ペンギンの後頭部より太き蝉
帰る人帰らぬ人と秋の夕
ミス蝉の自薦他薦は問いません
瘡蓋を掻いた血の赤秋の蝉
念のためにもう2発打つ笑う蝉
朝顔や隣の家のドーベルマン
胸奥に
オドロキ襲えば
世界は在る
在る世界
気力の萎えて
色褪せる
魂の
震えは麻痺し
狭間に立つ
狭間に立ち
眺める界は
遠く近く
キズケル ....
まだ生きていた蝉オングストローム
キレキレのラジオ体操秋の蝉
初蝉や親子忍者の飛びまわる
首都高に沈む夕日や秋彼岸
蜩やソ連空母のカタパルト
残る蝉敗戦国の煙かな
『シン蝉』でまた動き出す心かな
秋風に走るさわさわ耳の奥 /微子(ほほこ)
びいどろの 雨もうれしや 手毬花
眠れぬ夜鈴虫唄う子守唄
秋冷に君を慕って涙落つ
くらがりに無口な蝉の解体屋
尼僧の黄色い八重歯秋の蝉
空蝉の三兄弟やレモンティー
糞垂れを
梅雨雨{ルビ=つんなめ}聴いて
黒い人
青原に
篠突く木馬
精霊{ルビ=しょうろう}の
首はねて
ますます盛んな
茶の花瓶
....
熟れた蝉地球はつまらない男
自転車のサドルが蝉へ化けにけり
飯盒に詰められるだけ残る蝉
やめてやれもう死んでいる蝉の声
Wi-Fiの届かぬ蝉となりゆけり
蝉鳴けり社長専務を見下ろして
夢の尾を抱けば 湯たんぽの冷たさ
寒いのか明朝体で鳴く蝉よ
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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