暗闇が
夜景さえもが
怖くなったとき
いつでも
ぼくのところに
おいでよ
ぼくの腕は
いつでも
きみのものなんだよ
やっぱり
きみに
戻ってしまう
狂おしいほどの恋慕も
雨に閉ざされて
花も涙する
こんな夕方には
朝の子が
帰っていく
いちにちの
つとめを終えて
ピンクのグラデーション
さよなら
また
明日
あえるね
捻けた砂の薔薇のように
気だるくベッドに朽ちる
肉体は四角い箱の中
魂は青い円の中に灯されたのに
自由は消沈したまま
なにも言わない
砂の薔薇は形を失えば
もう、元には戻らな ....
『ジャングルジム』
錆びた匂いが手に纏わり付き
警告にも似た揶揄が飛び交う轍の枠組みの中に居て
空にも往けず/地にも栄えず
隅の方に腰掛け
陽気に駆けずり回る人の群れを
見やっ ....
手術からもどってきた母が
うわごとで寒い、寒いと言ったから
クーラーを切って窓をすこし開けていた
そとからはセミの声が入ってくる
甘い緑の匂い
夏の光が静かだった
肌が粘膜のように感じやす ....
寝る前に、これを明日の日付にするのが習慣になった。
別に、日付が知りたいわけじゃない。
ただ、毎日を刻みたいだけ。
一日、を感じたいだけ。
一体、もう何百回転がしたんだろうか。
そろそ ....
厚く
熱の積層する
太陽の谷間で
流水を浴びたいと
切望の淵
地虫は揚力を手に入れて
夏の途中、
蒸す草いきれは陰を追い
木々の葉をひるがえす
風もなく
....
ゆるゆると祭りは終わり
その喧騒はとろとろと
静かな夜と同化する
瞼をおろしても 突き刺さる灯りを
残像を残す為に
目を見開き 睨みつけ
華やかな祭りのラストを 密かに飾る
切ないざわめきの中
此 ....
ゆく雲が
君を求めてのばした蔓から
ふわりと咲いた雪の花びら
彼方を白く染めるものの
ひとつひとつの小ささを
ひとつひとつの儚さを
まるく含んだ湿り気が
花の波に匂いたつ
....
透明な風が
ぼくらを包む
夏の香り
夕暮れの風
きみは
笑うけれど
ねえ
今一瞬だけ
真顔で言わせて
きみは
きみのままでいて
きみのすべてを
ぼくが肯定するよ
無理しなくて
いいから
....
もう、海はいいからさ。
この果てしない空を泳ぐ方法、教えてよ。
どこまでも、どこまでも。
泳ぎ続けるからさ。
あなたの言う、大丈夫が信じられなくて。
そわそわするの。
逢いたいよ。
逢えなくても。
天井高く
はめこまれた窓
少し欠けた
月が見えている
それは
絵画のようで
そして
こうやって
病院生活をしている自分も
まるで
すべてがフェイク
変えようのない過去
変わるかもしれない未 ....
小さな太陽が
点々と続いて
水面にまで
その光を落としている
泣くもんか
景色が滲んだって
泣くもんか
新しい橋を
渡るよ
灯が
ぼくを導いてくれるから
暗闇にいたんだ
ボクは
うずくまって
それに気づかせてくれたのはキミ
あたたかな灯りが
霧を照らして
朧な
小さな太陽が
いくつも現れた
さあ
行くよ
橋を
渡るんだ
優しい灯りが
ボ ....
さぁご覧よ
どうぞ見ておくれ
もっと中までさぁ!
あたしのかくしてるもの
すべて
すべて
だいっ嫌いな君がいなきゃ
せかいはさみしいから
お客にはほら
あのおおきなお月さまを
特別席にご招待 ....
天空が開いた
光の梯子
天使が舞い降りる
お願いだ
ぼくを連れて行って
憧れの空の上
待ってるひとが
いるんだ
でも
天使は帰っていく
空が雲に覆われる
人々の願いは
いつだって
....
この朝
キミはまだ眠っている
ボクの横で
安らかな寝顔で
でも
ボクは気づいているんだ
キミが
ボクから去ろうとしてること
新しい船に乗り換えて
ボクから旅立とうとしてること
ボクは
ここ ....
蜻蛉が雫に映るとき、
雨の一粒一粒に
空は宿る。
濡れては飛べぬその羽は、
悲哀の純度で透きとおる。
雨の最後の一滴が
蜻蛉の羽に落ちるとき、
無数の空は連なって
ひとつの空を ....
氷山の一角口の中で転がす
入道雲の昼寝
セミの即興ライブ
海辺のざわめき
乳白色の日焼け止め
3日坊主の日記帳
夏がきた。わくわくわく。
暑さ紛らわすためのまどろみ
起きたら空オレン ....
夜明け
目が覚めかけて
うとうとしたまま
窓辺に寄る
朝の蒼が
とても深くて
ぼくの眠りを
追い払っていく
わかっているんだ
イマジンみたいな世界は
どこにもな ....
土曜のプロペ通りで知り合いの車掌さんに出くわす
久しぶりの笑顔を見てこの人の唇が閉じているのを見たことがないと思う
煙草を吸う部分の歯と歯の隙間だけ黒く染まっていて
一緒にいた彼女は気持ち悪くて ....
健やかなるひとにも
病に侵されてるひとにも
何故か平等に
朝が訪れる
でも
きっとみんな
気づいている
平等なんて
有り得ないってこと
そんなキレイな世界は
訪れないってこと
わかって ....
まぶしくても欠けていた
陽気なあなたの翳りに
こんなにも離れてから
気がつく、それも
霞んだそらのむこうで
まだ青い実が
道に落ちている
成熟を知らぬままに
その存在を主張する
ああ
ボクに
何が出来るのだろう
いつまでも
子供のままじゃ
いられないんだ
青い実が
道に落ちている
誰もそれを
拾おう ....
真夜中にとめどもなく
浮かんでいる
多層の意識の吐露
舞台は悲劇と喜劇を目まぐるしく映して
時計の針だけを朝に近づける
虚ろな時間さえ
真実を想って
眠りに誘われ ....
星は瞬きを禁じられ
月は白む空に輪郭を透かす
夜が死に
朝が生まれ落ちるまでの
混沌と森厳に漂う
四海の色を数える頂
一瞬は濃淡により誓われ
時は不動のまま移ろう
雲 ....
太陽が昇り始め
朝がきた
キミとの
最後の夜が
終わった
寝不足の瞼に
氷を押し当てて
苦いタブレットを噛み砕く
明日から
どう生きようか
つまりは
キミのいない ....
窓辺の水槽
眺めては
綺麗な 光の屈折を
想い出して
山ほどの 不安 と
身を切るような さみしさ に
永遠の 闇 と 月の光 を願った
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