老いてなお棘は鋭き庭の柚子
茹で秋刀魚美味し 備前の皿の肌
くたびれたヒートテックや冬隣
柚子紅茶 新聞ちらしユニクロの
納豆チーズトーストよ かくありき
アンサリーの唄 ....
また今日もコインランドリあゝ秋か
夜更けて流るる秋の歌沁むる
果樹も木もなべて古りたる秋の庭
間を置いて鈴虫のこゑ草の中
数減りて二人の対面十月会
秋の街老アーティスト話しけり
函館着新幹線がなったならいかのお寿司にかぶりつきたい
休日の食べ放題に焼肉がなかった君に待つ月曜日
病床は梅の便りを書きたくていつも追伸にさえ忘れる
6時半外は起きたと確認し私も起き ....
春夕焼けスマホを解約したくなる
さようなら鳥帰る空明日晴れ
ブランコの届く梢の風の椅子
友達は絵本の中にすみれ草
れんげ咲く田んぼの永遠の3つの子
鈴木さんミーコの行 ....
偽史として秋にきえゆく詩歌たち
見上げれば鰯群れなし泳ぐ海
さよならかき氷
青い空に降る虫の音
青い空ぶった斬りひこうき雲
秋深しやがては死せる地球かな
初夏の黄色い花の花言葉
六畳の部屋の不穏に泉欲し
父さんの靴を磨くよに虹二重
父の日の花を選んで海にゆく
高島屋カルピスを飲む夏が来た!
月涼しオー・ヘンリーを猫と読 ....
長電話暇人ふたり秋うらら
秋暑しショートカットの擦れ違ふ
花の色うすむらさきよ枸杞の実の
秋涼や居心地のよき風の中
白風や水垢落とす台所
秋風よ猫ならば目を細めるよ
部屋にひとり真夏越しの麦茶淹る
鉄塔を登る猫あり 冬あかね
午前2時ポチはお庭で冬の月
ポチ遊ぶ冬の銀河の辺りかな
凩や白熱灯の昭和かな
新幹線小春を乗せて北陸へ
真夜中のサンタの仕事母子家庭
....
寝て起きて新米じゃない飯炊いて
瘋太郎鳥飛ぶのかと秋の朝
春暖や靴の珍場に気づかぬ子
凍み替える夜や明日こそ仕送り日
きさらぎやもらい電話もかけ放題
電話越し
風の変わりて雨水かな
薄氷やバスの1台逃しおり
ポチじゃな ....
トルソーのウエストが着る秋の風
傾いて見る窓の空の赤とんぼ
連休の道を塞いだ曼珠沙華
秋深し猫おばさんの通り道
本抱え抱え神保町ジへ捨て案山子
三叉路を右か左か千歳飴 ....
白風や怪力乱神への秩序
蜻蛉らよ脳の嵐はしらぬふう
縁側のポチの隣で心太
ポチがいるミーコが笑う走馬灯
風流が勝てない暑さポチの夢
百日紅明日は資源ゴミ戦争
羊草無人のブランコ揺れる午後
南瓜には戻れなかったパピエ・コレ
....
暗い部屋秋雨きくも母が来る
{引用=糞ありて 四季もまたあり}
菜の花に{ルビ撓垂=しなだ}れ掛る犬の糞
糞踏みて叫ぶ声あり花の陰
この窓へ糞かけたるか{ルビ巣立鳥=すだちどり}
....
曼珠沙華空地話もできぬ馬鹿
ささやかな仕事も退めて秋風癲
秋の夕ふと寂しき本屋帰り
文明にただよい箸を袋入る
秋の葉に月のしたたる竹しずか
聖書持つ手は不安げに朝七時
わが仕事太宰によれば失格者
雑草の茂るも良しとし秋の庭
月の出を忘るるほどの非日常
しずく垂る紅葉の枝を潜り抜け
虫しぐれ灯りの消えし退去かな
ともだちは絵本の中にすみれ草
幸せが痛いモールで本を買う
悪癖は知るそぶり吹く秋の風
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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