「最後の問題は答えを書いた人全員に丸を上げます」
先生はそう言って、その能面のような顔にくっついている唇を、申し訳程度に上げて微笑みました。
しんちゃんは不思議に思いましたが、先生の暴 ....
私達が存在しない事・・・これ以上の至福があるだろうか。
私は存在しない。私はその事を強く感じる。私は・・・。
私は日曜の朝、日の当たる川べりを歩いていた。風が心地良かった。・・・人々は犬の ....
ネギ塩トリ丼を作って食べる
美味しい
量が多く途中で飽いたので、生卵をかけてみる
これはまた美味い
新しい発見に満足し完食
茶を一服
なんのことはない
世間で言う親子丼に近づいた ....
ねむたい気持は目の奥らへんからやってきて、あたまをぼんやり後ろの方にひっぱるので、わたしはそのときちょっと上向きの、おかしな人でしょう。指や手もとに注目すると、近いのと遠いのがいっぺんにあるのです ....
詩を読むときの読者と作品の関係は、典型的には「所有」である。詩行が読者においてよどみなく流れ、詩行の喚起するイメージや音楽が読者において滑らかに受容されるとき、その詩行が「難解」であろうが「 ....
「なあ、お前は知ってるか?
人間は自らの当たり前を正義と仮定し、それを侵すものを悪と定めていることを。
俺は知らなかったんだ。だっておかしいじゃないか。
当たり前を真っ向 ....
わたしはあたらしいブラジャーを買ったので、今日からつけることにしました。
今までは布切れがわたしの小さなおっぱいをあっぱくしていましたが、今日はなんだかよりそうように居てくれ ....
ぼくの友だちは彼女がすごくほしがっていました。
けれど、友だちは何回こくはくしても、上手くいきませんでした。
きっと女の子にしつこいしてたと思うので、
「しつこいするから駄目 ....
ひとりなのに大橋トリオ。
あなたは、麗しのデビィット・ボウイさま名曲「スターマン」
http://m.youtube.com/watch?v=a2uq_rTNBmU&client=mv-googl ....
兄に会ったのは、一年振りだ。
子供の頃は世間並みの兄弟として過ごしたが、今となっては用でも無ければ会うこともない。端的に言ってしまえば、そういった間柄なのだ。去年と同じく、盆に逝った親父の三回忌 ....
朗読イベントなどで馴染みのある関西の友人から先日ヘルプメールが届きました。
昨日から大阪出張で来月中旬まで滞在します。
それをわかっててなぜ?と思って読んでみたら・・・
今回の滞在期間は大変 ....
たしか大学で出会って
付き合って結婚して離婚して別の人と再婚してそれも離婚して
ある日スーパーの駐車場で、その大学で出会って付き合って結婚して離婚した元元彼氏であり元元旦那である人とばったり再 ....
つい、先日の事なんだけれども、昔釣り場として通っていた池の周りの道を車で走っていたら、逆走車が・・・はい、自転車なんですが薄暗くなってきているというのにライトもつけず、その上、スマホらしきものをいじ ....
ドアがゆっくりと左右に開いた。無人のエレベーターに4人の子供たちが乗り込んだ。1番小さな少年がはしゃいだ声を出したので、女の子がシッと口元に人差し指をあてた。まもなくドアが閉まった。
4人は ....
チャイム、というかサイレンが鳴った。工場から響く空襲警報みたいなやつだ。市立ぼんくら高校2年乙組の教室には色んなやつがいる。既に英語の教科書のページを開いて準備万端なやつ、顔を隠すように机に伏してい ....
別れ際はいつもうそみたいにすがすがしかった。
うしろ髪をちぎれそうなほどひかれながら、それでもひとりで帰っていくこと。
もともとひとり同士のものが、いっときそばへ寄って、それからまたひとりへ戻 ....
夏の暑さに敗けない熱視線で、僕は君を見つめる。
錆びて塗装の剥がれたフェンスが、昼間の熱を残していて手に焼き付くように熱い。
月が浮かぶプールにソレはいた。
あの夏、僕は人魚に出会 ....
植木鉢を抱えている人が増えたね。
カミオは、トットに二杯目のワインを薦めた。このレストランで、一番の売れているワインだ。店が売り出しているということは、利益率が高いか、美味いかのどちらかだろうと ....
小さい時から、人の背中に蛇口が見えた。
それは、僕が小学校に上がるか上がらないかぐらいの頃だったと思う。
その日はとても暑くて、公園で一日中友達と駆け回って遊んだ僕は、夕方、皆が帰ってしま ....
壁も天井も床も、何もかも白い部屋の真ん中に、白いテーブルが置かれ、テーブルの真ん中には白い籠が置かれ、その中に、白い林檎がピラミッド状に積まれている。
白い部屋には他に家具はなく、窓もない。ドア ....
左腕につけている腕時計は朝の9時過ぎを示していた。下り電車は平日でも人がまばらで、出勤中の制服組はほぼ見当たらなかった。彼が乗車した駅を発車しようという時、電車は何らかの些細なトラブルで数分駅 ....
酔客の話は、とりとめのないことばかりだ。自身の酒の勢いも手伝って、話がどんどん流れていくように感じる。ある時、聞いた話を思い出そうにもうろ覚えで、またその話を聞いた相手もたまたま同席しただけの相手で ....
時代の奔流が生んだ特別な学園があった。校庭では球児たちのかけ声が響き、青空の下練習に勤しんでいる。校庭から校舎側へ歩いて行くと、中等部と高等部の校舎が距離を置いて向かい合わせに建っている。そして二つ ....
仕事場のちかくにはおおきなイベント・ホールがあるので、駅からつづく大通り(コンクリートで整備された、大きな歩道橋、その上にばかばかしく華やかにちらばる噴水とか、見せびらかすような緑)は あ という ....
※授業のレポートで書いたものです。少々わかりづらい文脈があるかと思いますが、ご容赦ください。
0.はじめに
写実とは何か。
そもそも写実的な絵を私は好まない。いや、今となっては、その美が ....
この時期になると、セミの無惨な姿を路上で度々見かける。そのセミに関して、その「無惨なセミ」の上空を通過するヒトは何を思うか。ヒトには記憶する能力が備え付けられた。誰とどこでどうした、どこで何が起こ ....
『 いや、もう聞いて欲しいんだけど。私、もう三十五になっちゃった。三十五。・・・もう、数字にしてくれるな!・・・っていう年齢よね。・・・でも、私は、幼稚園児みたいな、おこちゃまみたいな精神年齢なのよね ....
大前提として、詩作品を評する時、通常は詩の中の主体を作者と同一視しません。私が興味を持つのは作者個人のパーソナリテイにではなく、作品を通して読み取れる普遍的な「なにか」です。この「なにか」というのは広 ....
「所詮、世の中の連中なんて大した事ないさ。この程度だよ」
と、酔ってきたツダは言った。ツダは、酔うといつもより三倍くらいは饒舌になる。
「俺はさ・・・ゴッホのように死にたいんだよ。あるいはニ ....
大学の先輩が、昔、僕に言っていた事が、ふと思い出される事がある。
「お前は考え過ぎなんだよ。世の中なんてな、要領よくやりゃあいいんだよ。例えばなあ・・・ほら、あそこに女の子いるだろう。今から、俺 ....
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【散文(批評随筆小説等)】散文詩は禁止。散文詩は自由詩のカテゴリへ。
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