青い空
白い雲
わたしは野を走る
一両の列車になって
心のすべてを
空っぽにして
空に 冴える下弦の月
雑穀問屋の屋敷の裏庭
縁側の沓脱石の傍で
浅い眠りにつく ハチ
ふと 嗅ぎなれない匂い
目を覚まし 見廻すと縁の下に
小さく動く影一つ
「誰 ....
弾!弾! 弾!弾!弾! 弾! 弾!弾!弾!
朝昼晩の境なく空を切り裂く砲弾が
半熟玉子を潰してゆく
テレビも興味を失ったのか
当たり前の日常にまみれた俺たちは
よそ事のように黙ってい ....
セピア色に閉じ込められた表情は
硬く結ばれた口元と
こわばる頬
眼差しだけが生きている
たった一枚の写真
逢った事のない親族の表情は
戦闘に出る伯父を中心に
こちらの世界を見ていた
....
空に冴える下弦の月
ポツン と川ぼり佇めば
水面にこぼれる 舟宿灯り
さっき 別れてきたばかりの
タマの泣き顔
浮かんで揺らぎ
男泣きする トラ
ガラリッ
....
黄色の帽子被り
時の坂道に向かい
遡り走る走る
子らの笑顔叫声、
このアパート一室
狭隘な玄関口に
はち切れ溢れ流れ
点火するこの瞬間に 、
脳髄破裂し
生誕する新たな私、 ....
何かのふりをして歩いていると、詩を書くこころが僕
のなかからふらふらと彷徨い出て来た。そいつはゆら
ゆらと漂うように移動して、道行く人たちをとおくを
見るようなぼんやりとした眼差しで見たり、空を ....
在る
だけに見える
石にも
詩(うた)がある
幾億年の
「近頃、米や油が大変高くなって皆困っているよのお…。」
「まこと、この物価高で。俺達よりイワシの方が健康状態良いのでは
ないかな。」
あぐらをかく膝に丸くなっているイワシへ
....
光の中で見えるものを見て
闇の中だけで見えるものを見て
いまそのどちらでもない
薄暗がりだからこそ見えるものを
見ている君の瞳が
葡萄のように熟れてゆく
○「終活」
「忍び寄る老い
遠のく夢」
○「大麻問題」
僕たちも
大麻を売りさばくのに
苦労している
神社のお札も大麻という
○「日本沈没」
日本は僕のパンツの ....
ガキの頃から夕陽が好きで
肉屋のコロッケが好きで
図書館が好きで
手塚治虫と筒井康隆が好きで
野 ....
砂時計がたてる音のように
せつないくらい小さな寝息
双生児より近くて遠い君の
魂には今生でしか触れない
血の味がする朝餉のあとで
鶴を折ってこの運命で遊ぶ
手の熱すらも知らない相棒
今朝の音楽は短調ではなく長調が似合った
何時もの苦い珈琲が何故か甘く
正確なメトロノームが響きあって
ぼくたちに奇跡の扉は開いた
あまりにも透明な
薄く虹色に染まったシャボン玉
誰 ....
母の父の弟の妹の兄の頭が転がっている 首切られた 目のひとつひとつがおれを見つめている という夢をみた という夢をみた という夢をみた という夢をみた という夢をみた という夢をみた という夢をみた ....
ぬめりほぐれぬ二頭の
一頭の方の悪魔、
アーリマン*と称されるアクマ、
感覚される物質ノ
世界次元を唯一とさせ
生命・魂も無機物質の産物とする
(肉体の誕生と共にソレ生まれ
肉体の消 ....
あたらしい夢のなかで眼醒めることができたなら
もうきみのことを懐いださなくともいられるかも知れない
でも、ひとのない13番地に立つたびにきみを懐いだす
いままで読んで来た ....
向こう岸に行ったことはない
ずっと地元で暮らしている
此処が特に好きなわけではないが、気になるほどでもない
何かを諦めた訳でもなく、ここで何かをやりたいわけでもない
なんとなく成り行きでここで ....
夕の近付き、
庭先に出て仰ぎ見れば
純粋な思惟という力
突端に突き刺さる
曇天どんよりと
時の丘陵崩し
脳髄という鏡さっき割れ
あれ?もう考えれ無いハズ
なのに、
....
山脈の
雪の肌が
青空に
際立っている
痛いくらいに
・
時計は
時の地図です
今 いつにあるのか
私の一日を
見守ってくれる
・
行雲流水
という
言葉を ....
鞄のそこの
南の島に咲く
あかい花の
花びらのなかの
告白を
鳥がくわえて
はこんでいく
明日は真っ赤か
雨でぬれるか
花びらの便箋の
インクは涙か
雪どけの
緑の ....
下弦の月が冴え
よく冷える晩のこと
「おい、炬燵とは豪勢じゃないか!」
浪人が、長屋の玄関の戸を開けて
迎え入れた友だちは羨ましそうに言う
煮炊きする へっついの傍
....
○「こだわり症」
「こうしなければいけない」
「ああしなければいけない」
とこだわりが強い
しかしその一方で抜けているところもある
○「人間関係」
「僕はこう考える」
というのはいい ....
冨の神を崇める教義では、
あなたの身体と魂は誰よりも清く
その清い身体のために、
毎朝オレンジジュースを飲む
また、あなたの美貌のために
幼い夢を祭壇で屠り、鮮血を啜る
既に世界は ....
これは季節感のない冷蔵庫
一定の地位を占めるドライフルーツは罪なのであります
森の中で目覚めたまま立ちつくす僕のハムストリング
....
ごめん下さい 駅員さん
―はい
文化の中心へはどう行ったらよいですか
―難しいですよね 教えますよ
助かりました 簡単だったのです、少し前まで
あのあたりに住んでいたころはよかった ....
遺書を書くことにした
死ぬ予定は特にないけど
今日どこかで事故にあって
死んだら
このまま死んだら
そしたら
こういうふうに考えてたんだよ
なんて私の気持ち
全部誰も知らな ....
いすらえるぱれすちな
いらんあめりか
うくらいなろしあ
けれど先ず
我が内に戦争在り
我が内に巣食う
悪魔の住みつき
我が内に
外なる悪魔の作用し
悪魔と悪魔に飽く迄我戦 ....
わたしはしもべ
かしずく石角を探している
あなたは月
欠けては丸み
レイとムイの中を結ぶ
ここは静か
塞がれた霊道の人気のない洞穴が
ひゅうひゅうと現世の暖炉を廻る
あちらからしか ....
土のにおいがする
丁寧に耕して
ふかふかになった
畑のにおい
笑えよ
うたえよ
種まきだ
未来を想う尊き時間だ
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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