若いなあと思いつつ同じフレーズでまた泣けるフジファブリック
花を抜くのも潔いのが名ガーデナーらしい
ビスが一つ落ちている。もう元の場所には戻らないだろうな
歩行者一人行かせて不満げな ....
冬ざれの北朝鮮に餓死者あり
冬の夜に戒厳令の音が響く
箸の間をゆどうふつるり逃げまわる
熱い湯に浸かりし豆腐のぼせ顔
昆布退け湯豆腐様が今主役
湯豆腐や生姜やネギで髪飾り
湯豆腐の白肌柔く歯をあてる
幾年の梅酢の瓶は琥珀色
....
木枯らしにウルトラライトダウン着る
短日に早寝を決めて乳を揉む
凍てついたフリーウェイで尾崎聴く
寒空に煌煌と昇り月天心
海に向いた拡声器が知らせるある漁師の死
車の目前に降り立った白鷺にも母の話は途切れずに
街角に 行き交う声や 師走風
年迎え 子らの笑顔に 灯がともる
独り居の 窓に月影 風止まり
山の頂 見上げるたびに 心燃ゆ
風掴み 星を追いかけ 人の夢
黙々とボールを蹴る子冬木立
小さき鉢の菫に冬のひかり憩う
水平線を折るその指先から飛び立つ折り鶴
秋の空パンティ泥の目に涙
パンティが秋風に舞うバルコニー
純白の下着懐かし鰯雲
パンティに挟んで眠る白桔梗
星月夜父は何処で死んだやら
流れ星憎き敵の死を願う
運動会隣のレーンに石投げる
ノリちゃんの睫毛が触れる秋祭り
悲しみの雨いつぞやのクリスマス
わろてんかいつぞや雨のクリスマス
六十で死んだ兄貴に鐘凍る
霜の夜に知らない人の夢を見る
冬銀河二人隔てるものはなし
肩寄せて未来を話す冬の虹
酉の市兄の背中を見失う
美しき背中に散るは冬紅葉
木の葉髪ミノキシジルに掛けてみる
冬凪の沖に浮かぶは蝋人形
狐火に惹かれ子どもが神隠し
シリウスのように輝くことはなし
冬の雨濡れた額にキスをする
心配はきみのことだけ冬の風
くだら野に遠くを見ても何もなし
横須賀線蜜柑片手に芥川 ....
冬ざれの気持ちを胸に北へ行く
オリオンを見上げて歌うニルヴァーナ
拳銃を忍ばせ当たる空っ風
赤色のショールで締めるきみの首
凍死した兄の屍温める
枯芙蓉リストカットの血を啜る
裸木に打ち付けられて息絶える
美少女と銀杏落葉を踏みしめる
襟足に紅葉舞い散る美人妻
喉元にナイフ押し当て憂国忌
三島忌にアメリカ兵を斬首する
懐に爆弾隠し憂国忌
初時雨髪の雫を口で吸う
朝冷えに少女の肩を抱き寄せる
憂国忌バーガーショップに立て籠もる
....
くらやみを睨む猫とも交感す
手袋の厚みこそ君のアリバイ
龍田姫の誘うがまま円舞する
ちちろ鳴く指揮者は月と心得て
ちちろ鳴く指揮者は空の上にありて
かけている時の眼鏡を赤とんぼ
パリ五輪夏に涼しやあつかまし
紫陽花を見たあの日から幾日や
朝顔のつるりつるりと手を伸ばし
夜更けてもかなかな鳴くやゆめうつつ
紅葉葉のよう ....
散る音も転がる音も枯葉らし
寒のみを老野良猫に感じたり
木枯らしや葉っぱ転がる二歩三歩
{ルビ皸=あかぎれ}が嫌がらせする小指かな
ランナーを真似てか岸辺走る鴨
それぞれ ....
🎅 クリスマスサンタさんゐる包装紙
🦌 クリスマスサンタ{ルビ来=こ}ぬ子に{ルビ4=ヨン}タ来る
🎅 降る雪も音符{ルビ奏=かな}でる聖夜かな
🦌 クリスマス真っ赤な服でピザ屋来た ....
遊園地と思っていたのか家の蚊屋
台風の目は一重なの二重なの
背中から指さされてる浴衣の子
大花火地球はそんなに丸いのか
台風と言わず真夏の通り雨
笑わせてそして泣かせて ....
さくら笑ひかなしさ忘るるこのひととき
はるいろのはなびら舞いておどりたる
あおぞらにさくらの枝葉ひろげたり
瞳(め)に映る若葉薫りて胸騒ぎ
梅雨もよう読経混じりて響く音
....
むらさきに凍る涙の出どころよ
{ルビ朝=あした}明け梅雨に戻るか曇り空
懐かしの夏衣かなワンピース
化粧などしない自然の子ゼラニウム
蜜豆の味は母から教わりて
アゲハ蝶追い駆ける夢夢の夢
立秋にはほど ....
薄すぎて困るといううちなんちゅ
もう誰も居ない教室 一輪花
三十はしらふで生きた会社員
逢う人はいつも初だと思いおく
言い訳を何に帰そうか夏の月
病み疲れ若葉の想いも過去となり
真夜中に起きて明日は百日紅
見られない思い夏の日遠ざかる
粛々と夕立を待てば真夜中で
風鈴やガラスの音色涼し気 ....
梅雨明けて眠りを誘う掃除の後
ただ父に八月来ると伝えたくて
氷菓子溶ける前に食べなさいねと
氷菓子母はとにかく嫌いでした
美しき夏の暁我は{ルビ醜女=しこめ}
冴えかえる ....
溢るるは白紙にも似て時雨の日
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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