むらさきの階段を羽をつけて降りていく
対峙するおとこと女はスーパームーンに
みじん切りに ....
月が鳥やさかなの目玉のよう
ちいさなぱっちり目玉
ひかりの染みた夜雲はまるで
水墨 ....
手の平にいる熊たちに
寄り添う二人の神の神光
その滑らかな荒々しさを
喜びで包んだ名もなき紫
....
元日は一つの甘い形而上学
人々の想念に整った証明を与え
社会を理論的に区切っていく
幸せは ....
片目を射抜かれたので
精肉部門に逃げ込んで
働かせてもらうことにした
精肉部門では隠れてカイコ ....
元旦や
古女房の「おめでとう!」で
今年もスタートする
元旦や
初詣する人もなし
過疎 ....
私たちは確かに同時代に並べられただけの
安直な食器に すぎなかったかもしれない
たった二人し ....
序
お紅茶がお好きでしたわよね、どうぞ。
お砂糖おいくつかしら?
《桜ふる夜、艶め ....
何をどう 間違ったのかがわからない 洗濯干しても 乾かない部屋
寂しさが あのマンション ....
怒っていいことなんてたぶんない
つまらない顔をしていいなんてこともたぶんない
原色のなみ ....
皮膚の毛穴から
声にならない呟きが聴こえてくる
ひとつ、ふたつ、
呟きはふえていき
大きくな ....
どんな黒よりも黒い黒の髪
黒い髪をさらに黒で染め上げたように
さらに黒で染め上げたように
夜よ ....
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