ちいさな、迷いの、
みえない、
硬い、戸惑いのプラスチックを、
決断の、とがらせた指さきで、
....
誤って生まれてしまった家ひとつ葬るための虹をかけよう
毎日すべての珈琲が
あたたかい国
街の真ん中には日時計の柱
海の上で
狩りを覚えはじめた小禽 ....
穂渡りの君が
口笛を吹く
錦糸町にお蚕さんの面影を重ねてみる
ほら
そんなふうに季節を ....
ふるえる液体のように言葉をこぼす
その重なりの中のささやかな日常
計測地点からの風景 ....
紅葉の文様、その磨りガラスを叩くものが、
とんと鋳る
虚しいものだけ集めて終いたい
僕の中には ....
{ルビ蜩=ひぐらし}の かなかなかなかなかなかなかなかな……と歌う歌声が
空へ心地好くひびく
一 ....
きみはぼくのブルース
部屋にころがってるもんでできた
さびた機械
コップのなかにたばこの灰 ....
雨
つめたい
銀の雨
腕を伸ばし
手のひらを広げる
空を見上げる
目を開く
降 ....
素晴らしい朝は
岬の鴎たちが啼き交わす言葉までわかる
遠い希望は持たないほうがいい
ただ一 ....
雨上がりの後に時間があると
少女は
いつも散歩にでかける
行く先は
街の高台にある
....
いつか旅立つ
だからできるだけ
わらって
損をしたとか
得をしたとか
そういうこ ....
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