赤い実を摘む
意味の無い音が唇からこぼれた
庭に赤い実が生った
忘れていた裏庭 ....
私見だが、都と警視庁と商店街のタッグで健全化した、最近の歌舞伎町ほど女に安全な町はない。
不夜 ....
柔らかな白紙が
一歩ごと
白さを増し
やがて
新雪の上の足跡のように
言葉だけが残る
....
きみを思うと
僕は張り裂けそうだ
聞いておくれよ
僕がどんなにきみを思っているか
きみを思う ....
土の時から切り倒された木が
障子の枠になり
冷たさと暑さをさえぎる
みあげていた空は
ど ....
遅い昼食を済ませて
苺の実を一つ齧る
幾つもの
目には ....
愛を送る
そっとあなたを包む
やっと、
気づけたから
....
どこまでも ゆっくりと
歩いて行ってくれれば 良いと思う
適度に 酔いながら 笑いな ....
ゆうぐれに向かってはしっている
かえっているのに
だんだん離れてゆくようで
君がならすおん ....
学芸会をやることになった。先生が教室に入ってくるなり、明るい表情に、楽しげな声調で言った。 ....
キヨクアカルイ――君の生き方を見ると、そう言いつつ嘆息が漏れる。多くの声が聞こえてくるけれど ....
海中を漂う砂粒が、潮流に弄ばれながらも、時には魚の口から鰓へ抜けながらも徐々に沈んでいく。 ....
ちょっと待ってください
兄弟ですから
似ているところもありますけど
性格は違いますし
性癖に ....
窓の下には鉄の部隊が並んでいて
わたしは今日も外に出られない
大きな口をがらんとあけた
あのパ ....
つぶれたスーパーの裏には
ひとり郵便ポストが立っている
そ ....
【つぶつぶとうがらし】
このタイトルが、イコール「粒々辛苦」の振り仮名だと思う人がいたら、そ ....
ワイシャツに挟んだネクタイに視線を落として
パソコンに向かう背中を眺める。
穏やかな心は ....
日記詩
(一)
真昼の銀行、キャッシュコーナーの長い列は
金にまつわる一喜一憂を分かち合う ....
それはまるで二人きりの秘密
くすぐったい内緒話をいつも微笑みが包むよう
とある産院での一室
大 ....
東の空にいつの間にか、オレンジ色した淡い月がでていた。
「あ……、もう、こんな時間だから、お ....
雲ひとつない冬のそら
白いちいさな骨が
すこしずつ進んでゆく
ひかるアスファルトを ....
いいことも
わるいことも
関係なしに
うつくしい
ため息さえも
いとお ....
時間がない が口癖になって
汗を かかないままで 奔走して
どこまで行けば どこまで ....
ワイルドストロベリー / 和名(エゾヘビイチゴ)
....
あの男が死んだとき
その亡骸をほしいとねがう
....
凡人、詩人、変人
詩にしたってだけで 何も変わっていない
明日への不安とか 過去の記憶とかそ ....
子供はめんどくさい
紙おむつも高いし生活費がかさむ
でも先生なのだな
問いかけ ....
街は、
カーブの多い 通り
I have lost my job
フランス語を
....
.
きみたちの{ルビ身体=からだ}から発した熱は
端正な六角の結晶を溶き崩す
時空のしじまをか ....
キミはいつもいつも”どうしてかしら?”っていうよね
ウチの”どうしてかしら?”は、疑 ....
センター試験初日
豪華弁当を作り見送った
仕事中も気になる
....
いつか空が大笑いして
わたしを吸い取ってくれるといいね
しわくちゃになった空の歯の隙間に
....
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