

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