梅雨おちて紫陽花飾り電池切れ
咲きほこる護摩堂山に陽も覗く
梅雨時に姿現わす紫陽花図
朝おきてめぐる紫陽花夢にまで
七変化うつろう色に虹をみる
しろい雲を
トッピングした
きれいな青空が
ブルークリームソーダに
見えてきて
まだ午前10時
ころなのに
おなかがへってきてしまう
さっそく
じゃがいも君をとりだして
きれいにあらいながら
びっしりついてる
芽をとってゆく
小さいくせに
芽がのびて
あきれるほどの
芽の多さ....
きょうは
どうしても
モーツァルトのト短調が
聴きたい
ピアノカルテットにしようか
ストリング・クインテットにしようか
シンフォニーにしようか
いや
ニ短調もいいね
ピアノコンチェルトなんか
もちろん
ハ短調の
ピアノコンチェルトも
まてよ
イ短調の
ピアノソナタもあるし
ホ短....
きみの
夢のなかに
はいり込みたくて
すやすや眠る
きみの
あたたかい額に
くちづける
朝起きて
どんな夢をみたの?

きくのが
ぼくの
一日のはじまり
今夜は
どこに
おまじないの
くちづけをしようか
あのやわらかい
頬に
しようか
....
暑さくん
そうあわてて走るなよ
まだ梅雨が
はじまってもいないのに
せっかく咲きはじめた
紫陽花たちが
かわいそうだよ
いまバテたら
ゴールの夏が
冷夏になるじゃないか
そしたら子供たちが
海に行っても
山に行っても
ちっともおもしろくないって
ただをこねてしまうよ
だ....
少女が窓辺に腰かけて
静かに外をながめながら
じっと何かに聴き入っている
その目からこぼれ落ちる
涙のしずくは
キラリとひかる美しい
ダイヤモンドのように
つめたく輝いている
なぜ泣いているのだろう
あまりに悲しいめにあうと
聞こえてくるという
青空と太陽
そして
風と雲がかなでる....
ぼくは
ななめに線をひかれて
150年くらい前に
消されてしまったんだ
最近になって
ようやく日の目をみて
みんながぼくのことを
知ったようだけど
いったい誰のしわざだろう
ぼくを生んでくれた父さんは
モーツァルトという人だけど
父さんがこんなことを
するはずがないし
だれかに
たのんだ....
ブラームスはお好き?
それなら
ピアノコンチェルトがおすすめよ
それもNO.1のね
新しいステレオ録音なんて
ろくなものがないの
いくら音がよくても
だめなのよ
そうふるいふるーい
1932年録音の
指揮エイドリアン・ボールト
BBC交響楽団で
まだ若かった頃のバックハウスが
とってもいいのよ
....
春の神はいそがしい
あるときは冬の姿になり
次の日には
夏の暑さを装う
雪どけの水に
色あせた枯葉たちを
はこばせ
恋人たちに別れた秋を思いださせる
冬鳥たちが去ったあとに
はなやかな花ばなのリレーのピストルを撃ち
桜が咲くころになると
南から
数え切れない鳥たちを渡らせ
オオタカの子育....
雪どけの
きよらかな水のなかから
春がうまれる
山のふもとでひっそりと
春の陽射しを糧として成長した
水芭蕉たちは
これからはじまる
花のリレーの
トップランナーとして
力強く咲き誇る
ついさっきまで
あたたかな陽射しにつつまれていた
うららかな群生地に
突然の強風と吹雪が
荒れ狂う
....
枯葉のように
舞い落ちた
夏の日の恋
白いボートで
あそびながら
エメラルドグリーンより
コバルトブルーのほうが好き
紅葉のころに
また来ましょうね
といっていた
きみの笑顔が
よみがえる
あの日の約束を
おいかけて一人きり
残り少ない秋の日の
晴れわたる高い空
夕暮れ....
ぼくの隣に腰かけて
きみはなぜか
涙ぐんでいる
話しかけると消えそうで
涙のわけは聞けない
星空から落ちてきた
涙のしずくが
月のひかりにキラリと冷たい
昨日よりやさしさが足りないの?
それとも
今日の言葉に傷ついたの?
寄りそう肩の
ぬくもりに
たしかな愛を
信じてはい....
なぜか聴きたくなるシューマン
よく聴くのは
バッハモーツァルトベートーヴェン
次によく聴く作曲家の一人が
シューマンだ
若くして精神障害の症状に
悩まされるようになり
その芸術活動にも
かなりの影響がみられる
精神障害の原因として
妻クララの父との壮絶な争いがある
裁判ざたにしてまで勝ち取った結婚と
....
まいにち逢える人なのに
きみの扉は
迷路のかなた
曲がり道は行き止まり
回り道も行き止まり
はじめて逢った時から
たどり着けない
迷路のかなた
近道を
さがしてもさがしても
みえない道
あせればあせるほど
遠ざかる道
きみの
やさしく
あたたかな部屋に
いつかた....
ギリシア神話の案内役は
ペガサスにアンドロメダ
ペルセウス----
満天に
ダイヤモンドを散りばめて
光またたく秋の夜の
星座めぐりは果てしなく
気がつけば
空と地平の境界に
薄明かりが灯り
星座めぐりの
フィナーレがはじまる
時とともに
昇りくる太陽は
連山の影を
し....
ささやくように
話しかけてくる
冬の足音
秋の終楽章の
フィナーレは
もう間近
木枯らしのような
冷たい風が
吹き抜け
舞い落ちた枯葉たちが
公園で戯れるころ
過去からの旅人が
やってくる
それは
ぼくのこころに住みついた
セピア色の彼方の
もう一人の自分
アルバムとい....
死神が
美しい乙女に恋をした
死が近づいている乙女を
冥府に導こうと来たのだが
そのあまりの美しさに
恋に落ちたのだ
ところが乙女はまだ自分に
死が近づいていることを知らない
乙女はある日
鏡に映っている自分のうしろに
死神がいることに気がつき驚く
(ああ私はまだ若いのよ)
(残虐な死神よ私に近づ....
シューベルトが作曲するとき
意識して
あるいは無意識で
ほとんど
といってよいほど
歌曲の世界へと向かう
ストリングクァルテットがピアノクインテットが
シンフォニーがピアノソナタまでも
歌曲を歌う
モーツァルトもメンデルスゾーンも
シューマンも
歌曲を創るが
その世界をこれほどまでに
歌....
秋色に染まった街の
坂の上の教会へと
つづく道は
きみが教えてくれた
思い出の道
枯葉が舞い落ちて
石畳の道を飾り
きみは枯葉をひろって
とってもきれいね
でもすぐに色あせるのよ
といっていた
色あせる
という言葉が
気になって
きみの横顔を
じっとみていた
あのとき....
年末が近ずき第九のシーズンがくると
いつも憤りを感じる話がある
それは
楽聖ベートーヴェンの第九に
呪いがあるという話だ
ベートーヴェン以後の
有名な作曲家たちの多くが
交響曲第9番を作曲した後に
死亡したため
交響曲第9番まで発表すると
その作曲家は呪いで死ぬ
という噂が流れ始めた
ベートーヴェンは第....
(時は1829年10月ショパンは19歳
恋心にときめいていた)
今はただせつなくて
好きなのに言葉がでない
きみの前では
なにもいえない
でも
きみのことを想うとき
鍵盤の上をながれてゆく
旋律がみえる
なんて美しくはげしく
せつないしらべだろうか
気付いたら
僕の気持ち....
きのうまで
かれていた花が
今朝起きると
元気に咲いている
たしかに黒ずんで
かれていた
水がえなどはしていない
ただきのうの夜は
モーツァルトを
聴いていただけだ
かれていた花のある部屋で
対位法で
計算され尽くした
バッハの
時をこえて
繰り広げられる
音楽の空間にいると
数学の方程式を
解く時のように
頭が回転する
走馬灯のように
かけめぐる
フーガのメロディーは
異次元の世界へ
誘い込む
音符たちの方程式
移動する
時間と空間は
中世の宮廷のなか
....
昨日の真夜中に
久しぶりにゴキブリに出あった
コオロギかと思ったら
ゴキブリだった
我が家からゴキブリがほぼ消えて
かれこれ15年
この10年はまったく見ていない
以前は
あまりにも多くのゴキブリがでて
ノイローゼになったくらいだ
徹底的にゴキブリ対策を行い
まったく出なくなった
夜寝るときに
....
ぼくが一番きれいにみえる
秋がきたよ
と月が夜に胸をはる
中秋の名月というけど
ぼくには迷惑だ
と夜が月に
言いがかりをつける
まあまあ
と雲が仲裁にはいってきて
夜さん
なんで迷惑なの
と夜に問う
だって月が目立ちすぎて
ぼくがかすんでしまうじゃないか
と雲に答える
....
秋というだけで物悲しい
青空というだけで晴れ晴れとしてくる
恋人というだけでなつかしい
愛というだけで燃えてくる
秋の夜長の想いの庭に
いとしい言葉たちを
植えてみた
目を閉じると
コスモス畑は花ざかり
そう
あの秋の高い
すみきった青空のした
きみとコスモス畑へ
ピクニックに行った
....
<枯葉はシャベルで集められる
思い出も未練もおなじこと
そして北風はそれらを運び去る
忘却の冷たい夜のなかへと>
(「枯葉」ジャック・プレヴェール高畑勲訳より)
秋の夜にシャンソンを聴き巡るパリ
ナポレオンシャンソン聴けば増す香り
枯葉舞うシャンソンの街口ずさむ
時経てもシャンソンのなか....
巨峰よりも
マスカットが好きだ
好きで好きでたまらない
一年に一度だけの
食べる恋人
なんといってもぶどう狩りで
ぶどう園へ行き
熟したてのマスカットを味わうことだ
果物屋やスーパーにならんでいるものでは
ほんとうの味はわからない
天と地ほどの違いがある
一度食べたら
もうおかしなマスカットはいらな....
春は花で彩られ
夏は太陽で焼けつき
秋が九月の雨ではじまる
酷暑で疲れた体に
適度な気温と湿り気が
気持ちよい
夏の暑さで狂った自律神経が
正常に戻って行くのがわかる
大腸のリズムが
ようやく回復してきた
手術も薬も注射もいらない
秋は名医だ
九月の雨のしずくが
秋の匂いを降り注ぎ
夏の....
はげしい地震のあと
まるでなにもなかったかのように
がれきの上にひろがる青空
すさまじい台風のあと
まるでなにもなかったかのように
倒壊した建物の上にひろがる青空
自然とは
なんでこんなにも残酷なのだろう
わずかな時間で
なにもかもなくしてしまう
命さえも
豪雨で氾濫したあと
まるでなにもなかったかのように
沈んだ街のなかをゆるやかに流れる河
お....
投稿者「st」の検索結果
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
紫陽花 五句st俳句119-6-27 7:41
じゃがいも君ありがとう!st自由詩219-6-26 3:51
短調を聴きたい日st自由詩3*19-6-24 2:36
夢のシンクロ・・・・きみの夢のなかにst自由詩219-6-20 1:55
暑さくんst自由詩219-6-17 2:25
涙のカルテットst自由詩519-6-12 13:37
消された楽譜st自由詩119-6-7 4:38
ブラームスはお好き?st自由詩3*19-6-2 12:08
春の神st自由詩419-5-30 5:13
水芭蕉st自由詩319-5-18 4:04
コバルトブルーの湖st自由詩318-11-22 13:31
涙のわけst自由詩318-11-4 5:25
壮絶な恋の果てに---シューマンの精神分裂病的な美の世界st自由詩318-11-1 12:19
迷路st自由詩318-10-30 10:25
星座めぐりst自由詩118-10-28 2:05
過去からの旅人st自由詩518-10-23 4:49
死と乙女---シューベルトを追悼してst自由詩118-10-19 13:45
すべては歌曲から・シューベルトst自由詩018-10-18 6:25
石畳の道st自由詩718-10-15 12:26
第九の呪い・ベートーヴェンst自由詩218-10-10 9:50
初恋・幻影 ---ショパンを追悼してst自由詩418-10-8 12:12
モーツァルトst自由詩218-10-7 7:41
異次元への方程式st自由詩218-10-5 12:44
10年ぶりのゴキブリst自由詩218-10-3 13:18
月と夜st自由詩118-10-1 7:31
秋というだけでst自由詩318-9-29 6:44
シャンソン三昧st俳句218-9-26 6:56
マスカットst自由詩318-9-25 3:21
これからの秋st自由詩518-9-21 2:12
自然とはst自由詩318-9-18 13:50

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